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駆け出し忍者のくノ一修行
イラストレーター
いずみ朔庵
忍者修行 其の三 ~真の忍者とは。手裏剣修行の巻㊤~
 中学校の修学旅行で訪れた鎌倉。
 その時手に入れた鉄製の手裏剣は私にとって唯一の「忍者の証」。制服の内側にポケットを作りお守りのように持ち歩いていたのですが、体育の着替えの時にうっかり落としてしまいました。「あっ」「わっ」と驚く声、一瞬の静寂。私がさっと拾って懐にしまうと、みなさん何事もなかったように着替えを続けていました。
 今、あの時の同級生に問いたい。正直どう思ったのか。私は「忍者である事がバレてしまった」と思っていましたけどね。若いっていいね!

 忍者と言えばやっぱり手裏剣です!手裏剣を打てるようになっておけば、実際に使うことがなくても、「いざという時には打てる」と思うだけで心の安定が手に入ります。それに、飛んだり跳ねたり出来なくても手裏剣が打てればカッコいいですしね。そんなミーハーな気持ちで浅草へ。手裏剣打ちを体験するためにやってきました。

 目指す道場は雷門から徒歩1分のビルと聞いていたのですが、またしても入口が見つかりません!やはり忍者とは忍ぶものなのでしょうか。確かにココのはずなのに……すでに修行は始まっているのかもしれません。しばらくうろうろすると、「黒バックに黒装束の忍者姿」という非常にわかりづらい道場のポスターと、小さな表札のようなものを発見。

 「たのもうー!」
 道場の扉を開けると最初に目に飛び込んできたのは、棚や壁に整然と並ぶ手裏剣やマキビシ、そして忍者刀。道場の奥は畳敷になっており、壁は黒い布と板塀に囲まれています。
 その中央に、道場長とおぼしき人物が腕組みをしながら「よくぞ我が忍者道場へ!」というのを想像してたのですが、実際は……。

 「どうもどうも、こんにちは〜。」と、えらく気のいい道場長さんが現れたのでした。
 こちらの道場の名は『NINJA SAMURAI DOJO』。気軽にできる手裏剣コース、吹き矢コースのほか、手裏剣、吹き矢はもちろん、忍者の心構えや身のこなしまでじっくり学べる30分コースがあります。今回はこの30分コースに挑戦。

画:いずみ朔庵



 忍者の修行は「九字」を切ることからスタート。

 『臨兵闘者皆陣列在前(りんぴょうとうしゃかいじんれつざいぜん)』

 密教や陰陽道などに興味を持った方は、一度は聞いたことがあるかもしれません。
 「九字護身法」と言い、まず両手で「ピースサイン」の伸ばした指をくっつけたような形を作ります。右手を刀、左手を鞘に見立ててて重ね、抜刀のポーズのあと先述の言葉を唱えながら、右手で目の前に格子を作るイメージで縦横に払うような動作(本格的な場合は手指で9つの印を結ぶ)をしていきます。
 精神集中や厄災を遠ざける意味があり、私も覚えたての頃、隠れキリシタンのように自室で九字を切る練習をしていました。人前で九字を切ったのはおそらく初めての経験です。(つづく)

◆今日の忍者さん


名前:武道進太郎
忍者歴:6年目
忍者の好きなところ:己を抑え忍務を遂行するところ
得意技:喜車の術
コスチュームのポイント:鉢金(自作)
Q:忍者にとって大切なものは?
A:正心(正しい心)
Q:忍者の活動に使って欲しいと1億円もらいました。あなたなら何に使う?
A:個人的忍者道場を作り、周りの子どもたちに開放する(ちびっ子忍者道場)

【朔庵亭 いずみ朔庵イラストレーションギャラリー】
http://www.sakuan.net/

取材協力:NINJA SAMURAI DOJO
http://www.ninjasamurai.tokyo/
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【いずみ・さくあん】
歴史や時代物をはじめ、着物や和柄など日本文化に関するイラストを得意とし、時代小説の挿絵や装画などを中心に活動中。担当した装画には、『お文の影』(宮部みゆき)、『ぼんくら同心と徳川の姫』シリーズ(聖龍人)、『恋と歌舞伎と女の事情』(仲野マリ)などがある。和雑貨メーカーへのデザイン提供や江戸解説も行うなど、“江戸が好きすぎるイラストレーター”として活動中だが、実は幼いころから大の忍者好き。2017年には「甲賀流忍者検定」初級に首席で合格し、現在は一人前の忍者になるために修行中。著書に『財布でひも解く江戸あんない~マンガで辿る江戸時代に暮らしと遊び』(誠文堂新光社)がある。
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