大塚駅からほど近いところに、ちょっと昭和レトロな感じがするビルがあって、このビルの2階に「キモノ葉月」があります。ガラス扉を開けて店内に入ると、そこはおしゃれなインテリアやたくさんの着物でとにかくカラフル！ 真っ赤な絨毯に漆黒の飾り棚、ステンドグラスのランプや昔の電話機も飾られていて、レトロな雰囲気が漂っています。
大きな切り抜き窓がある奥のスペースには色とりどりの羽織が、棚やカウンターにはアンティークのビーズバッグや、作家さんのヘアピン、かんざし、イアリングといった可愛いものがいっぱい並んでいます。このような素敵な空間で着物を選ぶのは楽しいですね。
オーナーの葉月さんによると、この店で着物から小物までがすべてそろうため、着物初心者が多く訪れるそうで、そういう方には丈夫で使いやすい昭和の着物をおすすめしているのだとか。言われてみると、確かにこの店は、比較的年代が新しい着物が多いように感じました。
私が羽織った着物も昭和初期につくられたもののようです。全体に大きな菊の花が描かれた友禅染の着物で、紫に加えて、オレンジとゴールドといった秋色がふんだんに使われています。この着物に合わせた帯は、刺しゅうを施した万寿菊の染め帯。菊の葉のような絵をあしらった漆の帯留めや、同じく菊の葉を思わせるグリーンの帯挙げも気に入っています。（つづく）
（撮影：下條祐美）
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