忍者修行 其の三 ~真の忍者とは。手裏剣修行の巻㊦~ & 【コラム:忍者の豆】④
その後、実際に忍術を体験します。今回は暗闇で敵を見つける『座探しの術』。それが終わるといよいよ手裏剣です。楽しみではあるけれど、一応「武器」なので少し緊張します。
「このように構えて、こう投げます。」
「こうですか、えいっ!」
道場長に指導を受けて手裏剣を打ってみると……
「おーっ、まっすぐ刺さりましたね〜。」
たのしいぃいぃぃー!!
ちなみに、手裏剣は打つよりも手に握り込んで突くように使う方が実践的なのだとか。暗い夜道を歩く時、ポケットの中に手裏剣を握っておけばいくらか安心ですね! 手裏剣は結構重いので何枚も携帯できないし、なにより高価です。心臓のあたりに1枚だけ隠し持って、もうこれしかないって時に投げたり突いたりするような、いわば“お守り”。私が中学生の時に1枚だけ忍ばせていたのも、案外間違ってはいなかったんです。
手裏剣に続いて、今度は吹き矢に挑戦。
「息を細く吹くイメージで……。」
「フッ!」
ズドーン!
吹き矢は当たった時の音が大きいので達成感がすごい
「ヤッター!」
「いいですね!ど真ん中に当たってます。」
手裏剣も吹き矢も、上手に出来ると距離を取ったり、的を変えたりと少しずつ難易度を上げてくれるので、挑戦のしがいがあります。
道場長さんは教え上手の褒め上手。ふと気になりました。この人一体何者かしら?忍者だから正体不明のほうが面白いけど……。
画:いずみ朔庵
【まとめ】
武道進太郎道場長が所属している「武蔵一族」とは、芝に本陣を持つれっきとした忍者集団。代表の柴田朱雀さんは、ある時祖父が隠密の仕事をしていた事を知りました。そしてのちに「忍者を日本の文化として世界に広め、世の中に貢献したい」と考えて設立。いわば《現代の》《本物の》忍者なのです。
エンターテインメント、古武術、歴史研究などさまざまな分野に協力しながら、特に海外や訪日外国人に向けた活動に力を入れています。浅草の道場の他にも教室やセミナーなどを開講、心構え如何(いかん)によっては武蔵一族に入門する事もできるのです。
「忍者なんてどうせなれないし、人に言っても笑われる」と思い込み、本と妄想だけにかじりついていた私にとっては、身体を動かせる「修行」は衝撃でした。
もしかしたら、私もいつか本物の忍者になれるかも……? あっ、でもイラストレーターは当分続けたいので、兼業忍者を目指してがんばりたいと思います。(つづく)【コラム:忍者の豆?】
忍者が諜報活動をする時に欠かせないのが変装です。忍術の本『正忍記』にはその例として商人、虚無僧、出家(托鉢のお坊さん)、放下師(マジックや大道芸など)、猿楽師(当時は軽業や物真似など)、山伏、常の形(侍や町人姿)の7つを総称して「七方出(しちほうで)」と記されています。これは、目立たない、怪しまれない、国を頻繁に移動できるなど目的に合わせて使い分けられました。
そこで今回は、武道道場長に「現代の七方出」を考えてもらいました。
画:いずみ朔庵
◎NINJA SAMURAI DOJO(ニンジャ&サムライ道場)◎
住所:東京都台東区雷門2-17-8 スタジオ七色 6階
アクセス:銀座線「浅草」駅から徒歩3分、雷門から徒歩1分
TEL:080-4025-2020
営業時間:10:00〜19:00
定休日:火曜定休、まれに臨時休業あり
手裏剣コース:15打 1,000円(14才以下は500円)
吹き矢コース:15打 1,000円(14才以下は500円)
忍者修行30分コース:6,000円(忍者衣装レンタル、手裏剣、吹き矢つき)
※14才以下はゴム手裏剣となります。英語対応可。
お店のホームページ:http://www.ninjasamurai.tokyo/江戸隠密 武蔵一族のホームページ:https://musashi.ninja※記事中のコース内容は変更する場合があります。
【朔庵亭 いずみ朔庵イラストレーションギャラリー】
http://www.sakuan.net/取材協力:NINJA SAMURAI DOJO
http://www.ninjasamurai.tokyo/