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にっぽん味噌蔵めぐり
実践料理研究家・みそ探訪家
岩木みさき
第6回 母と娘が紡ぐ、萌える味噌との出合い?(石孫本店・秋田県 )
 娘の果奈さんは大学卒業後から蔵を手伝うようになったそうですが、私が主催する木桶仕込みの味噌蔵の皆さんとの交流の場「ガチみそ蔵の会」には、毎回参加してくれています。情報交換をしたり、蔵見学へ行ったり、レストランでシェフに味噌料理を作ってもらったりという活動の一環で、岡山や小豆島などにも一緒に行きました。

小豆島の醤油蔵見学で。前列左から岩木さんと果奈さん(写真:Taku Fukuoka)


 専務として、代表を務める母の裕子さんやスタッフとともに日々伝統の味を伝えるために励んでいる果奈さん。そんな彼女からかけられた言葉で、今も私の心に残っている言葉があります。それは、私に味噌加工品のCM出演の依頼があったときのことです。添加物を使用した味噌商品のPRをすることは、自分が本当に伝えたい伝統製法の味噌とは異なる、とお断りしてしまったのですが、実績のためにその仕事を受け、認知度を高めたほうが結果的には味噌全体の魅力を伝えることができたのか……。

昭和初期に建てられた客用座敷から

 自分なりに考えて出した答えだったけれど、今後の歩み方も含め、味噌蔵の皆さんに意見を聞いたことがありました。

 そのとき、「岩木さんがやっていることはとても意味があると思います。その判断も間違っていないと思います。これからも真っすぐ突き進んでください」と、きっぱり言ってくれたのです。

100年使われている木桶が並ぶ蔵

 変わらぬ製法を守り、継承している強い芯を持つ果奈さんにそう言ってもらい、私はものすごく励まされたのでした。
 石孫本店は2020年に蔵を改装し、ガイド付きの蔵見学や味噌ボウル作り体験なども展開しています。味噌以外には、使うほどになじむ帆前掛けバッグもすてき。こういった商品は「石孫女子会」と呼ばれる女性スタッフで考えているそうです。(つづく)

◆岩木さんセレクトのイチオシ味噌とおススメレシピ◆


石孫本店
 

「五号蔵」


【種類】米味噌
【味】20割麹、塩分8.5%
【色】熟成期間8カ月~1年、赤色
地元・秋田の湯沢産大豆、米を使用した天然醸造。女性らしい柔らかさとまろやかさを感じる味わいは、そのままでも食べやすく、お子さまからお年寄りまで万人受けの味噌です。

おススメレシピ

「バンバンジー」



【材料】(2人分)
鶏胸肉100g
キュウリ1/2本
トマト中1個
a味噌大さじ1
aごま油小さじ2
a米酢小さじ2
a水小さじ1
a砂糖小さじ1
aおろししょうが小さじ1/4
【作り方】
1.鶏胸肉は2枚に薄切りにし、沸騰したお湯に入れて弱火で3~4分茹でる
2.キュウリは細切り、トマトは6枚にスライスする
3.ボウルにaを入れて混ぜ、1の鶏胸肉を裂いて和える
4.器にトマト、キュウリ、3の鶏胸肉の順で重ねる

(写真提供:岩木みさき)

★岩木みさきさんが味噌との出会いや奥深い魅力について語るインタビュー「今こそ伝えたい、味噌の力」もぜひお読みください。

【実践料理研究家・岩木みさきのみそ探訪記】http://misotan.jp
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【いわき・みさき】
1988年神奈川県生まれ。10代のころに摂食障害や肌荒れに悩んだ経験から、食の大切さを実感して料理の道へ。病院栄養士として3年間勤務したのち、2012年に実践料理家として独立。その後、日本の伝統調味料である味噌に魅せられ、4年で日本各地60カ所以上の味噌蔵探訪を続け、その成果をWEBサイトやレシピ、イベントなどを通じて発信している。
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