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食べるしあわせ
旅においしいビールあり! 一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会
コウゴアヤコ
第6回 おいしさの秘訣は地元愛「宮崎ひでじビール」


 ギラギラと太陽が照り付ける夏! この時期、私が恋しくなるのは、宮崎県にある「宮崎ひでじビール」が造る「九州CRAFT日向夏」。県特産の柑橘、日向夏(ひゅうがなつ)を丸ごと使用したビールで、日向夏の甘酸っぱさと、皮をかじったかのようなほろ苦さが、暑い夏にぴったりの爽快な飲み心地です。

豊かな自然環境を最大限に生かしたビール造りを行っている

農家と連携してホップ栽培を2016年からスタート。地元産原料100%のビールを目指す

 今回ご紹介する宮崎ひでじビールは、自然豊かな延岡市の国定公園、行縢山(むかばきやま)の麓にあります。醸造所内には“ビールのオリンピック”とも呼ばれるワールドアワードでの受賞を始め、数々の表彰状が飾られ、世界が認めた品質であることを物語っています。

 宮崎ひでじビールが目指すのは”オール宮崎のビール”。副原料の果物だけでなく、主原料すべてを県内産でまかなうことを目標に、水は行縢山の地下湧水を使用、ビール酵母は自家培養、麦芽のもとになる大麦は、農家と連携して栽培に取り組んでいます。さらに、増設したビールタンクは、工業都市でもある延岡の金属加工技術を生かした地場産というこだわりっぷりです。
 
 なかでも私が注目しているのは、2016年から米農家さんと手がけているホップ栽培。ホップは東北などの涼しい土地で育つもので、温暖な気候に恵まれた宮崎県では栽培が難しいと思われていましたが、寒冷な山間部に畑をつくるなどの工夫をすることで、立派に実っています。

「秋のむかばきビアフェスタ」では全国各地のビール30種類が楽しめるとあって、県外からもビールファンも多く訪れる

 そして、もう1つ忘れてはならないのが、醸造所の中庭で開催される年に1度のビール祭り「秋のむかばきビアフェスタ」です。特設ステージでは地元メンバーによる勇壮なエイサーやキュートなフラダンスなどのパフォーマンスを披露。名物レースの「BEER de SA・SU・KE」では、重い麦芽の袋を運んだり、ビールの栓の早抜きを競ったりと、会場一体になって大いに盛り上がります。

 こうしたビールイベントに参加することは、その町の魅力に触れ、ブルワーたちの素顔を見ることができる大好きな旅のスタイルです。残念ながら2020年の開催は未定。今年は自宅のベランダで「九州CRAFT日向夏」を飲みながら、旅気分を味わいたいと思います。フルーティーな余韻とともに、太陽がサンサンと降り注ぐ南国・宮崎の景色がグラス越しに浮かんできそうです。
 

青い海を背に7体のモアイ像が並ぶ「サンメッセ日南」。南国ムードたっぷり



(写真提供:宮崎ひでじビール、コウゴアヤコ)

…… ご当地ビールで旅気分 ……

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【商品名】九州CRAFT日向夏
[原材料]九州産大麦、麦芽、日向夏果汁、糖類、ホップ[アルコール度数]5.0%
柑橘のフレッシュな香りと甘酸っぱさ、果皮のほのかな苦みが心地よく、軽快な飲み心地です。
【味わいチャート】弱い☆1⇔強い☆5
甘味:☆☆
酸味:☆☆☆
苦味:☆☆☆
香り:☆☆☆☆
ボディ:☆☆☆
カラー:やや白濁したオレンジ色
【醸造所】宮崎ひでじビール株式会社
宮崎県延岡市行縢町747-58
[その他の銘柄]九州CRAFT九州ラガー、太陽のラガー、森閑のペールエール、YAHAZU、栗黒KURI KURO Dark Chestnut Aleなど


【一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会】コチラ
★コウゴさんの「旅ールのススメ」は情報誌「ドイツニュースダイジェスト」で連載中!

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【こうご・あやこ】
1978年東京都生まれ。ドイツビールにほれこみ1年半のドイツ暮らしを経験。旅とビールを組み合わせた「旅ール(たびーる)」をライフワークに世界中の醸造所や酒場を旅している。日本ビアジャーナリスト協会に所属し、雑誌・書籍を通じて国内外のさまざまなビール情報を発信するビアジャーナリストとして活動中。
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