今回は伊豆大島がご縁で生まれたつながりにフォーカス。10数年前から島通いするうちたくさんの出会いがあり、友人たちができました。大島生まれの人もいれば、外から来た人も、また、一度、島を離れたあとにUターンしてきた若い子も。そんな島の友人たちをご紹介します。

千葉努さん、れみさんご夫妻
千葉努・れみさんご夫妻は、十年近くお付き合いしている友人です。7、8年前、伊豆諸島へのアクセスを受け持つ東海汽船の観光促進のお手伝いをさせていただいた際に紹介されたのがきっかけでした。
れみちゃんは伊豆大島生まれ、努さんは横浜出身。トウオンデザインという会社を運営し、ウェブデザインや各種プランニングの企画・運営などを行いながら、伊豆大島を応援しています。2人のお子さんのお母さん、お父さんでもあります。
このお2人の魅力は、島ぐらしを満喫しながらも最新のデザインやアート、トレンドなどに敏感でいること。伊豆大島の店舗のデザインやウェブを任されたりと、今や島の経済&文化的な活動にとって重要な存在。私の営むHav Cafeに立ち寄ってくれることも多く、最新の島の情報交換や、新しいメニューの試食をお願いしたり、アドバイスをもらったりと、頼りになる友人です。

吉本浩二さん
もうひとりは、吉本浩二くん。Hav Cafeがある波浮港生まれで、東京都内の一流アパレルで働いていましたが、家族と共に故郷にUターン。「青とサイダー(通称:青サイ)」というゲストハウスと、「高林商店」というお店を経営しています。地元での友人も多く、ムードメーカーの彼のもとには伊豆大島を拠点に新しいライフスタイル、スタートアップをしたいという熱量ある若手たちが集まっています。
青サイは開業直後に台風により甚大な被害を受けましたが、クラウドファンディングで多くの支援が集まったのも、吉本くんへの信頼ある人間関係を築いている人たちがいたからこそ。宿泊施設があまりなかった波浮港エリアに滞在する観光客を呼び込むきっかけにもなってくれました。

Hav Cafeがある波浮港
伊豆大島に暮らすようになって感じているのは、年齢も属性も異なりながら、思いを共にする知人・友人たちとの新しいつながりの持つポテンシャルでした。Hav Cafeに来られる方たちに、私がトラベルジャーナリストで(も)あることを積極的に言うことはありませんが、不思議なことにカフェには面白いバックグラウンドを持ったお客様が多く集まります。偶然カフェで出会い、その後、仲良くなって友人としてつながった女性客の方もいれば、近所だけれど顔見知りじゃなかった同年代の方などとも、自然にゆるやかなつながりが生まれてきています。カフェには観光で来られたお客様も多く、島民の方とのコミュニケーションを新鮮に楽しんでいるようです。
トラベルジャーナリストとして、これまでは興味ある場所や人のもとへ自ら訪ね、取材をしてきましたが、ここでは、カフェという場所があることで人が集い、新しいケミストリーが生まれています。こうした出会いの場所がなかった波浮港で今、それができることの喜びを強く感じています。(つづく)

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