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食べるしあわせ
なっとう娘と行く! 新たな世界 納豆インフルエンサー
鈴木真由子
第1回 食べて愛して365日
 和食の定番、納豆。あまりに身近な食品だけに「いつもの納豆」「いつもの食べ方」とマンネリになりがちな一面も。そこでお話を聞いたのが、納豆インフルエンサーとして活動する“なっとう娘”こと鈴木真由子さん。SNSでつながったネットワークを武器に、自由で楽しい納豆ライフを提案しながら自分の世界を広げています。そのパワーの源とは? 意欲も食欲もかき立てる納豆の魅力を探ります。

(写真:編集部)

――納豆をこよなく愛する鈴木さん。そもそも納豆との出合いはどのようなものだったのでしょう。

 子どものころから納豆は大好きでした。特に納豆、オクラ、モロヘイヤなどをたっぷり乗せた「ネバネバ丼」が大好物。わが家ではちょっとしたお楽しみがある日、例えば大好きなアニメの特番があるときなどに、このネバネバ丼を食べるという謎の文化があったんです(笑)。そういう家族との懐かしい思い出もあって、納豆には幼いころから特別な感情がありました。コンビニでご飯ものを買うなら絶対に納豆巻でしたね。

 中学・高校ではやや納豆から離れるのですが、再び出合うのが大学時代。食関連のベンチャー企業でインターンシップをしていたときのことです。社員の方に好きな食べ物を聞かれて、「納豆です」と答えたことがきっかけでした。
 「それなら納豆でなにか面白いことをやってみたら?」とすすめてくださったことが後押しになって、納豆の食べ比べや納豆料理のイベントなどを研修の一環で開催するようになりました。すると、豆の種類や産地だけでもさまざまな納豆があることを知り、「これは奥が深いぞ」と、どんどん納豆の魅力にハマっていったんです。そこから自分のSNSで納豆について発信するようになり、大学を卒業してからは「なっとう娘」として本格的に活動を始めました。

(写真:編集部)

――そこまで鈴木さんを夢中にさせた納豆、どのようなところに魅力を感じていますか?

 なにより直感で「好き!」という気持ちが大きいのですが、その個性的な存在に憧れや親近感を抱いているようにも思います。
 納豆って粘り気があって匂いも強くて、独特な食べ物ですよね。でも一口食べればとりこになるおいしさがあり、栄養価も高く、わたしにとっては「人は見かけによらない」を体現するような存在です。個性を貫いて、なお愛される。そんな納豆に憧れています。

――憧れとは、かなりの納豆愛です。大好きな納豆で活動していくために、まずはSNSを利用されたそうですね。

 最初はインスタグラムのライブ配信です。毎日違う納豆を紹介するライブ配信を365日続けました。旅行中でも休みません。地元のスーパーでその土地の納豆を買って、友だちがワイワイしている中、「おはようございます、本日の納豆はこちら~」という感じで(笑)。
 はじめは知り合いしか見てくれていないような状態だったのですが、毎日続けるうちに、納豆好きを中心にフォローしてくださる方が少しずつ増加。SNSで納豆ネットワークが広がっていくと、製造元からも連絡をいただくようになり、それが仕事につながることもありました。

――情報発信をきっかけに、作り手との交流も始まった。ということは、消費者の立場から一歩踏み込んで、生産現場にも目を向けるようになったのですか?

納豆の製造工場にて

 機会があれば納豆メーカーの製造工場を見学させてもらったり、全国の大豆農家で栽培に関するお話を聞かせてもらったりしています。
 「大豆」と「納豆菌」のみのシンプルな材料から作られる納豆ですが、大きな工場での機械生産から、釜に原料を入れて手作業でつくる昔ながらの製法まで、規模や地域によって全く異なります。発酵の度合いや大豆を浸す水へのこだわり、枝豆や黒豆といった豆の種類など、それぞれに特色があり、味にも個性が出るので奥が深いですね。ユニークなネーミングだと、北海道には納豆づくりへの熱い思いを音楽のブルースに例えた「ブルース納豆」という商品もあるんですよ。
 全国納豆協同組合連合会によると、全国に3000~3500種類の納豆があるといわれていますが、私がこれまで食べたのは800種類ほど。まだまだ知らない商品がたくさんあると思うと、新しい納豆との出合いが楽しみでしかたがありません。(つづく)
    
 “納豆天国”とプリントされたTシャツに身を包み、納豆愛を楽しそうに語る鈴木さん。話をうかがっていると、納豆にそれほどたくさんの種類があることに驚かされました。いつもと違う納豆を買ってみるだけでも、ちょっとした食の冒険が味わえそうです。次回は、なっとう娘ならではの納豆を通じたコミュニケーションについて聞きます。

(構成:寺崎靖子、写真提供:鈴木真由子)

【Instagram・なっとうむすめ】https://www.instagram.com/natto_musume/
【WEBサイト・NATTO musume】https://nattomusume.theshop.jp/
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【すずき・まゆこ】
大好きな納豆を軸に、納豆インフルエンサーとしてフリーランスで活動。WEB連載コラム執筆のほか、飲食店とのコラボイベント、メニュー開発、納豆会社との商品企画にも携わる。NHKの番組『沼にハマって聞いてみた』や、訪日外国人向けメディア『MATCHA』に取材を受けるなど、メディアにも多数取り上げられている。
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