イラスト:高尾斉
私のおすすめの村を紹介する書籍
『フランスの一度は訪れたい村』(2019年11月刊行)の追加取材のために、3回フランスを訪れました。そのときに肌身離さず持ち歩いていたのが、この取材ノートです。約10年前から同じシリーズを購入するほどのお気に入りで、お店やホテル、観光スポットなどのリサーチしたことを書き込んだり、簡単な地図や誌面イメージをスケッチしたりするのに使っています。
フランスの本づくりに携わって38年。記事や原稿を書き終えたあとは、取材ノートを読み返すことはほとんどありません。ですが、今回の本の執筆にあたって、久しぶりに過去の数冊を見返すことにしました。すると、「石畳の道がつるつるして滑りそう」「野生化したヤギがいる」とか、他愛もない言葉がたくさん残されていたのです。私自身も忘れていたくらいですから、旅先で感じたままを無意識に書き留めていたのでしょう。
そのなにげない走り書きを目にしたとき、何年も前に体験したことがパッと脳裏によみがえってきました。中世の美しい町並み、花が一面に咲く田園風景、偶然出会った本場の味……まるで昨日のことのように思い出した情景やワクワクした気持ち。それをたどって言葉を紡ぐことで、一冊の本ができました。時間が経つにつれて薄れてしまう感動や気づきは、この取材ノートのおかげでいつまでも色あせません。
(構成:狭間由恵)
【参加申し込み受付中】
『フランスの一度は訪れたい村』刊行記念イベント
2020年1月24(金)19:00から銀座で開催
「フランスの村」シリーズの著者、坂井彰代さん(
『フランスの一度は訪れたい村』)と寺田直子さん(
『増補版フランスの美しい村を歩く』)によるトークイベントを銀座蔦屋書店で行います。”旅のプロ”の2人がそれぞれの著書の中から選りすぐりの”とっておきの村”を紹介しつつ、田舎旅の魅力を語ってくれます。本に書ききれなかった宿泊やアクセス、観光名所などの旅情報が満載です。日本に居ながらにして、「フランスの村」が楽しめるこの機会をお見逃しなく!
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