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フランスの田舎暮らし12ヵ月
写真と文
木蓮
7月 フリュイ・ルージュ

フリュイ・ルージュ(赤い果実)をふんだんに使ったお菓子



「今日は暑いね!」
 朝の新鮮な空気を入れるために窓を開けると、鳥のさえずりとともに村人たちの声が聞こえてきました。
 普段はのんびりしたわが村も、麦の収穫が始まるこの時期は、多くのトラクターが行き交い、農家の人達は大忙し。夜通し仕事をしている農家の方たちも見かけます。
 トラクターにライトがついているのを知ったのは、フランスに来てそんな光景を目にしてから。初めて見たときは、驚きました。

クロゼイユ

フランボワーズ

ヨスタベリー


「いつごろ、収穫する?」
 6月も終わりに近づくと、夫とフリュイ・ルージュ(Fruit rouge=赤い果実)の収穫時期を話し合います。
 旅のシーズンでもあり、私が仕事をいくつか抱えるため、収穫するタイミングが非常に重要なのです。

 5年ほど前に、挿し木で20株ほどに増やしたグロゼイユ、カシス、フランボワーズ、ヨスタベリー……。それらが一気に赤く色づいてしまうこの時期は、とにかく大忙し!
 あまり熟しすぎると虫も入りやすく、収穫後すぐに処理をしないと傷んでしまいます。ですから、できるだけ収穫した当日にコンフィチュール(ジャム)や果実酒にしたり、すべてを「赤い果実」として混ぜ合わせて使ったりします。

カシス・ヨーグルト・ソルベ

 そんな保存食づくりの合間、大きくてきれいな実を使ってお菓子をつくります。
今年はあまり出来がよくなかったわが家のイチゴも、タルトや焼き菓子にして楽しみます。
 ちょうど暑くなるこの季節、簡単にできて子どもも夫も大喜びするのが、クレーム・ド・カシスを使ったアイス。ほかにも、フローズンヨーグルトとカシスを合わせたアイスに、フルーツを盛って小さなパフェにしたり、水や炭酸水でクレーム・ド・カシスを割り、そのまま固めた大人のアイスキャンディーを作ったり……。

溶けても楽しめる? アイスキャンディー

 SNSでも紹介したことがありましたが、このアイスキャンディーの持ち手部分は少し変わっていて、溶けたアイスがたまったら、ストローになっている左の突起部分から飲むことができます。

 ちょっと面白いアイデアグッズ。
 この夏は、何回登場するでしょうか?

 

【今回の“とっておき”は……】
わが家のクレーム・ド・カシス

ママンから引き継いだ古いレシピ

この状態からさらに実をつぶしていく


 クレーム・ド・カシスとは、カシスを使った甘みの強いリキュール。ブルゴーニュ地方のものが有名です。
 EUでは、「1リットルあたり400グラム以上の糖分を含まなくてはならない」との規定があり、フランスだけでもさまざまなレシピが存在しますが、私は亡きママンがくれたフランスの古いレシピを活用しています。


? まずは、収穫したカシスから余分な葉や茎をなるべく取り去り、軽く洗って干した後、カシスの実をしっかり潰します。
? その後、赤ワインを加えて48時間ほど寝かせます。このレシピによると、1.5キログラムのカシスに対して2リットルの赤ワインを加えます。
? 48時間経ったらしっかり濾して、その後、液体と同じ量の砂糖を加え火にかけます。沸騰直前に火を止め、人肌くらいに冷めたところで、しっかり瓶詰してできあがり。

わが家では、その後、カーブで保存しています。



★木蓮さんのブログ【フランス小さな村を旅してみよう!】
http://ameblo.jp/petit-village-france/

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WEB連載「フランス 花の村をめぐるたび」はこちらをご覧ください。
WEB連載「フランスの花の村を訪ねる」はこちらをご覧ください。
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【もくれん】
神戸出身。フランスの「おへそ」にあたるオーヴェルニュの人口200人に満たない小さな村に在住する日本人女性。フランス人の夫との結婚を機に渡仏。さまざまな地域に接しているオーヴェルニュの地の利を生かし、名もなき小さな村を訪ねる旅にどっぷりはまる。フランスの小さな村の美しさに魅了され、「パリだけではないフランスの美しさを伝えたい」と、訪ねた村々をブログで紹介。みずみずしい写真と住んでいる人間ならではの視点で人気を呼んでいる。著書に『フランスの小さな村を旅してみよう』『フランスの花の村を訪ねる』(東海教育研究所)。
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