第1回【親子編】高野優さん(育児漫画家) ~第2話~比べられた子ども時代

高野さんの講演会の様子(写真提供: 高野優さん)
私は小さいころから本や映画の世界にはまって空想ばかりしていたので、両親から「もっと足元を見なさい」「現実を見なさい」と、ことごとく叱られて育ちました。同じ習い事をしても、6歳上の姉は親の期待どおりにぐんぐん伸びていくけれど、私はさっぱり。
習っていた絵もピアノも決して嫌いではなくて、自分が描きたい絵や弾きたい曲を教えてほしかっただけでした。それなのに、先生の方針に沿えない子どもは評価されません。当時はただ苦痛で逃げ出したかった。
結局、“できのいい姉とできの悪い妹”というレッテルを貼られてしまい、「私なんてどうせどうせ……」という劣等感を抱くようになりました。大人になってから聞いたのですが、姉は姉で常に優等生じゃないと親から見放されてしまうという恐怖心があったそうです。
私たちのように
きょうだいを比べても、行き着く先に何一つよいことなんてありません。それぞれがコンプレックスを抱えてしまったのです。
■相手を認め合う心
『よっつめの約束』
高野 優 著
本体価格: 1300円+税
発行元:主婦の友社
こうした経験が身にしみているからか、母親になったときに、せめて「窮屈じゃない育て方をしよう」と、それだけは心に決めていました。
現在、3人の娘は20歳、18歳、14歳に。性格も好みも面白いほど三者三様で、得意なスポーツも上から順に、ソフトボール、卓球、サッカーとバラバラです。
勉強は置いておいて……(笑)、自慢は3人とも皆勤賞で食べ物の好き嫌いなし。
お互い張り合わず、それぞれの頑張りを認め合う、とてもよい関係です。わが家はこれで十分幸せかな……。
【今日のまとめ】親の引いたレールに乗れない子どももいる!
イラスト提供: 高野優さん
―姉と比べられて育った高野さん。その経験を反面教師にして、自身の子育てに生かしています。第3話では、保育園の先生の言葉をきっかけに変化した「子どもの見方」について教えてもらいました。【高野優 公式ブログ「釣りとJAZZと着物があれば」】https://ameblo.jp/youtakano2018/(構成:狭間由恵)