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子どものこれから
将棋×子育てのイイ関係 女流棋士
中倉彰子
第3回 美しさへのこだわり(下)
“ピシッ”と指す姿はカッコいい
 子どもたちを対象にした将棋イベントでは、伝統文化としての将棋を肌で感じてほしいという思いから、名人戦で使った盤と駒で1手ずつ指してもらいます。子どもたちは緊張した面持ちながら、どこかワクワクしている様子。いざ盤に向かうと、きちんと姿勢を正して “ピシッ”と心地よい駒音を響かせながら指してくれます。

 小学1年生になるわが家の長男も、周りから「手つきだけは有段者」と言われるほど、一見強そうに見えるようで(中身は初級者ですが……)、大会の前夜に2人の姉からは、「この手つきだけで相手がビビってくれるかもね」とからかわれてしまいます。おそらく、ピシッと駒を指す棋士の姿に憧れのようなものがあり、彼自身が意識しているのでしょう。ただ、私が相手をしているとあまりにも駒音高く“ビシッ”と指し、そんな自分に酔っているようにも見えたので、「男は見た目だけじゃなくて中身も大事よ!」と伝えておきました(笑)。

さすがの役者魂にカンゲキ!
 うれしいことに、ここ最近は将棋を題材にした映画やドラマが増えてきました。以前、女流棋士姉妹が主役の映画『とらばいゆ』で監修を担当し、女優の瀬戸朝香さんと市川実日子さんに僭越ながら指導させていただいたことがあります。実は棋士の役をするときに一番苦労するのが「手つき」や「所作」なのですが、私は将棋における所作について、特別誰かに指導してもらったわけではありません。おそらく、小さいときから将棋に親しみ、修行時代の記録係(プロの対局の記録をつける係)を経験する中で自然に身についたものなので、一朝一夕で様になるかといえばかなり難しいのですが、そこはさすが役者さん! 撮影のときは紛れもない女流棋士に変身していたから驚きです。聞けば、駒をいつも欠かさず持ち歩き練習をしてくれていたとか。何事も日々の積み重ねが大事だと改めて思い知らされました。

 将棋は江戸時代に将軍の前で披露する「御城将棋」があり、同時代に誕生した初代名人大橋宗桂から現代まで名人制度が脈々と受け継がれています。こうして将棋が長きにわたり愛され続けてきたのは、単にゲームだけにとどまらず、日本人の心に響く魅力があるから。所作やふるまいの美しさもその一つだと思うのです。
 はじめてタイトル戦を目の当たりにしたとき、トップ棋士が和装で対局する姿はまぶしいくらいに美しく、強い憧れを抱きました。その光景は、今私が子どもたちに普及する活動の原点になっています。



【「株式会社いつつ」のホームページ】 http://www.i-tsu-tsu.co.jp/



    ☆育児漫画家・高野優さんのイラスト&つぶやきコーナー☆ その2




















【高野優 公式サイト】http://www.k4.dion.ne.jp/~alamode/
【高野優 公式ブログ タカノアラモード】http://www.take.cside5.jp/alamode/blog/
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【文・なかくらあきこ、絵・たかのゆう】
★なかくら・あきこ★東京都出身。女流二段。株式会社いつつ代表取締役。6歳から将棋を始める。1991、92年の女流アマ名人で連続優勝を果たし、94年に高校3年生で女流棋士としてプロデビュー。その後、NHK杯将棋トーナメントなどテレビ番組の司会を務めるなどメディアで幅広く活躍。2007年に公益社団法人日本女子プロ将棋協会へ移籍。15年3月に現役を引退し、同年10月に株式会社いつつを設立。将棋と知育・育児を結びつけるような活動を広く展開し、お母さん向けの講演なども行う。将棋入門教材「はじめての将棋手引帖」の制作や、絵本『しょうぎのくにのだいぼうけん』(講談社)も出版。

★たかの・ゆう★北海道出身。育児漫画家・絵本作家。NHK教育テレビにて『土よう親じかん』(2008年4月~2009年3月)、『となりの子育て』(2009年4月~2011年3月)の司会を務め、子育て世代から支持が厚い。『よっつめの約束』(主婦の友社)など著書は約40冊に上り、台湾や韓国などでも翻訳本が発売されている。また、マンガを描きながら話をするという独自のスタイルで、育児をテーマにした講演会を全国で開催。2015年には、特定非営利活動法人日本マザーズ協会が主催する「第8回ベストマザー賞2015・文芸部門」を受賞。
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