× close

お問い合せ

かもめの本棚に関するお問い合せは、下記メールアドレスで受けつけております。
kamome@tokaiedu.co.jp

かもめの本棚 online
トップページ かもめの本棚とは コンテンツ一覧 イベント・キャンペーン 新刊・既刊案内 お問い合せ
はっぴーあにまる
東海大学農学部准教授
伊藤秀一
第11回 ヒツジ

実は、紳士淑女なんです。



 第3回で「ヒツジ出産ラッシュの秘密」を紹介しましたが、来年は未年なので、再度登場していただくこととしました。

 世界には約800種のヒツジがいるといわれています。ブタは約100種、ウシは約200種といわれていますから、ヒツジの品種がいかに多いかがわかります。品種が多いということは、それだけさまざまな場所で、さまざまな用途に利用されてきたともいえます。ブタやウシを食べてはいけないとする宗教はありますが、(主要な宗教では)ヒツジを食べてはいけないとする宗教はありません。このことからも、ヒツジという動物が、世界中で古くから利用されていることがわかります。


 しかし、3回目で紹介したように、日本ではヒツジの飼育頭数は少なく(全国で約12,000頭)、さらに利用されている品種も多くありません。最も頭数が多い品種はイギリスのサフォーク州原産の“サフォーク種”という肉用種で、顔と四肢が黒いのが特徴です。顔が真っ黒なので「ガングロ羊」と呼ばれることがあり、ちょっと軽いイメージを持たれていますが、実はイギリス出身の紳士淑女なのです(とはいえ、イギリス原産の家畜は非常に多いのですが……)。


ページの先頭へもどる
【いとう・しゅういち】
1972年千葉県生まれ。麻布大学獣医学部環境畜産学科卒業、同大学院獣医学研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は応用動物行動学。中学生のころより写真撮影を始める。家畜たちの日常の素顔を集めた写真集『まきばなかま』を出版。
新刊案内