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子どものこれから
将棋×子育てのイイ関係 女流棋士
中倉彰子
第5回 始まりはいつも「礼」(下)
「礼に始まり礼に終わる」の精神
 将棋はボードゲームとして楽しいものですが、子どもたちには、礼儀を重んじる伝統文化としての側面を知ってもらいたいと思います。

 先日、将棋教室を体験した親御さんに、「将棋を通して子どもに育んでもらいたいものはなんですか?」というアンケートを実施したところ、「考える力を鍛えたい」に次いで、「礼儀やマナーを学んでほしい」という回答が多く見受けられました。今、将棋のさまざまな教育的効果が注目されていますが、この結果からも、親御さんの、「礼儀作法」に対する期待値の高さがうかがえます。

 将棋における「礼儀作法」といっても、子どものうちから自然に身につけておけば、決して難しいものではありません。それではここで、いくつかご紹介しましょう。

【「負けました」をちゃんと言う】
 将棋は、審判の判定や得点の高さで勝敗が決まるものではないため、「負けました」と、どちらか一方が負けを認めなければゲーム終了になりません。
 この「負けました」は日頃あまり使う機会がなく、最初は子どもたちも言うのを嫌がります。わが家でもたまにあるのですが、負けた方は「相手がズルをした」とか、何だかんだと言い訳して人のせいにするこなんてことよくありますよね。確かに、負けたという事実を受け入れることはとても難しいことですが、「負けました」ときちんと自分の言葉で伝えることに大きな意味があると思っています。

【「待った」はなし】
 一度指した手をやり直してはいけません。「一度指した手」というのは、駒をつかみ、その駒から手を離すまでの一連の動作です。また、一度触った駒を元に戻して別の駒を掴んだり、置いた場所から別の場所に移動させたりするのもトラブルのもと。必ず熟考した上で駒を選び、マスの中に置くようにしましょう。自分が指した手に対する責任は、全て自分一人で受け止めなければならない! のが将棋の世界なのです。

【駒を数えてしまう】
 将棋は、1枚でも駒が無くなると対局ができなくなってしまいます。ですから、次に使う人が困らないように駒をすべてそろった状態にしておくのがマナーです。
 私の教室では、駒を掴んでザザッーーと駒箱に一気に入れる生徒を目撃すると、「ちょっと待ったー!!」コールが飛び出します(笑)。そして、玉から順番に数えてしまうように、慣れるまで丁寧に指導します。子どもたちにとって面倒な作業にうつるかもしれませんが、道具を大切にするという観点からも大切なこと。学校でも家庭でも、文房具などが使ったままになっていると次の人が困りますよね。次に使う人のことを思って、元通りに片付ける。この習慣を身につけてほしいですね。

人として大事なもの
 このように将棋の礼儀作法とは、お互いに気持ちよく将棋を指すためのルールです。「お願いします」「負けました」「ありがとうございました」の三つの礼やマナーを守ることは、相手への思いやり、感謝の心を育むことにつながります。「自分だけが楽しければいい」「将棋が指せればどんな態度でもかっこうでもいい」というのでは、だんだんと対戦する相手もいなくなっていくでしょう。将棋の礼儀作法の中には、人として大事なもの、大人になっても役立つことが詰まっているのです。

【「株式会社いつつ」のホームページ】 http://www.i-tsu-tsu.co.jp/



    ☆育児漫画家・高野優さんのイラスト&つぶやきコーナー☆ その10
















【高野優 公式サイト】http://www.k4.dion.ne.jp/~alamode/
【高野優 公式ブログ タカノアラモード】http://www.take.cside5.jp/alamode/blog/
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【文・なかくらあきこ、絵・たかのゆう】
★なかくら・あきこ★東京都出身。女流二段。株式会社いつつ代表取締役。6歳から将棋を始める。1991、92年の女流アマ名人で連続優勝を果たし、94年に高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。その後、NHK杯将棋トーナメントなどテレビ番組の司会を務めるなどメディアで幅広く活躍。2007年に公益社団法人日本女子プロ将棋協会へ移籍。15年3月に現役を引退し、同年10月に株式会社いつつを設立。将棋と知育・育児を結びつけるような活動を広く展開し、お母さん向けの講演なども行う。将棋入門教材「はじめての将棋手引帖」の制作や、絵本『しょうぎのくにのだいぼうけん』(講談社)も出版。

★たかの・ゆう★北海道出身。育児漫画家・絵本作家。NHK教育テレビにて『土よう親じかん』(2008年4月~2009年3月)、『となりの子育て』(2009年4月~2011年3月)の司会を務め、子育て世代から支持が厚い。『よっつめの約束』(主婦の友社)など著書は約40冊に上り、台湾や韓国などでも翻訳本が発売されている。また、マンガを描きながら話をするという独自のスタイルで、育児をテーマにした講演会を全国で開催。2015年には、特定非営利活動法人日本マザーズ協会が主催する「第8回ベストマザー賞2015・文芸部門」を受賞。
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