にぎやかな銀座のメインストリートにある
灯屋2は、和室が落ち着く、古民家のような心地よいお店です。店主の渋谷公子さんは、これまでにたくさんの国を訪れ、旅先で出合った布のすばらしさに感銘を受けた方。灯屋2が手がける着物や帯には、「その土地土地で守り継がれている織物の文化や高い技術を大切にしたい……」という渋谷さんの思いが込められています。
都内の隠れ家のようなこの店に、着物好きはもちろん布好きが全国から訪れます。古い紬や友禅などは、そのほとんどを現代の女性が着られるように寸法直しをしたり、丈夫にするために裏地を付けたりと、一度布にほどいて仕立て直しているそうです。染織研究家で染織プロデューサーの浦野理一さんが残した作品サンプルの端切れや、ヨーロッパやアジア各国の布をつなぎ合わせて制作するなど、布の特徴を生かした帯や着物も灯屋2のオリジナルです。よいものをいつまでも大切にしたいという情熱と細かな手仕事によって、布は受け継がれていくのだと思いました。
それでは、伝統工芸の着物やオリジナル帯とのコンビネーションが楽しい、灯屋2ならではのコーディネートをご紹介します。
まずは、温かみを感じる黄色紅花染の紬です。これは山形県米沢市にある新田工房のもの、太陽のような光沢もあってすてき。春らしいと思います。帯は端切れを縫い合わせたパッチワークの帯。八丈島に伝わる草木染の黄八丈(きはちじょう)や上質な縞木綿の唐桟(とうざん)など、浦野理一さんの作品に使われている布がいろいろ縫い合わされています。昔から日本人は縞が大好きなので、この帯の中でたくさんの縞が楽しめます。着物も帯もとても美しく、品のよい組み合わせです。(つづく)
(撮影:下條祐美)
★シーラさんのInstagram
https://www.instagram.com/kimonosheila/★「灯屋2」のホームページ
https://www.akariya2.com/★
シーラさんが訪ねた着物屋さん【灯屋2 銀座店】https://www.instagram.com/kimono_akariya_ginza/?hl=ja住所:東京都中央区銀座2-6-5 アサコ銀座ビル2F
営業:11:00~19:00
定休:水曜
アンティークものから現代作家のものまで、時を経て味わいを増した1点物が並ぶ。「先代から守られてきた伝統や技術を絶やしたくない」という店主の思いから、布が持つ風合いや味わいそのままに、仕立て直して販売。人の手によって丁寧に紡がれた、古きよき織物の一つひとつに新しい命を吹き込んでいる。接客では、糸の
撚り方の伝統的な手法や作り手のこだわり、歴史的背景にまで話が及ぶこともあるなど、着物の奥深い魅力も伝えている。
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