江戸の風情を色濃く残す埼玉県川越市。中でも西武新宿線・本川越駅からほど近い「一番街」は、蔵造りの町並みが広がる人気のエリアで、連日多くの観光客でにぎわっています。この辺りは着物レンタル店が多いこともあって、着物姿で町歩きを楽しむ人をよく見かけます。川越は着物が似合う町ですね。


　今回は、本川越駅から「一番街」を抜けた先にある「縁側・ちゃぶ台お着物や」を紹介します。古民家の1階が店舗で、明るいフレンドリーな人柄の牧山さん夫妻が営むリユース着物の販売店です。リユース品とはいえ、新品同様のものも多く、子ども用、男性用、振袖、礼服と、豊富な品ぞろえが魅力。観光でたまたまお店に立ち寄った人が、じっくり見たいからといって日を改めて訪れることもあるそうです。
　この店で特に私がおすすめしたいのが「1100円～コーナー」です。「これが1100円！？」と驚いてしまうような目玉商品もあるため、お気に入りが見つかればかなりお買い得！　着物初心者でもあまりお金をかけずに着物が始められます。

　さて11月に入り、季節の移ろいを感じるようになりました。冬に向けて着物でお出かけする機会も多くなるのではないでしょうか？　そこで、この時期の着物として私が最初に選んだのは、赤の曲線模様が美しい黒のお召です。黒地といっても、銀の糸が織り込まれているので決して地味ではありません。普段に着てもしゃれた感じになると思います。合わせた帯は博多帯。金の糸がぜいたくに使われていて、ちょっとしたパーティーや観劇にもぴったりです。帯揚げと帯締めは着物の色に合わせて赤にしました。このお店には帯締めが本当にたくさんあるので、どれにしようか選ぶのが大変です。でも、こうしていろいろな組み合わせを考える過程が、私にとっていちばん楽しい時間です。（つづく）



（撮影：下條祐美）

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