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美しいくらし
落語でボン・ヴォヤージュ! フランス人落語パフォーマー
シリル・コピーニ(尻流複写二)
第9回 「それってどこ?」から始まる落語の旅
今回はフランス南西部・ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏のランド県にある小さな町、MIMIZAN(ミミザン)へヴォヤージュしましょう。
私がフランス国内で落語ツアーを始めて、気づけば約10年。それでもなお、「どこですか?」と聞き返したくなるような場所からオファーが舞い込んできます。ミミザンもまさにその一つ(笑)。故郷のニースからボルドーへ飛び、そこからさらに車で約90分走って、ようやく到着する町です。夏の6月から9月にかけては大勢の人でにぎわうビーチ・リゾートですが、それ以外はアクティビティがそれほど多くありません。でも、海が好きで、のんびりしたい方にはおすすめの場所です。

「レ・ジュルネー・ファナ・マンガ」のポスター

そんなミミザンでは、2024年5月末に公共図書館が主催する日本文化イベント「LES JOURNÉES FANA MANGA(レ・ジュルネー・ファナ・マンガ)」が20周年を迎えました。タイトルからわかるとおり、テーマはマンガが中心ですが、記念すべき2024年の節目に、イベント初となる落語口演も開催され、私にお呼びがかかったというわけです。
とはいえ、この地域では落語の存在そのものがほとんど知られていなかったため、口演には正直あまりお客さまが集まりませんでした。しかし、私のもう一つの仕事である漫画翻訳についての講演も同時に開かれ、こちらはたくさんの方に来ていただけました。

今回のオファーは、実は神戸経由でやってきたものです。どういうことかと申しますと、神戸に、日ごろからお世話になっているフランス語・英語の教室があり、ここではオンライン授業が盛んに行われています。私も以前、この教室で「オンライン漫画翻訳ワークショップ」を担当したことがあり、それがご縁の始まりでした。

ブースが並ぶ屋外の様子

教室のオーナーはフランスに住んでいた経験があり、その時にできた友人がオンライン授業の講師をしているそうです。その中の一人で、ミミザン在住の女性講師のお子さんが、なんと漫画『名探偵コナン』の大ファン。私がコナンのフランス語翻訳担当し、しかも同じ教室で教えていると知った彼女が、「ファナ・マンガ」という地元のイベントをぜひ紹介したいと声をかけてくれたのです。その後、図書館の担当者とのやり取りを重ねて、晴れて私のイベント参加が決まりました。

こうしてご縁がまた一つつながり、フランス出身の私でさえ行ったことも聞いたこともなかった町を旅しながら、日本の落語をフランス各地に届けています。ご縁というものはどこから飛んでくるかわからないものですね。(つづく)

【シリルのフランス豆知識 ●ミミザン編】



ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏、ランド県に位置するミミザンの周辺には「Forêt des Landes (ランドの森)」と呼ばれる西ヨーロッパ最大規模の森林があります。19世紀に植林された人工の森で、その広さはなんと約100万ヘクタールに及びます。ミミザンはビーチ・リゾートとしての魅力もありますが、大自然が好きな家族連れの方にも大人気のエリア。日本発祥のリラクゼーション方法である森林浴を満喫できます。

(写真提供:Cyril Coppini)

☆シリル・コピーニさんがフランス語で落語を披露するときのコツや面白さを語る
連載【落語はトレビアン!】はこちら→
☆口演会やイベントの情報はこちら→https://cyco-o.com/
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【シリル・コピーニ】
1973年フランス・ニース生まれ。落語パフォーマー、翻訳家。フランス国立東洋言語文化研究所(INALCO)で言語学・日本近代文学の修士号を取得。1995 年から1996 年まで長野県松本市信州大学人文学部へ留学。1997年から2021年まで在日フランス大使館付属文化センター「アンスティチュ・フランセ」に勤務。2011 年から「フランス人落語パフォーマー」としての活動を開始、国内外問わず落語の実演、講演会、ワークショップを積極的に行う。テレビやラジオにも数多く出演。2013年からは漫画やビデオゲームなどの日本のサブカルチャーコンテンツの翻訳と海外への紹介にも取り組んでいる(『名探偵コナン 』『どうらく息子』など)。
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