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駆け出し忍者のくノ一修行
イラストレーター
いずみ朔庵
忍者修行 最終回 ~死闘!小田原で風魔と忍者対決? の巻㊤~

去年リニューアルオープンした小田原城と共に

 忍者と言えば「伊賀・甲賀」が有名ですが、日本の各地にはその土地独特の名前で呼ばれた忍者たちがいました。上杉なら「軒猿(のきざる)」、武田なら「三ツ者(みつもの)」……戦国史が好きじゃないと聞き慣れない呼び名です。
 でも「風魔」は知ってる人も多いのではないでしょうか。相模国(神奈川県)の北条家に仕えた忍者集団なのですが、漫画などでは伊賀・甲賀に続いてよく出てくるように思います。第3勢力のニヒルな忍び集団……まず名前がかっこいい。中二病のハートをわしづかみにします。そしてその代々の頭領につく名前が「風魔小太郎」。名前がかっこいいですね!(2度目です)
 そんな風魔忍者をテーマにした施設ができたと聞いて、これは忍者対決をせねばなるまい!と小田原に行ってきました。

言われてみれば学校の雰囲気を残しています

 小田原城の敷地内にある「小田原NINJA館」は1929年に小学校の講堂として作られたものですが、1998年に「小田原城歴史見聞館」として小田原城の歴史を紹介する施設となり、2019年4月からは風魔忍者をテーマにした施設に生まれ変わりました。
 きっとこの中に風魔忍者がいるに違いありません。早速入ってみましょう。

 中に入ると、まずは北条家5代と風魔の関わりや、忍者について紹介するコーナーがあります。
 敵の情報を知るのは大事なことです。その中には「風魔小太郎」の身体の大きさを記したものも。その風貌はと言いますと“2mを超える大男、筋骨荒々しくこぶがあり、目はさかさま、高い鼻、黒ひげをたくわえ、口は両端に避けてキバがある”と書かれています。どうやらイケメンではなさそうです。でも強そう! 天狗のような人間離れした雰囲気を感じさせます。

 続いて「戦国シアター」という部屋に入ると、風魔からのメッセージ動画を見ることができます。君たちの力で風魔を助けてほしい、と「任務」を受けてしまいました。いや、私は対決に来たんですけど……まあいいや、味方のふりをして中に入ってしまえばいいのです。忍者なんだし。ちなみに、このメッセージ動画をはじめ館内ナレーションは声優の浪川大輔さん、左座翔丸さんが担当しています。ファンの方には嬉しいサプライズですね。(つづく)

背は高い方なのですが、自分が小さく見えます

風魔小太郎はこんな人だった?(画:いずみ朔庵)


【朔庵亭 いずみ朔庵イラストレーションギャラリー】
http://www.sakuan.net/
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【いずみ・さくあん】
歴史や時代物をはじめ、着物や和柄など日本文化に関するイラストを得意とし、時代小説の挿絵や装画などを中心に活動中。担当した装画には、『お文の影』(宮部みゆき)、『ぼんくら同心と徳川の姫』シリーズ(聖龍人)、『恋と歌舞伎と女の事情』(仲野マリ)などがある。和雑貨メーカーへのデザイン提供や江戸解説も行うなど、“江戸が好きすぎるイラストレーター”として活動中だが、実は幼いころから大の忍者好き。2017年には「甲賀流忍者検定」初級に首席で合格し、現在は一人前の忍者になるために修行中。著書に『財布でひも解く江戸あんない~マンガで辿る江戸時代に暮らしと遊び』(誠文堂新光社)がある。
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