実は、紳士淑女なんです。
第3回で「ヒツジ出産ラッシュの秘密」を紹介しましたが、来年は未年なので、再度登場していただくこととしました。
世界には約800種のヒツジがいるといわれています。ブタは約100種、ウシは約200種といわれていますから、ヒツジの品種がいかに多いかがわかります。品種が多いということは、それだけさまざまな場所で、さまざまな用途に利用されてきたともいえます。ブタやウシを食べてはいけないとする宗教はありますが、(主要な宗教では)ヒツジを食べてはいけないとする宗教はありません。このことからも、ヒツジという動物が、世界中で古くから利用されていることがわかります。


しかし、3回目で紹介したように、日本ではヒツジの飼育頭数は少なく(全国で約12,000頭)、さらに利用されている品種も多くありません。最も頭数が多い品種はイギリスのサフォーク州原産の“サフォーク種”という肉用種で、顔と四肢が黒いのが特徴です。顔が真っ黒なので「ガングロ羊」と呼ばれることがあり、ちょっと軽いイメージを持たれていますが、実はイギリス出身の紳士淑女なのです(とはいえ、イギリス原産の家畜は非常に多いのですが……)。