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美しいくらし
伊豆大島ぐらし トラベル・ジャーナリスト
寺田直子
第12回 離島ならではのゴミ問題
 Hav Cafeではドリンクのテイクアウトをやっていません。その理由は、使い捨てのカップを使いたくないからでした。
 伊豆大島では公共のゴミ箱の設置は非常に限られています。観光客が利用できそうな場所での設置は、フェリーが発着する岡田港と元町港にある客船待合所、、都立大島公園くらいでしょうか。飲み終わったカップを捨てたくても捨てられる環境ではありません。

カフェの目の前は波浮港

 さらに、Hav Cafeの目の前は波浮港。悪気はなくても風がひと吹きすれば、空のカップはあっという間に海に飛ばされてしまいます。
 海洋プラスチックゴミが国際的にも問題になっていますが、自分の暮らす場所がまさにその課題と密接につながっていることを、伊豆大島に暮らしてみてとてもリアルに感じています。

 伊豆大島でもゴミの分別やリサイクルは、もちろんしっかり行っています。ただ、島内にペットボトルをリサイクル処理する施設がありません。事業所や家庭から分別・排出されたペットボトルは、「大島エコクリーンセンター」という施設に集められ、圧縮・梱包されたあと、船で島外の処理施設に運搬されます。

圧縮・梱包されたペットボトルの塊

 その運搬作業が行われるのが、実は波浮港。定期的に港に圧縮されたペットボトルが積み上げられているのを見ることになります。通常のリサイクル処理よりも、さらに海上輸送というもう一つのエネルギー負荷がかかるのが離島の現状。Hav Cafeでもコーヒーマシン用にペットボトルの水を使用するため、当事者としていかにこれから減らすかが今後の課題だと思っています。

 また、ある日、近くのスーパーマーケットまで買い物に行ったときのこと。店までは波浮港をぐるりと回って行くことになるので散歩がてらに歩くのですが、ふと足元を見ると、タバコの空箱と釣り客が忘れていったのか釣り糸が落ちていました。

捨てられた釣り糸は生物の大敵

 これも風が吹けば海へと飛んでしまいます。港周辺にはゴミ箱はないため、買い物を入れたエコバッグを片手に、タバコのパッケージと釣り糸をもう片方の手に持ち、家まで持ち帰り捨てました。

 島民たちも島の環境美化に取り組んでおり、カフェ仲間でもある女性オーナー2名による「島ぐらしカフェ chigoohagoo」さんはエコ&サスティナブルな活動に積極的で、定期的にビーチクリーンやリユースを促すフリーマーケットを開催しています。ビーチクリーンで取集するゴミだけでもかなりの量になっているのに加えて、日々、流れ着くペットボトルやゴミなどはなくなりません。それでも参加者が当事者として伊豆大島をとりまく環境に目を向け、意識するきっかけになると思い、私は伊豆大島を愛する彼女たちが地道に継続する活動に心から賛同・応援しています。

マイカップの販売を開始!


 Hav Cafeでもさらに一歩、環境改善をこころがけようとの思いから、マイカップ&マイタンブラー持参に限り、ドリンクのテイクアウトを始めました。さらに、店内でマイカップ等の販売もスタート。購入意欲をあげてもらうため、特典としてテイクアウトのドリンク1杯をサービスしています。
 ペットボトルの水などは、活火山島であり台風被害や豪雨災害が起こることも多い伊豆大島では備蓄としての必要性もあります。だから、正しく最低限に使う。まずはそこからスタートです。

 そうそう、ゴミ箱の課題解決としては、島内の主要観光スポットなどに設置された公衆トイレに設置すると有効なのではと個人的に考えています。波浮港だけでも3カ所の公衆トイレがあります。私が拾ったタバコの空箱も、ゴミ箱があればポイ捨てされなかったかもしれません。マナーも含め、伊豆大島のクリーンな環境を少しずつ改善できればと願っています。(つづく)

定価2,200円(税込)

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【寺田直子のハッピー・トラベルデイズ】
http://naoterada.exblog.jp/
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【てらだ・なおこ】
東京都生まれ。日本とオーストラリア・シドニーの旅行会社勤務後、編集プロダクションを経てフリーランスとして独立。これまでに90カ国以上を訪れ、年間150日は国内外のホテルに宿泊している。第13回フランス・ルポルタージュ大賞受賞。著書に『ホテルブランド物語』(角川oneテーマ21)、『泣くために旅に出よう』(実業之日本社)、共著に『ロンドン美食ガイド』(日経BP社)などがある。2021年より伊豆大島に移住し、Hav Cafeを営みつつ執筆活動を続けている。(撮影:峯 竜也)
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