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美しいくらし
フランスの美しい田舎と小さな村ワイン 写真と文
木蓮
第1回後編 ワイン造りは人生そのもの【ラヴァルダン】
 ラヴァルダンの村を散策した後に木蓮さんが向かったのは、この村の近くにあるパトリス・コランのドメーヌ(ワイン醸造所、ワイナリー)。優しいマダムと、ワイン造りへの情熱あふれる9代目の息子さんが迎えてくれました。

 パトリス・コランは1735年から農業に従事し、1900年にエミリアン・コラン氏が6ヘクタールの敷地と2頭の馬を使いワイン造りを本格的にスタートさせたという、現在9代目の歴史あるドメーヌです。私が訪れたのは、今年の収穫最盛期。とてもお忙しいはずなのに、マダムがブドウ畑の中で様々な品種の説明をしてくださいました。

 その横では、ブドウ収穫専用のトラクターがピノ・ドニスを収穫していきます。収穫前のブドウをいくつか試食させていただきましたが、それぞれに味が違うのがよくわかりました。シュナン・ブラン(ピノー・ド・ラ・ロワール)を口に入れると、甘みの中にも、少し酸味を感じましたが、マダムによると酸と糖分のバランスが大切なそうで、「収穫にはまだ少し早いわ。一番最後にしましょう」と話していたのが印象的でした。

 収穫したばかりのブドウは本当にみずみずしく……。

ロワール地方固有の黒ブドウ、ピノ・ドニス

ロワール地方原産のシュナン・ブラン



 「今年のブドウは、質、量ともに最高よ!」
 パトリス・コランはオーガニック製法にこだわったドメーヌですが、自分たちが育てているブドウに対しての絶対的な自信と愛情を、ひしひしと感じました。

 カーブの中を見学した際、9代目となる息子さんに説明していただきましたが、傍で聞いていたマダムの嬉しそうだったこと!
 「これ、日本に送るやつだよ」。息子さんはそう言いながら、ルミアージュ(瓶の底に溜まっている澱を、ボトルを少しずつ左右に回しながら立てていき、瓶口の近くに集めること)の説明を楽しそうにしつつ、カーブの中をくまなく案内してくださいました。

 次に向かったラヴァルダン村からほど近いヴァンドームにあるブドウ畑の中で、私が「息子さんは若いうちに素晴らしい仕事に出合って幸せですね!」と話すと、マダムが「ほんとうにそうね! でも……、彼はワイン造りを仕事とは思ってないわ。彼の人生そのものなのよ!」と目を細めて話していらっしゃったのが、今も強く私の記憶の中に残っています。

 家に帰ってから、パトリス・コランのロゼスパークリング「ペルル・グリーズ」を飲んでみました。私はアルコールがそれほど得意ではないため、辛口はあまり飲まないのですが、こちらは口当たりもよく非常に飲みやすかったので、正直びっくり。フルーティーな香りもよく、後味もさわやかでした。うちの夫は、ロワール近辺のワインが苦手だといつも言っていたのですが、とてもに気に入り、「おいしい!」と何度も言っていました。
 

 美しい景色を眺めながら育つブドウたち。
 ワインとともに、こんな景色を思い出していただけますように……。



☆ソムリエおすすめ! ラヴァルダンの小さなワイン☆



ペルル・グリーズ

「ペルル・グリーズ」


ドメーヌ(生産者):パトリス・コラン

 固有品種ピノ・ドニスを、暖かい地方独特の「メトッドリュラル(田舎方式)」で発酵させた希少なロゼスパークリングワイン。フレッシュで心地よい酸味は日本の家庭料理にもマッチします。

◆ラヴァルダンの小さなワインの詳細は?


ソムリエ・堀澤和弘さんの「ワインコラム」はコチラ⇒

◆このワインに合う料理は?


木蓮さんの「おすすめレシピ」はコチラ⇒

協力:株式会社グラムスリー「moulla(ムーラ)」
http://www.moulla.jp/


★木蓮さんのブログ【フランス小さな村を旅してみよう!】
http://ameblo.jp/petit-village-france/

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WEB連載「フランス 花の村をめぐるたび」はこちらをご覧ください。
WEB連載「フランスの花の村を訪ねる」はこちらをご覧ください。

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【もくれん】
神戸出身。フランスの「おへそ」にあたるオーヴェルニュの人口200人に満たない小さな村に在住する日本人女性。フランス人の夫との結婚を機に渡仏。さまざまな地域に接しているオーヴェルニュの地の利を生かし、名もなき小さな村を訪ねる旅にどっぷりはまる。フランスの小さな村の美しさに魅了され、「パリだけではないフランスの美しさを伝えたい」と、訪ねた村々をブログで紹介。みずみずしい写真と住んでいる人間ならではの視点で人気を呼んでいる。著書に『フランスの小さな村を旅してみよう』『フランスの花の村を訪ねる』(東海教育研究所)。
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