
ノエルの小さな物語をモチーフに窓辺を飾る
いよいよ、子どもたちが楽しみにしているノエル(クリスマス)がやってきますね!
私ごとですが、今年の12月はクリスマスシーズンで賑わう街やワイナリーをご案内するツアー、そして新たな村を訪れるため、2週間もアルザスに滞在することになり、村や街だけでなくかわいい
シャンブル・ドットのデコレーションを楽しんできました。

華やかなコルマールの街
フランスでは、日本でイベントとして行われるクリスマスマーケットとは少し違い、村や街ごとすっぽりとノエルのデコレーションで包んでしまいます。
“クリスマスの街”とも呼ばれるアルザス地方の景色は、さながら童話の国にいるようで夢のような景色が広がります。
そんな童話の国の魔法にかかってしまった私は、ツアーのお客さまたちと店を訪れるたびにいろいろと買い込み、なんと2回も自宅宛てに荷物を送ったほどです。
ワインにフォアグラ、鴨の燻製やパンデピス(スパイスをたっぷり使ったお菓子)にチョコレートなど、もちろん、今年のノエルのパーティーのための食材もいっぱい! 今から家族みんなの笑顔が見えるようです。

オーナーのセンスが光るアパルトマンの飾りつけ

少しずつ集めたオーナメント・コレクション
ツアー中に訪れたかわいいシャンブル・ドットでは、オーナーの手づくりの飾りつけがあったり、宿泊施設でもとびきりのデコレーションでこの季節を盛り上げます。
そう、みんなで「ノエルを楽しもう!」という気持ちが伝わってくるのです。
村を旅して手に入れたノエルのデコレーションは、集め始めてからすでに10年近くになります。少しずつ手に入れたフランス各地のさまざまなオーナメントのコレクションは、今では私の宝物です。
長かった1年間の旅を終え、自宅に帰ってからはノエルを迎えるための飾りつけに大忙し!
出かける前に山から採ってきた枝やジューンベリーの緑の葉を使い、わが家もみるみるうちにノエル仕様となっていきます。
窓辺には娘たちが喜んでくれるよう、小さな物語をつくるのが密かな楽しみ。窓の外に見える緑のボールは、冬の間遊びに来る小鳥たちへのプレゼント。飾りつけている間にも、次から次へと窓辺に遊びにきてくれます。
さて、今からシャンブル・ドットのオーナーに教えてもらった素敵な照明をつくろうと思います。

オーナーに教えてもらい、さっそくコーヒーフィルターを利用した照明づくりに挑戦
派手さはないですが、田舎ならではの手づくりのノエル。
皆さんも家族や友人、恋人と素敵なノエルをお過ごしくださいね!
1年間にわたり連載してきた「フランスの田舎暮らし12か月」、いかがでしたでしょうか? 日本とはちょっと違う、田舎ならではのゆったりとした暮らしを楽しんでいただけたら幸いです。
それでは、よいお年をお迎えください。(おわり)
【今回の“とっておき”は……】
クリスマスツリー
今年のわが家のツリーは少し小さめのモミの木を選び、たっぷりのオーナメントを飾りました。これで、来年1月6日のエピファニー(公現祭)まで十分楽しむことができるでしょう。ときどき、「フランスは年が明けてもクリスマスツリーを片づけないよね」と言われるのですが、これは宗教的理由からに他なりません。簡単に説明すると、12月25日はイエス・キリストの誕生日であり、エピファニーは彼が神の子であると示された日なのです。そのため、この日までお祝いが続いていると考えられ、このエピファニーを機にモミの木を片づけます。
毎年、確かに大変ではありますが、日本のお正月同様、フランスでは大切な家族の行事の一つ。決して「お祭り」ではなく、宗教的行事として受け止めています。
春のみずみずしい味わい、咲き乱れる夏の花々、大地の恵みあふれる秋、そして華やかに彩られる冬の街と家族で過ごす楽しいノエル。木蓮さんが詩情あふれる写真とともに紹介してくれた「フランスの田舎暮らし12カ月」は今回で最終回です。この連載が、新しい年のあなたの暮らしを“ちょっと”すてきにするヒントになりますように。引き続き、木蓮さんが小さな村のワイナリーを訪ねる「フランスの美しい田舎と小さな村ワイン」も好評連載中です。こちらもぜひお読みください(編集部)★木蓮さんのブログ【フランス小さな村を旅してみよう!】
http://ameblo.jp/petit-village-france/
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WEB連載「フランス 花の村をめぐるたび」はこちらをご覧ください。
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【もくれん】
神戸出身。フランスの「おへそ」にあたるオーヴェルニュの人口200人に満たない小さな村に在住する日本人女性。フランス人の夫との結婚を機に渡仏。さまざまな地域に接しているオーヴェルニュの地の利を生かし、名もなき小さな村を訪ねる旅にどっぷりはまる。フランスの小さな村の美しさに魅了され、「パリだけではないフランスの美しさを伝えたい」と、訪ねた村々をブログで紹介。みずみずしい写真と住んでいる人間ならではの視点で人気を呼んでいる。著書に『フランスの小さな村を旅してみよう』『フランスの花の村を訪ねる』(東海教育研究所)。