納豆インフルエンサーとしてSNSやイベントなどで数多くの納豆ファンと交流を深める一方で、食べず嫌いが一定数いることを自覚した鈴木さん。納豆のおいしさに目覚めてもらおうと、納豆ビギナーを取り込む活動にも力を入れています。――SNSで納豆情報を発信していて、フォロワーとどのような交流があるのでしょうか? メッセージやコメントで「この納豆、食べてみたよ」「こんな食べ方をしてみたよ」と報告してくださる方や、私が紹介したレシピを「まねして作ってみました」という声も多くいただきます。それに、ずっとSNSでやりとりしていた方がイベントに来てくださることもあって、お会いしたときは友人に再会したような気分です。
皆さんのそうした声や行動が私の活動のモチベーションになっているのはもちろんですが、SNSを機に日本中の納豆好きとつながれるコミュニティができて何よりうれしいです。

期間限定で出店し、納豆料理を提供したことも
――好きな人同士では盛り上がれそうですが、クセがある食品なだけに、そうでもない人とっては立ち入れない世界かもしれません。 そうですね。でもSNSのフォロワーでも「苦手だけど、あれだけみんながおいしいと言う納豆がすごく気になる」「体にいいし、できれば食べられるようになりたい」という方が意外と多いんですよ。中には、納豆嫌いを宣言していた人がイベントに参加してくれたケースもありました。
――栄養たっぷりな食品なだけに、食べないで嫌いになるなんてもったいないですよね。納豆を克服しようとするその熱意がすばらしいです。
(写真:編集部)
私も驚きました。会場で納豆料理を作っていたので、入場した瞬間その匂いに「ウッ」となっている方がいて……。そんな様子を見ると心配になるのですが、ハンバーグのタネに納豆を混ぜたり、カレーの中に納豆を入れたりして、まずは匂いを紛らわすアレンジ料理から試してもらいます。その結果、納豆を食べられるようになった方もいらっしゃいます。
納豆のどこが苦手なのか、対処するアイデアはいろいろあります。おいしく食べてもらえるおすすめ料理があるので、ぜひ試していただきたいですね。
こうして徐々に慣れていくケースがほとんどですが、まれにショック療法のような形で克服した方もいます。茨城県にある納豆料理店で提供されている「納豆コロッケ」に挑戦したそうですが、口に入れた瞬間、加熱によってぎゅっと濃縮された納豆の匂いに思わず倒れそうになったとか。でも、最初の体験が強烈だったために、そのおかげで調理しない納豆には抵抗がなくなったそうです。
とはいえ、基本的に苦手な方には無理におすすめしていません。好き嫌いがあるのは仕方のないこと。「食べられるようになりたい」という意欲がある方には、なっとう娘が全力でサポートします!
――「納豆嫌い」というと関西人のイメージです。やはり関西には“アンチ納豆”が多いのでしょうか? 私の肌感覚ですが、他の地域に比べて「納豆が苦手」という印象はありますね。とはいうものの、大阪には納豆かけご飯の専門店がありますし、昨年は京都に納豆創作料理店もオープンしました。関西も間違いなく納豆人気が高まっています。関西で生産される納豆はあっさりしているものが多いので、苦手な方にも食べやすいと思います。

納豆パスタを食べる鈴木さん
――タレや粒の違いだけかと思いきや、納豆にも地域性があるのですね。 例えば、東北産は“納豆感”が強いです。発酵した豆の味わいがしっかり楽しめるタイプが多いと思います。関西はあっさりしている中にもうま味がある。それぞれに特徴があるので、地域で食べ比べるのも楽しいですよ。
デパート食品売り場や全国のアンテナショップ、オンラインショップ、旅先で立ち寄ったスーパーや道の駅などでご当地納豆を探してみてはいかがでしょうか。(つづく)
納豆コミュニケーションの輪をどんどん広げていく鈴木さん。なっとう娘にかかれば、頑固な納豆嫌いも前向きな一歩踏み出せるかもしれません。次回はこだわりの食べ方について。おすすめの商品も紹介してもらいます。(構成:寺崎靖子、写真提供:鈴木真由子)
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