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フランスの田舎暮らし12ヵ月
写真と文
木蓮
8月 ラベンダー


 皆さんは、“フランスの夏”といえば何を想像しますか?
 もしも、この質問をフランス人に尋ねたら、「バカンス!」「海!」なんて、お決まりの答えが返ってきそうです。
 ですが、私にとって“フランスの夏”は、やっぱりプロヴァンスに咲く「ラベンダー」です。

「死ぬまでに見たい絶景」としてもたびたび名前があがる南仏・ヴァランソルのラベンダー畑は、初めて訪れると言葉が出なくなるほど、どこまでも紫の海が広がります。
 今年も、日本からのお客さまと一緒にラベンダー畑に出かけてきましたが、今年のラベンダーは一株がとにかく大きい!

朝日の中のラベンダー畑


 見渡す限りのラベンダーの朝焼けを撮りたくて、今年は日の出前から現地で待機しました。

 ラベンダーの種類が同じでも、太陽の光の当たり方や木々の影によってさまざまな表情が見えるのが面白くて、夢中になって写真を撮っていると、数人のカメラマンが何度も車を行ったり来たりさせながら、撮影ポジションを選んでいる姿が。
 太陽の光が差し込んでくるその瞬間を待つ間、誰もが何度もファインダーをのぞきこみ、待ち望んだそのときが来ると、夢中でシャッターを切る音のみが響いていました。
 写真を撮り終わると、「車を移動させてほしい」と頼んできたカメラマンのおじさんが握手を求めてくれ、観光客のいない静かな朝のさわやかな空気と緊張感を一緒に楽しませたいただきました。

 プロヴァンスにある小さな村を訪れると、ラベンダー柄の布やラベンダーオイルなど、ありとあらゆるラベンダーグッズが並んでいます。
 なかでも旅行者に人気なのが、ラベンダーの花束。フレッシュなものからドライのものまであり、自宅の庭で嫌というほどラベンダーが採れる私でもほしくなってしまいます。


ラベンダーの花束

さまざまなラベンダーグッズ


 さて、鎮静効果があるといわれるラベンダーですが、お茶だけでなく料理にも使えるのはご存じでしょうか?
 私は、無農薬で栽培した自宅のラベンダーを使いますが、花だけでなく茎も細かく切り、夏野菜と合わせると、ほのかなラベンダー味を楽しめます。

【今回の“とっておき”は……】
エルブ・ド・プロヴァンス


クリームパスタの彩りにラベンダー

ソーセージ入りのラタトゥイユ


 最近は日本でもエディブルフラワーがあしらわれた料理を目にすることが多くなりましたが、フランスでもよく見かけます。

 「エルブ・ド・プロヴァンス(herbes de Provence)」は、フランスのプロヴァンス地方で使われるさまざまなハーブをブレンドしたミックスハーブ。わが家では自家製のエルブ・ド・プロヴァンスの中に、ラベンダーを入れます。夏野菜のクリームパスタの中に入れて、色や香りを楽しみますし、プロヴァンスを代表する料理である「ラタトゥイユ」には、もちろん欠かせません。
 わが家の定番は、フランスで「アリサ」と呼ばれる唐辛子を元に作られるペースト状の調味料と、羊肉、パプリカ、唐辛子がたっぷり入った「メルゲーズ(Merguez)」というソーセージを使った独特のラタトゥイユ。
 この独特な辛みが、暑い夏にはたまりません!



★木蓮さんのブログ【フランス小さな村を旅してみよう!】
http://ameblo.jp/petit-village-france/

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WEB連載「フランスの花の村を訪ねる」はこちらをご覧ください。
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【もくれん】
神戸出身。フランスの「おへそ」にあたるオーヴェルニュの人口200人に満たない小さな村に在住する日本人女性。フランス人の夫との結婚を機に渡仏。さまざまな地域に接しているオーヴェルニュの地の利を生かし、名もなき小さな村を訪ねる旅にどっぷりはまる。フランスの小さな村の美しさに魅了され、「パリだけではないフランスの美しさを伝えたい」と、訪ねた村々をブログで紹介。みずみずしい写真と住んでいる人間ならではの視点で人気を呼んでいる。著書に『フランスの小さな村を旅してみよう』『フランスの花の村を訪ねる』(東海教育研究所)。
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