私たちフランス人にとってクリスマスの次に大事な行事といえば、イエス・キリストの復活をお祝いするイースター(復活祭)です。フランス語ではPâques(パック)と言って、「春分の日の後の最初の満月の次の日曜」と定められています。
イースターの日には家族みんなで食卓を囲んで特別なランチを食べ、チョコレートでエッグハント(卵探しゲーム)をします。そのため3月に入ると、お菓子屋さんやスーパーには「復活」や「誕生」を意味する卵やウサギ、ニワトリ、鐘、魚などの形をした可愛らしいチョコレートがたくさん並びます。この時期だけしか手に入らないのでお土産にもおすすめです。
もちろんわが家でも毎年、イースターランチの前にエッグハントをします。大人があらかじめ庭に隠しておいたたくさんのチョコレートを、籠を持った子どもたちが探し出すのです。たくさんチョコレートを見つけた子どもたちは大喜び。ランチが終わるのを待ちきれずに夢中になってチョコレートを食べます。
イースターの食卓ではキリストの復活のシンボルでもある仔羊(ラム)のローストを食べる習慣がありますが、わが家ではラム肉の代わりに魚を食べます。ラム肉は味や匂いに癖があって、父も母も苦手だからです。
前菜としてマミー(私のおばあちゃん)が必ず作るのがミモザエッグです。ゆで卵を半分に切り、取り出した黄味をマヨネーズと混ぜ、それを再び白身に戻してお皿に載せるだけ。最後に細かく砕いた黄味をその上に散らして出来上がりです。黄味がミモザに似ていることから、「ミモザエッグ」という呼び名になりました。旬を迎えたアスパラガスも前菜としてよく食べますね。ミモザエッグのためにマヨネーズを手づくりするので、アスパラガスはさっと茹でるだけ。マヨネーズをつけてシンプルに食べます。
フランスではイースターの時期からイチゴの旬が始まるので、デザートにはイチゴもよく食べます。まだ出始めのイチゴを食べられるので、みんなワクワクします。特に長男は幼いころからイチゴが大好き。生クリームでなくグラニュー糖をたっぷりかけて食べるのがお気に入りです。
私のお気に入りは、デザートが得意なマミーが数年前に作ってくれたイチゴのタルトです。イチゴ、カスタード、手のひらサイズのおひとり様用のタルトを別々のお皿に用意して、自分の好きなものを好きなだけ載せて食べるのです。サクサクの手づくりタルト生地がとっても美味しかったですね。カスタードを少なめに、イチゴをたっぷり載せて、春のデザートを堪能しました。(つづく)
【マイ コートダジュール ツアーズ】
http://www.mycotedazurtours.com/【mycotedazurtours Instagram】
https://www.instagram.com/stephanie_francetrip/【好評につき追加募集中!】4月5日(土)開催
ステファニーさんの南仏トークイベント
好評既刊
『ニースっ子の南仏だより12カ月』の著者で、フランス政府公認ガイドとして活躍するルモアンヌ・ステファニーさんのトークイベントを開催します。会場は東京・神田神保町の出版クラブホール。特別ゲストとして、ステファニーさんと同じくニース出身で日本在住20年以上というフランス人落語パフォーマー、シリル・コピーニさんが登場! 南仏気分を味わえる春のトークイベントをお楽しみください。
★南仏の今がわかる最新観光情報
★ここでしか聞けない南仏エピソード
★ニース出身の2人による南仏対談
★フランス語まじりの落語パフォーマンス
★南仏のプチギフト付き!☆詳細と予約申し込みはこちら
『ニースっ子の南仏だより12カ月』

定価2200円(税込)
地元っ子ならではの視点で案内する
南フランス12カ月の暮らしと街歩きの楽しみ方
生まれ育ったニースを拠点に、日本人向け貸し切りチャーターサービスの専門会社を営む著者が、流暢な日本語を生かして綴る南フランスの日々の暮らしと街歩きの楽しみ方。1年12カ月、合計60のエピソードを収録。興味のある月やテーマを選んで気軽に読めるので、日々のちょっとした空き時間を使って太陽の光あふれる南仏コート・ダジュールを旅した気持ちになれる一冊です。4世代に伝わる家庭料理の簡単レシピも収録。

【Stephanie Lemoine】
1979年フランス・ニース生まれのニース育ち。高校で第3外国語として日本語を選択、大学はパリにある国立東洋言語文化学院(Institut national des langues et civilisations orientales)で日本語と日本文学を専攻。大学時代の1年半、東京学芸大学に留学。ニースを拠点にした日本語ツアーや通訳、各種コーディネートなどを提供する「マイ コートダジュール ツアーズ」に、日本語ドライバーとして2008年から勤務し、10年に社長に就任。フランス政府公認ガイド。日本でのお気に入りの場所は宮島(広島県)と湘南(神奈川県)。大好きな鎌倉で老後を過ごすのが夢で、2人の息子たちには毎日欠かさず日本の話をしている。