× close

お問い合せ

かもめの本棚に関するお問い合せは、下記メールアドレスで受けつけております。
kamome@tokaiedu.co.jp

かもめの本棚 online
トップページ かもめの本棚とは コンテンツ一覧 イベント・キャンペーン 新刊・既刊案内 お問い合せ
来て見てイベント
読者モニターと行く初めての歌舞伎見物 エンタメ水先案内人
仲野マリ
最終回 休憩時間も楽しいことがいっぱい!

歌舞伎座限定の”めでたい焼き”。焼きたてが味わえる


――華麗な舞台に釘づけだった加藤さんと仲野さん。一幕を鑑賞し終わり、幕間(まくあい)という休憩時間に突入しました。長くて30分から短くて10分程度の幕間をどう過ごすかが、歌舞伎見物のもう一つのお楽しみといっても過言ではありません。

幕間は、客席に座ったままお弁当タイムに。華やかな舞台の話でもちきりの様子


仲野さん 幕間になりましたが、まずはお弁当タイムにしましょう。
加藤さん ここで食べるんですね。なんだか遠足のような気分です。

――先ほど購入したお弁当を取り出して、早速食べ始めた2人。「花道に登場した役者さんの声がカッコよかったー」……。加藤さんの楽しそうな声が聞こえてきます。歌舞伎座のお楽しみは、これだけでは終わりません。「お弁当を食べたら、今度は劇場内の散策に行きましょう」と仲野さん。

「座・のれん街」を散策。ショッピングも楽しみの一つ
――まず向かった先は、土産物店や甘味処がずらり並んだ3階の「座・のれん街」。すると、なにやら買い求める人の行列が。「ガチャンガチャン……」。香ばしい甘い香りが立ち込める中、リズミカルに焼き型を返すにぎやかな音が聞こえてきましたよ。

加藤さん “めでたい焼き”ですか? わー、おいしそう。焼きたてですね。




仲野さん たい焼きの中に紅白のお餅が入っているから “おめでタイ”(笑)。歌舞伎座限定なので、ぜひ食べましょうね。
 それと、幕間にぜひ観てほしいのが、歌舞伎座のロビーや2階ギャラリー、階段の踊り場に飾られている多数の日本画です。

「まるで美術館のようですね」と加藤さん

「また来ます!」と笑顔の2人。お買い物はまだまだ続きそう…
上村松園の美人画に代表されるように、どれも一流の名画ばかりなんですよ。特に川端龍子画の『青獅子』は、歌舞伎座のお客様にとても愛されています。

――充実したひとときを過ごし、歌舞伎見物もいよいよ大詰め。最後は、ダイナミックな連獅子の舞で幕を閉じました。興奮冷めやらぬまま、2人は1階のお買い物スポット「お土産処 木挽町」へ。珍しい歌舞伎関連グッズや限定土産を手に取りながら、歌舞伎座を終始満喫するのでありました……。



<歌舞伎見物を体験してみて>
加藤さん 今日は充実した1日をありがとうございます。仲野さんのアドバイスのおかげで、初心者でも大丈夫かしらという不安がなくなり、心から楽しむことができました。歌舞伎のすばらしさはもちろんのこと、舞台の余韻に浸りながらのグルメやショッピングも新鮮で、一生楽しめる大人の趣味に出合ってしまった(!)という印象です。次回来るとしたら、「主人と2人で」と言いたいところですが、この気持ちを共感してもらえそうな女友だちとかな?

仲野さん 歌舞伎は日本古来の伝統文化ですが、古典といわれる演目にも新しいアレンジが加わるし、演じる役者さんやキャスティング、公演日によっても舞台の印象や仕上がりが毎回異なります。幾通りも楽しめるのが歌舞伎の魅力なのです。一流の舞台から見どころ盛りだくさんの劇場内まで、1日楽しめるエンターテイメントを多くの方にもっと身近に感じていただけるとうれしいです。

<取材を終えて>
 華やかさや迫力、芸の奥深さに魅せられた歌舞伎見物。4時間ほどの長丁場も、あっという間に過ぎていきました。「堅苦しく考えなくても大丈夫」と、歌舞伎・歌舞伎座の魅力をさまざまな角度から教えてくれた仲野さん。歌舞伎だけが決して特別ではなく、映画やテレビ番組、演劇などと同じように楽しめることに気づかせてくれました。涙あり笑いありのお芝居、華麗な舞、三味線や太鼓の生ライブ、キラリと光る役者さん……、どこにハマるかは人それぞれ。とにかく百聞は一見にしかず。あなたも物は試しで一度体験してみてはいかがでしょうか?

るーも歌舞伎座を初体験。「これはメデタイ!」


【仲野マリの歌舞伎ビギナーズガイド】
 http://kabukilecture.blog.jp/

【エンタメ水先案内人】http://www.nakanomari.net


(構成:狭間由恵、撮影:川島省子)




※WEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『恋と歌舞伎と女の事情』が(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)が好評発売中です。
 新刊の魅力を伝える”新刊ナビ”では、本の見どころ(第1回)装丁(表紙デザイン)の秘密(第2回)をわかりやすく紹介! 新刊発売を記念して開かれた著者・仲野マリさんとイラストレーター・いずみ朔庵さんのトークショーの模様はコチラをご覧ください。
ページの先頭へもどる
【なかの・まり】
1958年東京都生まれ、早稲田大学第一文学部卒。演劇、映画ライター。歌舞伎・文楽をはじめ、ストレートプレイ、ミュージカル、バレエなど年100本以上の舞台を観劇、歌舞伎俳優や宝塚トップ、舞踊家、演出家、落語家、ピアニストほかアーティストのインタビューや劇評を書く。作品のテーマに踏み込みつつ観客の視点も重視したわかりやすい劇評に定評がある。2013年12月よりGINZA楽・学倶楽部で歌舞伎講座「女性の視点で読み直す歌舞伎」を開始。ほかに松竹シネマ歌舞伎の上映前解説など、歌舞伎を身近なエンタメとして楽しむためのビギナーズ向け講座多数。
 2001年第11回日本ダンス評論賞(財団法人日本舞台芸術振興会/新書館ダンスマガジン)「同性愛の至福と絶望-AMP版『白鳥の湖』をプルースト世界から読み解く」で佳作入賞。日本劇作家協会会員。『歌舞伎彩歌』(衛星劇場での歌舞伎放送に合わせた作品紹介コラムhttp://www.eigeki.com/special/column/kabukisaika_n01)、雑誌『月刊スカパー!』でコラム「舞台のミカタ」をそれぞれ連載中。
新刊案内