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食べるしあわせ
旅においしいビールあり! 一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会
コウゴアヤコ
第3回 全国各地の個性あふれるビールたち
 さあ、いよいよ「旅―ル(たびーる)」実践編です! 自宅に居ながら旅気分を楽しむヒントが満載。この機会に、あなたのお気に入りの旅とビールを見つけてくださいね。

豊かな自然で生まれたビールをその土地で味わいたい(鹿児島・種子島ブルワリーからはな)
写真提供:コウゴアヤコ


その土地ならではの味に出会える
 透き通った沖縄の海を眺めながら、甘酸っぱいパッションフルーツを使ったビールをゴクッ。静岡の名湯で心と体をほぐした後に、さわやかな緑茶の香りが漂うビールをグビッ。鹿児島の屋久杉を漬け込んだビールを、世界遺産の雄大な自然に癒されながらキューッと飲み干す……。

 ビールを育んだ風景や空気に包まれて味わう1杯。まさに至福のひとときです。ビールの主原料は麦芽、ホップ、水、酵母ですが、クラフトビールには風味付けとして特産品の果物や野菜などの副原料を加えるケースが多く見受けられます。つまり、水をはじめとする原材料がその土地と深く結びついているのです。そのため、風土を肌で感じながら、その場で出来たてのビールを味わうのがいちばんおいしい。私がもっともおすすめしたいのは、ビールに旅をさせるのではなく、自らビールに会いに行く「旅ール」です。

自宅で気軽に旅気分を
 でも、それだとちょっとハードルが高いと感じる方もいますよね。その場合はお取り寄せ可能なクラフトビールもたくさんあるので、まずは自宅で「旅―ル」体験から始めてみるのもいいでしょう。思い出の場所やいつか出かけてみたい土地にあるブルワリー(醸造所)など、興味のあるクラフトビールをインターネットで検索してみてください。どのような町で、どのような職人さんたちによって造られたのか? 風味付けにはどのような食材が使われているのか? ビールを切り口にさまざまな思いを巡らせれば、自宅に居ながらちょっとした旅気分を味わえるはずです。
 最近、ブルワリーにレストランを併設したブルワリーパブが増えてきましたが、クラフトビールは地元の食材を使った料理と相性抜群! ビールのお供にご当地グルメを用意すれば、さらに気分が盛り上がると思います。

地元の木材や廃材を多用するなど、環境に配慮した取り組みを行うブルワリーも(徳島・勝浦郡上勝町にあるRISE & WIN Brewing)

ビールの世界は無限大
 ちなみに、ビールに独特の香りとさわやかな苦みを与えるホップは、つる性の多年草。日本国内では現在、ほとんどのビールが輸入ものの乾燥ホップを使って造られていますが、宮崎や鳥取、京都、東京・世田谷区などでは、自家栽培した新鮮なホップにこだわったビール造りをしているブルワリーもあります。徳島には、リユースのタンクや廃材を利用した“ごみゼロ”の店づくりを目指しているブルワリーもあり、本来廃棄される柑橘の果皮や規格外品の鳴門金時芋などを活用したビールを販売しているんですよ。
 このように、ビールの世界は地産地消や町おこし、環境問題、農業にもつながっていて、実はとっても奥が深い。これを機に、皆さんも全国各地のクラフトビールをもっと飲んでみてください。そして、その魅力に気づいてもらえたらうれしいですね。


…… ご当地ビールで旅気分 ……

\ コウゴさんおすすめ! お取り寄せ可能なビールを紹介 /


【銘柄】Leuven White(ルーヴェンホワイト)
徳島県特産の柑橘、柚香( ゆこう)の皮を使ったフルーティーですっきりとしたビール。醸造所は自然豊かな徳島県上勝町で、「リデュース」「リユース」「リサイクル」の3Rを、“かっこよく”推進している。東京西麻布にも直営レストランあり。

【醸造所】RISE & WIN Brewing

徳島県勝浦郡上勝町大字正木字平間 237-2
https://www.kamikatz.jp/ オンラインストア https://kamikatz.stores.jp/



 次回から、ビアジャーナリストのコウゴアヤコさんが選んだお取り寄せ可能なクラフトビールが登場します。日本各地の味わい豊かなビールに乞うご期待!

(構成:狭間由恵)

【一般社団法人 日本ビアジャーナリスト協会】コチラ
★ドイツで配布される情報誌「ドイツニュースダイジェスト」で連載中の「旅ールのススメ」コチラ
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【こうご・あやこ】
1978年東京都生まれ。ドイツビールにほれこみ1年半のドイツ暮らしを経験。旅とビールを組み合わせた「旅ール(たびーる)」をライフワークに世界中の醸造所や酒場を旅している。日本ビアジャーナリスト協会に所属し、雑誌・書籍を通じて国内外のさまざまなビール情報を発信するビアジャーナリストとして活動中。
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