あけましておめでとうございます!
2026年が皆さまにとって、何事もウマくいきますように!
さて、新年一発目は
前回(本連載第10回)に引き続き、隣の国、ベルギーへヴォヤージュしましょう。
ベルギーは同じ国の中でもフラマン語(オランダ語)、フランス語、ドイツ語など、地域によって言語が異なります。首都ブリュッセルの東側にあるHasselt(ハッセルト)はフラマン語圏。そのため、一昨年(2024年)に初めて訪れたこの町では、フランス語ではなく英語で落語を披露することになりました。
ハッセルトはとてもコンパクトな町で、中心部ならどこへ行くのも徒歩でOK。そんなハッセルトには、姉妹都市である兵庫県伊丹市の協力によって造られたヨーロッパ最大規模の日本庭園があります。意外なほど日本との「縁」が深く、このお庭のおかげで「緑」も豊かな地域なのです(笑)。
そもそものきっかけは、このハッセルト日本庭園の園長Carl(カール)さんからの招待でした。彼は若いころ、伊丹市に留学した経験があるそうです。フランスには、北西部のロワール地方にParc Oriental de Maulévrier(パーク・オリエンタル・ドォ・モレヴリエ)という有名な日本庭園がありますが、ハッセルトにも日本庭園がある聞いたときは、かなり驚きました。
口演会場になったこの庭園に実際に行ってみて、さらにびっくり! 立派な鳥居をくぐると、目の前に広がるのは150ヘクタールもの広大な敷地。本格的な茶室や、落語の会場になった和風建築のセレモニーハウス、橋が架かっている池もあり、「ここは日本です」と言われても信じてしまいそうな景色でした。
そして迎えた口演当日。実は英語での落語はまだ経験が浅く、緊張しつつも、なんとか無事にやり切ることができました。落語の後はお客さまとの交流タイム。英語で話すつもりでいたら、集まってくださった約50人のお客さまのうちのほとんどがまさかのフランス人! もちろん残りはベルギーの方々でしたが、フランス語は喋れないけど、ある程度は理解できるという人ばかり。……じゃあ、なんのために英語でやったんかい!?(笑)

初口演の会場となったハッセルト日本庭園のセレモニーハウス
さらに昨年(2025年)の6月には、アンコール口演として再びハッセルトに呼んでいただきました。今度の会場は市内のシアターで、ハッセルト日本庭園とシアター「De Nieuwe Zaal」の共同主催。しかも、またの英語の口演です。ところが今回はなぜかフランス人のお客さまがゼロ! いやー、土地柄って読めませんね。
このとき、日本人のプロデューサーから声をかけてもらい、「For the love of Rakugo」というドキュメンタリーのショートフィルムを撮影しました。着物に着替えるところから、舞台の様子、お客さまのリアルなリアクションまで、いったいどんな映像に仕上がっているのか私自身も楽しみにしています。まだ映像をお見せすることができませんが、乞うご期待!(つづく)
【シリルのフランス豆知識 ●シリル編】
南フランス生まれの私、シリル・コピーニがベルギーで日本の伝統芸である落語を披露するドキュメンタリー「For the love of Rakugo」の内容を先取りしてご紹介します。
一人で静かに準備をする様子から高座に上がり英語で新作落語を披露するまでを密着! スタイリッシュな映像に切り取られた高座の様子、落語を初めて聞いたという観客のリアルな声なども収録され、シリル自身もお笑いや文化交流、そして落語の魅力について熱く語っています。公開は今年(2026年)夏ごろの予定。皆さま、どうぞお楽しみに!
(2025年6月撮影/26分のドキュメンタリー/言語:英語/字幕:日本語版とフランス語版、撮影場所:ハッセルト日本庭園・De Nieuwe Zaal)(写真提供:Cyril Coppini)
☆シリル・コピーニさんがフランス語で落語を披露するときのコツや面白さを語る
連載【落語はトレビアン!】はこちら→
*☆口演会やイベントの情報はこちら→
https://cyco-o.com/