「あのときは頑張った」「あの言葉に支えられた」などのエピソードを、さまざまな分野で熱血指導を続ける現役の先生に突撃インタビュー。アクティブに走り続ける先生たちの生き方や意外な一面に迫る連載の第2回にご登場いただくのは、犬ごはん先生のいちかわあやこ先生です。大丈夫! なんとかなる!
もともとはネガティブな性格で、家にいるときにはキノコが生えてきそうなくらいジメジメと落ち込んだりしたこともありました。そんなときは大好きなロック、中でもアップテンポな曲を聴いて自分を奮い立たせています。ロックは私の生活の一部みたいなもの。落ち込んだときに聴くのはもちろんですが、心を落ち着かせたいときはバラードでクールダウンしています。そのときの状況によって聴く曲を変えているんですよ。
(上)愛犬をモデルにしたデコレーションケーキ、(下)犬ごはん
写真提供:いちかわあやこ
でも、ロックを聴く心の余裕がないほどの緊張感に包まれたことがありました。それは私が主宰する「犬ごはん教室」に、初めて海外から受講生がやって来たときです。実は、その少し前から海外でも教室を開くことを視野に入れ、犬ごはんの写真に勉強中の英文を添えてSNSで発信していました。そんなとき突然、タイから「レッスンを受けに日本に行きたい」と依頼が来たのです。
心の準備も整っていないし、英語も十分には話せない。言葉の壁に不安を感じて、断ることばかりを考えていました。実際、一度お断りをしたのですが、その後も「正しい愛犬の食の知識を学びたい」「レッスンにどうしても参加したい」と頼まれました。海を越えてまで学びたいという熱意に私も心を動かされ、思い切って引き受けることにしました。
引き受けた理由はもう一つあります。私には、海外へ活動拠点を広めていきたいという目標があったからです。手づくり犬ごはんをもっと多くの人に知ってもらい、世界中の人に食を通しての愛犬の健康管理はとても重要なことだと気づいて知ってもらうために、このレッスンは乗り越えなくてはならない試練だと思いました。
写真提供:いちかわあやこ
それからの2週間で、必要最低限の英会話を頭に叩きこみました。日本人の受講生も参加するため、日本語と英語をどのタイミングで使うかなども考えたりして、前日は緊張が解けず、何をしていても心ここにあらず。でも当日の朝は開き直って、
、「大丈夫! なんとかなる!」と自分に大きなカツを入れて挑みました。できるだけ平常心を保ち、いつもどおりになるよう、必死だったのを覚えています。
その結果、日本語と英語を織り交ぜたレッスンは大成功! タイから来た受講生からも喜んでもらえました。言葉の壁はあっても愛犬を思う心に壁はありません。「大丈夫! なんとかなる!」のポジティブ精神で、今後は海外でもおいしくてヘルシーな手づくり犬ごはんを広めていきたいと野望を抱いています。
カツナンバー 場面によって聴く曲を変えるので、1曲には絞れないと悩むいちかわ先生のベスト4曲。アーティストの人柄を通してその曲を好きになることが多い。
Slipknotの『Before I Forget』
『Vol.3 The Subliminal Verses』2004年作品
Before I Forget ほか14曲収録
※Slipknot(スリップノット)はアメリカ・アイオア州出身のヘヴィメタルバンド。1995年結成。販売元・画像提供: 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
Red Hot Chili Peppersの『Around the World』
『CALIFORNICATION』1997年作品
Around The World ほか15曲収録
※Red Hot Chili Peppars(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)はアメリカ・カリフォルニア州出身のロックバンド。1983年結成。2012年にはロックの殿堂入りを果たす。販売元・画像提供:株式会社ワーナーミュージック・ジャパン
Godsmackの『Temptation』 ※Godsmack(ゴッドスマック)はアメリカ・マサチューセッツ州出身のヘヴィメタルバンド。1995年結成。アルバム『GodsmackIV』にTemptation ほか11曲が収録されている。販売元:ユニバーサルミュージック合同会社
OBLIVION DUSTの『“Baby, It’s All God”』※OBLIVION DUST(オブリヴィオンダスト)は日本のロックバンド。1996年に結成、2001年に解散。2007年に再結成している。アルバム『9Gates For Bipolar』に“Baby,It's All Good”ほか9曲が収録されている。販売元: ユニバーサルミュージック合同会社
カツめし納豆と蜂蜜漬け梅干し 「日常のペースを崩さないように心がけている」と話す和食好き。朝は炭水化物を食べないのがいちかわ流。お米は玄米派。
カツアイテムイヤホンと動物専門学校の学生からもらったメッセージカード
イヤホンは、ロック発祥地のイギリスのアンプメーカーであるマーシャル社製。音楽好きならではの品。講師を務める専門学校の学生が卒業の際に贈ってくれたメッセージカードを、お守り代わりに手帳に挟んで持ち歩く少女のような一面も。
カツ語大丈夫! なんとかなる! もともとはネガティブないちかわ先生の周りには、なぜかポジティブな人が多く集まる。そんな前向きな仲間から影響を受けて、ここぞというときには「大丈夫! なんとかなる!」とカツを入れて乗り切るようになった。客観的に見たり、冷静に考えることも大切だが、いざというときはこの言葉で自分を奮い立たせている。
【犬ごはん先生のブログ】
http://ameblo.jp/circus-blog/取材を終えて どこかミステリアスな雰囲気で、えくぼがチャームポイントのいちかわ先生。清楚な見かけとは裏腹に、ロック好きでライブにもたびたび足を運ぶというアクティブな一面も。陰と陽の相反する二面性を合わせ持ちながらも、上手にバランスをとって生きる姿に共感を覚え、応援したくなる。「大丈夫!なんとかなる!」の精神で、海外へ犬ごはんを広めるという目標もきっと達成するはず。これからの活躍に期待します。
(構成:高石かおり、撮影:小田中雅子)
※この記事は、株式会社リビングくらしHOW研究所が運営するライター・エディター養成講座「LETS」アドバンスコース15期生の修了制作として、受講生が企画立案から構成、取材、撮影、編集、校正までを実践で学びながら取り組んだものです。
【ライター・エディター養成講座「LETS」のホームページアドレス】
http://seminar.kurashihow.co.jp/lets