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子どものこれから
部屋が子どものやる気をつくる 片付けコンサルタント
喜々立子
第4回 共有部屋には「自分だけの空間」を確保
 第2回第3回と、合理的な収納の方法や、集中できる環境づくりについてお話してきました。今回は、部屋を共有する場合の学習環境の整え方を紹介します。

事例3:お父さんと部屋を共有するC君(小学校6年生生)
 勉強部屋をお父さんと共有しているC君。部屋は細長い長方形です。並んで置かれた2つの机の周囲にはC君の持ち物のほか、お父さんのギターや釣り道具などがいっぱい。お母さんも仕事をしているので、どちらかというと勉強は塾任せとのことでした。

自分だけの空間をつくる

イラスト:高尾 斉
 お父さんと一緒ではなくても、兄弟姉妹で子ども部屋を共有している場合は多いのではないかと思います。その場合に大切なのは、机を離して置いたり、間に仕切りを設けるなど、一人だけの空間をつくること。そして、第3回でもお話したとおり、勉強に必要ないものを視野に入れないように家具を配置することが基本です。

 まずは、並んでいた机を左右に離して背中合わせに配置し、細長い部屋の形を生かしてC君の空間とお父さんの空間に区分。各自の持ち物はそれぞれのエリアに納めるよう話しました。

 また、C君の部屋は玄関のそばで、大きな窓から人通りがよく見えて落ち着きにくい場所にありました。そのためもあってか、C君は自分の部屋ではなく2階のリビングで勉強していたようです。そこで、C君の机は大きな窓に向かわないように配置することを提案しました。


家族みんなで勉強部屋をつくる
 改善プランを伝えたら、「こちらの提案どおりでなくてもかまいません。お母さんやお父さんも一緒に、使いやすい勉強部屋になるように考えてみてください」とお話しし、結果を待ちます。家族で相談しながら部屋をつくるということも、実は重要なポイント。じっくり話し合って、子どもが納得したうえで、最もよいと思う方法で部屋を調えることが大切です。

 自分で片付けた部屋を見て親が「いいね」と言うと、子どもはとても満足します。「こんなによい環境になったんだから、これから毎日ここで勉強できるよね」と話すと、「できそうだな」と思うのですね。目先が変わって新鮮な気持ちで机に向かうようになり、勉強へのモチベーションが上がります。

 以前はリビングでなんとなく教科書を広げていたC君。中学受験を控えている時期でしたが、勉強部屋を改善してから自分から部屋で勉強するようになったそうです。


※「勉強部屋の改善は“やる気”をアップする以外にもさまざまなメリットがあります」と喜々さん。
 次回(最終回)は、部屋を整えることで現れる効果についてお話します。



(構成・川島省子)


◇喜々立子さんのホームページはこちらから
 Treasure in the Heart(トレジャー・イン・ザ・ハート)
 http://treasure-in-the-heart.com/
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【きぎ・りゅうこ】
1958年東京都生まれ。Treasure in the Heart(トレジャー・イン・ザ・ハート)代表。遺品整理士、遺品査定士、ライフオーガナイザー1級、古物商の資格を持つ片付けコンサルタント。「片付けは心の整理、自分と向き合うこと」という考えのもと、教師歴30年、主婦歴・母歴30年以上の経験を生かして、子ども部屋やオフィスの整理などライフスタイルや目的に応じた快適空間を提案。遺品整理のカウンセリングも行っている。
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