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美しいくらし
イラストレーター
いずみ朔庵
忍者修行 其の二 ~食のアジト!忍者酒場の巻㊦~

厳選された焼酎と日本酒

 忍者姿のスタッフさんに案内されて席に座ると、テーブルには何やら黒い巻物が。もしや、密書では? と思って開いてみると、そこには料理やドリンクのメニューが!

 どれにしようか迷っていると、妙な名前のお酒に気がつきました。「和風フローズンサケティーニ 忍法!瞬間凍結みぞれ酒の術」。みぞれ酒の術……? これは気になります。料理と一緒に頼んでみましょう!


 なんと、グラスに注いだお酒がどんどん凍っていくではありませんか。
しかも中身はガッツリ日本酒なので結構酔います。敵の術をまともに受けてご機嫌な私。いや…ダメです。こんなことで負けてはいられません。

 私が選んだ料理は、一番上の赤い器のものから右回りで
・忍茶豚のロースト
・伊賀漬と甲賀茶の出汁茶漬け 苔玉変化の術
・甲賀鱒のお刺身 空中浮葉の術
・若鶏の唐揚げ 土遁の術

 お刺身が盛られた器に忍ばせてあるドライアイスは早朝の山を思わせ、修行中の忍者の気配が漂ってきそうです。見た目が凝っているうえに、忍者にゆかりのある伊賀や甲賀から取り寄せた食材をふんだんに使っていて、どれも美味しい。「空中浮遊の術」や「土遁の術」など、ネーミングにも凝っていて、駆け出し忍者としてはどれも気になるものばかり。

 料理とお酒を堪能したところで現れたのは、「上級忍者」さん。得意の忍者マジックを披露してくれたのですが、これがすごく面白い!トリックがあるとわかっていても驚いてしまいます。
 古来、日本にも「手妻(てづま)、品玉(しなだま)」と呼ばれる手品がありました。「加藤段蔵」という忍者は手品の心得があったらしく、牛一頭をまるまる飲み込む「呑牛術」を得意としており、妖術使いと恐れられていたという言い伝えがあります。消えたと見せかけて逃げたり隠れたりした「忍術」とは、こういったトリックを応用したものだったんです。手品や奇術、曲芸などを行う「放下師(ほうかし)」という職業は芸をしながら各地を回っていたので、身につけていれば任務にも役に立ったことでしょう。

 都心で忍びの里の味を堪能できるうえに、上級忍者のおもてなしまで受けられる「忍者のアジト」。今度また、ゆっくり来たいな~と心の底から思いました。

画:いずみ朔庵



【まとめ】


 忍び装束を身につける事もなく、お店の奥で采配をし、お客様により楽しんでもらえるように心を尽くす……レストランや料亭、居酒屋といった“忍者ワールド”を束ねる横川さんこそが、本物の忍者でした。悪の組織なんて言っちゃってごめんなさい。先入観から目が曇っていたのは私の方でした。何がオッドアイだ。
 スタッフの方も忍者好きが多く、中にはこのお店で働くうちに好きが高じて伊賀や甲賀に引っ越してしまうこともあるそうです。新宿店ではより良い店づくりを目指して積極的に新しいメニューやサービスを取り入れていくとの事ですので、これからますます楽しみです。それではそろそろ失礼しましょうか。あれ、出口はどこかしら。すみませーん。出口わからなくなっちゃいました。(つづく)


◆今日の忍者さん



名前:赤影(横川毅)
忍者歴:29年目
忍者の好きなところ:人知れずなところ
得意技:料理
コスチュームのポイント:ハチガネ

Q:忍者にとって大切なものは?
A:情報収集
Q:忍者の活動に使って欲しいと1億円もらいました。あなたなら何に使う?
A:フライングスーツ作り


◎忍者酒場AJITO◎


住所:東京都新宿区西新宿1-11-11河野ビルB1F
アクセス:京王線「新宿駅」京王西口 徒歩3分 京王新線「新宿駅」徒歩3分
TEL:03-6304-5035
営業時間:ランチ/11:30~15:00 (料理L.O. 14:00)、ディナー/17:00~23:30 (料理L.O. 22:30)
定休日:日曜ランチ定休(年末年始は営業変更有)
お店のホームページ:http://ninjaworld.jp/shinjuku/
新宿のほか、赤坂、京都、ニューヨークにも系列店があります。2018年内にはドバイ、中国にも出店予定。
※記事中のメニュー、サービス内容は時期により変更する事があります。

【朔庵亭 いずみ朔庵イラストレーションギャラリー】
http://www.sakuan.net/

取材協力:忍者酒場AJITO
http://ninjaworld.jp/shinjuku/
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【いずみ・さくあん】
歴史や時代物をはじめ、着物や和柄など日本文化に関するイラストを得意とし、時代小説の挿絵や装画などを中心に活動中。担当した装画には、『お文の影』(宮部みゆき)、『ぼんくら同心と徳川の姫』シリーズ(聖龍人)、『恋と歌舞伎と女の事情』(仲野マリ)などがある。和雑貨メーカーへのデザイン提供や江戸解説も行うなど、“江戸が好きすぎるイラストレーター”として活動中だが、実は幼いころから大の忍者好き。2017年には「甲賀流忍者検定」初級に首席で合格し、現在は一人前の忍者になるために修行中。著書に『財布でひも解く江戸あんない~マンガで辿る江戸時代に暮らしと遊び』(誠文堂新光社)がある。
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