× close

お問い合せ

かもめの本棚に関するお問い合せは、下記メールアドレスで受けつけております。
kamome@tokaiedu.co.jp

かもめの本棚 online
トップページ かもめの本棚とは コンテンツ一覧 イベント・キャンペーン 新刊・既刊案内 お問い合せ
美しいくらし
落語でボン・ヴォヤージュ! フランス人落語パフォーマー
シリル・コピーニ(尻流複写二)
最終回 タイで落語の花が咲く
「落語でボン・ヴォヤージュ」が最終回となりました。これまでは、主にフランス国内で開催してきた落語会の様子を伝えながら、開催のきっかけになったご縁や、その土地ならではの特色について紹介してきましたが、最終回となる今回はフランス、そしてヨーロッパを離れ、タイ北部の町CHIANG-MAI(チェンマイ)へヴォヤージュしてみたいと思います。

私は10年前からフランスやフランス語圏の国々でフランス語落語の会を開催してきましたが、2017年からはタイのチェンマイでも口演を行うようになりました。きっかけはタイが好きで、そこへ行けるように自分からグイグイと営業をかけたことでした(笑)。

初めてのチェンマイ口演のときにはタイ語の挨拶である「サワディカップ(こんにちは)」や「コープンカップ(ありがとう)」なども覚えてのぞみました。ところが、いざ会場に行ってみると、お客さんは見事に日本人オンリー。というのも、主催がチェンマイに暮らす約300人の日本人が所属する「チェンマイ日本人会」だったからです。そのため、いわゆる“フランス人がチェンマイ在住の日本人向けて日本語全編の落語をする会”という、ひと言では説明しづらいイベントになってしまいました。

子ども向けワークショップの名札

それでもご縁がつながり、以来、年に一度のペースで、チェンマイ口演を開催するようになりました。現地在住の日本人の方々が異国の地で日本語の落語を生で聞けることを、とても喜んでくださったのです。コロナ禍の間はさすがに中断を余儀なくされましたが、2023年にようやく再開することができました。しかし、相変わらず「全編日本語」です。最近では、日本語を勉強しているタイ人の学生さんが少しずつ足を運んでくれるようにもなっています。

昨年(2025年)7月には、夏休みに日本に帰国しない日本人家族の子ども向けワークショップと、大人向けの落語会を開催しました。「大人向け」といっても、別に吉原遊郭を舞台にした廓話(くるわばなし)を披露したわけではありませんが(笑)。

チェンマイには魅力的なスポットがたくさんあります。観光で訪れたDon Kaeo (ドンカエオ)で目にした巨大なワラのオブジェには、思わず圧倒されました。近年は円安の影響もあり、タイでも物価が高く感じることがあります。それでもスパイシーな料理とマッサージが好きな方にとっては、やはり天国のような場所です。そんな土地へ旅できるなんて、まさに最高の「落語でボン・ヴォヤージュ」ですね!(おわり)



【シリルの豆知識 ●タイ・チェンマイ編】



東京に住んでいたころは、バンコク経由でさらに1時間のフライトで乗り継ぎ、チェンマイへ向かうのが定番でした。ところが約2年前から、関西国際空港からタイ拠点のLCC「タイ・ベトジェットエア」によるチェンマイ直行便が就航しています。人口の多い関東圏なら成田か羽田からの直行便があってもよさそうですが、機体の燃料搭載量の関係で東京までは飛べないのだとか。そのため、あえて大阪まで移動し、関空からチェンマイに飛ぶ関東在住者もいるようです。

(写真提供:Cyril Coppini)

フランス語か英語、それとも日本語で――言葉を変え、場所を変えて笑いを紡いできたシリル・コピーニさんの連載「落語でボン・ヴォヤージュ!」が今回でひと区切りとなりました。とはいえ、落語を携えた旅が終わるわけではありません。言葉や文化が違っても、世界のどこかで人が集い、笑いが生まれる場所がある限り、その歩みはこれからも続きます。シリルさんの次なるヴォヤージュに、どうぞご期待ください!(編集部)

☆シリル・コピーニさんがフランス語で落語を披露するときのコツや面白さを語る
連載【落語はトレビアン!】はこちら→
☆口演会やイベントの情報はこちら→https://cyco-o.com/

ページの先頭へもどる
【シリル・コピーニ】
1973年フランス・ニース生まれ。落語パフォーマー、翻訳家。フランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)で言語学・日本近代文学の修士号を取得。1995 年から1996 年まで長野県松本市信州大学人文学部へ留学。1997年から2021年まで在日フランス大使館付属文化センター「アンスティチュ・フランセ」に勤務。2011 年から「フランス人落語パフォーマー」としての活動を開始、国内外問わず落語の実演、講演会、ワークショップを積極的に行う。テレビやラジオにも数多く出演。2013年からは漫画やビデオゲームなどの日本のサブカルチャーコンテンツの翻訳と海外への紹介にも取り組んでいる(『名探偵コナン 』『どうらく息子』など)。
新刊案内