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食べるしあわせ
なっとう娘と行く! 新たな世界 納豆インフルエンサー
鈴木真由子
第3回 あなたは混ぜる派? 混ぜない派?
 豆は大粒、小粒? 食べるときはよくかき混ぜる派? それとも混ぜない派? 自覚していなくても、あなたには知らず知らずのうちにマイルールがあるかもしれません。納豆愛にまみれて生きるなっとう娘の食べ方には、はたしてどのようなこだわりがあるのでしょうか? 個性豊かな商品の中からおすすめも教えてもらいます。

――納豆を選ぶときに、タレの味の違いや大粒か小粒くらいしか意識していません。納豆をより楽しむコツはあるのでしょうか?


 私は納豆を3つのポイントで見ています。粘り気と香り、それと豆の硬さですね。特に意外と違いが表れるのが粘り気。例えば、白くてふわふわしたタイプ、糸のように繊維状に粘り気が出るタイプ、ツヤツヤしてちゅるんとしたタイプなど、豆の発酵のさせ方、納豆菌や豆の種類などでそうした違いが生まれます。普段はなかなか気に留めない部分ですが、そんなところにも注目して食べてみると、面白い発見があるかもしれません。

――粘り気にそんな特徴があったとは気がつきませんでした。では、かき混ぜる回数はどうでしょう。多ければ多いほどおいしくなるなら、面倒とか言っていられません。

 かき混ぜる回数は好みで人それぞれですよね。ある科学的な検証では400回で旨味が最高値になったそうですが、「ほとんどかき混ぜないほうがおいしい」という人もいます。ちなみに「かき混ぜるほどおいしくなる」と言ったのは、美食家で有名な北大路魯山人です。そこから着想を得たおもちゃメーカーが424回という説を導き出して、その専用マシンを開発、販売したそうです。

――424回とはかなりの回数ですが、おいしさを追求すればこそのこだわりですね。では、鈴木さんが編み出した回数は?

 あれこれ試した結果、私にとってのベストコンディションは200回でした。食べるときのマイルールもあって、まず何も入れずに50回、タレや調味料を入れてさらに150回。付属のタレは半量だけ使用するのもポイントです。ご飯にかける場合は全量でもいいのですが、私はご飯にかけずに納豆だけで食べることが多いので、タレは控えめに。そのほうが豆とタレの味わいがほどよく感じられて好きですね。

――自分がおいしく感じる回数は何回なのか、すぐにでも試してみたくなりました。でも、せっかくならいつもと違う納豆にチャレンジしてみたいです。

 どれもおいしい納豆ばかりでおすすめを選ぶのが難しいのですが……、あえて挙げるなら「きざみ納豆」(ひげた食品)でしょうか。実は私、納豆の中でも“ひきわり”や“きざみ”が好きなのです。この「きざみ納豆」は納豆はもちろん、タレもおいしい。製造する会社は茨城県・土浦にあるのですが、地元の醤油会社と共同開発した自慢のタレで、ここのタレなら全量使っちゃいますね(笑)。

 大粒が好きな方には、青森県の「太子納豆」(太子食品工業)。豆のゴロゴロ感がたまらない、ダイナミックな納豆です。特に感動したのがその粘り。タレの量が多めなので、混ぜ始めは水分が多くてサラサラしているのですが、200~250回を超えてくると糸がツヤツヤになってきます。ねり飴のように美しい光沢を楽しみながら味わう納豆は格別です。


 小粒好きなら「小さな信濃路」(登喜和食品)がおすすめです。東京都・府中にある会社の商品で、天然の松経木で包装されているため風味が豊か。納豆の旨味と食感、香りがバランスよく楽しめる、知る人ぞ知る納豆です。

 

 変わり種だと、茨城県・水戸の「ほし納豆」(笹沼五郎商店)。納豆の干物というとイメージしやすいでしょうか。納豆を塩漬けにして乾燥させた商品で、フリーズドライの納豆よりもムチムチした食感です。粘りはなく、スナック感覚で食べることができて栄養価も高いので、登山などの携行食にする方も多いそう。ただし匂いがとても強いので、電車で食べるのは控えましょう(笑)。(つづく)

 混ぜ方一つとっても、奥深さを感じる納豆。地域性に富んだ個性あふれるラインアップも魅力的です。次回は納豆の新たな可能性について言及。なっとう娘はさらなる高みを目指します。

(構成:寺崎靖子、写真提供:鈴木真由子) 

【Instagram・なっとうむすめ】https://www.instagram.com/natto_musume/
【WEBサイト・NATTO musume】https://nattomusume.theshop.jp/ 
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【すずき・まゆこ】
大好きな納豆を軸に、納豆インフルエンサーとしてフリーランスで活動。WEB連載コラム執筆のほか、飲食店とのコラボイベント、メニュー開発、納豆会社との商品企画にも携わる。NHKの番組『沼にハマって聞いてみた』や、訪日外国人向けメディア『MATCHA』に取材を受けるなど、メディアにも多数取り上げられている。
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