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駆け出し忍者のくノ一修行
イラストレーター
いずみ朔庵
忍者修行 其の四 ~忍びの虚と実。山に棲む頭脳派忍者の巻㊤~
 忍者の修行と言えば武術や忍術を真っ先に思い浮かべますが、実はサバイバル術も大事な要素です。野戦中や移動の時に現地で食料や道具を調達したり、山で野宿をする事も多かったでしょう。
 私は子どもの頃、本気で忍者になろうとしていたので、父の書棚から持ち出したサバイバル本を片手に(いつも知識から入るところがポイントです)、ロープの結び方や食べられる野草などを夢中になって覚えました。キャンプやオリエンテーリングに行く時も、遭難しても生きて帰ってこられるようにSOSの合図を出せるものを忍ばせたりと入念に準備をしましたが、未だ役には立っておりません。

 さて、今回は東京を西へ。電車とバスを乗り継いでやってきたのは、あきる野市養沢。山あいの集落にある一軒家「野忍庵(やにんあん)」に一人の忍者が棲んでいるのです。このあたりは戦国時代、武田家と北条家が領土争いをしていた前線地区で、北条配下の忍び「風魔(ふうま)」が活躍した場所でもあります。

この方が甚川浩志さん。終始ニッコニコ

 野忍庵のあるじ、甚川浩志さんはこの「風魔」を名乗り、山歩きや武術の稽古などを通して、人々に忍びの教えを伝えています。

 山で修行! 忍者好きにはたまらないフレーズです。実際、野忍庵は比較的気軽に体験できる日帰りコースのほか、連泊して修行するコースや夜間の山歩きなど、かなり本格的な修行もできます。海外からの観光客だけでなく、企業研修や軍事関係の人なども来るそうで………ちょ、ちょっと待って。
 絵の仕事で机にかじりつき、夏でもお肌マッシロ、典型的なインドア&運動不足の私がついていけるのかしら……? 聞けば、リクエストに応じていろいろな体験をオーダーできるとの事。そこで今回は取材用に軽めのコースを組んでもらいました。


野忍庵の中はこんな感じ

 野忍庵で九字を切り、太刀で四方を払う儀式を行ったあと、いよいよ修行スタートです。
 まずは手裏剣に挑戦。前回は道場で行いましたが、山に囲まれた屋外での手裏剣は初めてです。
 「武器になるならなんでも打っていいんですよ」
ということで、手裏剣のほか釘やフォーク、火箸なども打たせてもらいました。


これは甚川さんが打ったもの。私はほとんど刺さらず………

 そうそう、こういう臨機応変な感じにグッとくるんです。ジャッキー・チェンがお鍋のフタで戦ったり、武田鉄矢がハンガー振り回したりー!
 ところが、外は日が照りつけていたり、風が吹いたりと、意外と集中できない……。 浅草の手裏剣道場で練習した腕前披露、といきたかったのですが、やはり私は都会のひ弱っ子でした。

 それが終わると山歩きを兼ねて弓矢の修行へ。弓を担いで歩く姿はまるで戦国時代にタイムスリップしたみたい。テンションが上がります。(つづく)


画:いずみ朔庵



◆今日の忍者さん


名前:甚川浩志
忍者歴:40年くらい
忍者の好きなところ:(未回答)
得意技:諜報
コスチュームのポイント:コスチュームではなく普段着です!
Q:忍者にとって大切なものは?
A:正義を捨てること
Q:忍者の活動に使って欲しいと1億円もらいました。あなたなら何に使う?
A:(たった、1億円じゃなぁ…とつぶやきつつ)通貨を発行できる国が欲しい……。とはいえ、現実は移動に使っている年季の入った車の修理代や家賃に追われる毎日。まずは、安くても良いので壊れない車と、リアルな体験が出来る山城とお屋敷が欲しい!


【朔庵亭 いずみ朔庵イラストレーションギャラリー】
http://www.sakuan.net/

取材協力:養沢野忍庵
https://www.yajin-ninja.jp/
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【いずみ・さくあん】
歴史や時代物をはじめ、着物や和柄など日本文化に関するイラストを得意とし、時代小説の挿絵や装画などを中心に活動中。担当した装画には、『お文の影』(宮部みゆき)、『ぼんくら同心と徳川の姫』シリーズ(聖龍人)、『恋と歌舞伎と女の事情』(仲野マリ)などがある。和雑貨メーカーへのデザイン提供や江戸解説も行うなど、“江戸が好きすぎるイラストレーター”として活動中だが、実は幼いころから大の忍者好き。2017年には「甲賀流忍者検定」初級に首席で合格し、現在は一人前の忍者になるために修行中。著書に『財布でひも解く江戸あんない~マンガで辿る江戸時代に暮らしと遊び』(誠文堂新光社)がある。
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