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子どものこれから
部屋が子どものやる気をつくる 片付けコンサルタント
喜々立子
第1回 勉強部屋を整えると「やる気」が出る
 「家ではゲームをしてばかり。塾でなら否応なしに勉強するに違いない」。そんな理由で子どもを学習塾に通わせる保護者も多いとか……。「塾での勉強も大切ですが、成績向上に必要なのはやはり家庭学習」と話すのは、勉強部屋を整えて自宅学習を定着させる「勉強部屋アドバイジング」を展開している、Treasure in the Heart(トレジャー・イン・ザ・ハート)代表の喜々立子さん。今回は、さまざまな教育現場で30年以上にわたり生徒を指導してきた喜々さんに、子どものやる気がアップする勉強部屋づくりのコツを5回にわたってお話していただきます。

 小中高等学校ほか、個別学習塾や自営の英語教室などで子どもたちを指導してきて実感したのは、「教える側がいくら頑張っても、学ぶ側にやる気がなければ全く無意味」ということでした。今も昔も教育の現場では、子どものやる気を引き出す方法を試行錯誤しています。

 そんな中で私が提唱しているのは、勉強部屋を改善すること。「勉強部屋アドバイジング」では、実際に子どもの部屋を見て本人や保護者から勉強の悩みなどを聞き、その子の個性や好みを取り入れながら理想的な部屋の改善策をプランニングしています。相談者が部屋を改善したら再度訪問。片付いた部屋で30分ほど学習指導をして勉強に関する総合的なアドバイスをし、自宅での学習を定着させていくという内容です。

気持ちがよければ集中できる
 勉強部屋の改善に注目したきっかけは個別指導塾での出来事でした。ある生徒がしばしば鉛筆を床に落としていたのです。もちろん落ちたら拾うのですが、そのたびに集中力が途切れます。そこで気づいたのは「鉛筆を落とさないように置けばいい」ということ。鉛筆を拾う回数が減れば、少なくともその分だけは集中力が続くはずだと考えたのです。

 転がりにくい鉛筆や消しゴムを使うことはもちろん、筆記用具を置く場所を変えるだけで床に落とすことを防げます。右利きか左利きかによっても、ものを置く場所は違ってきます。左利きの人が筆箱を右において置いたら、右手で鉛筆を取って左手に持ち替えなければならないでしょう? 右利きなら筆記用具は右側に置く、左利きなら左側に置けば無駄な動きが減ります。机の上で教科書やノートをどのように広げるかも大切です。両方を手元におかないと、いちいち首をふって読んだり書いたりしなければなりません。

勉強に必要なものを手の届く範囲に置き、すぐ使えるように整理するのがポイント (イラスト:高尾 斉)
 また、頻繁に使うものを手の届く範囲に置いておくことも重要なポイントです。教科書や辞書が勉強机から離れた場所にあったら、必要なときにわざわざ取りに行かなければならず、とても不便。ちょっとした配慮で無駄な動きをなくすことができます。
 
 勉強にしろ仕事にしろ、ストレスなくスムーズに必要なものを取り出して、調べたり読んだり書いたりすることができれば効率的ですし、気持ちよくはかどりますよね。そうすれば集中力が続きます。つまり、子どもが“気持ちがよい”と感じるような勉強部屋をつくることが、「やる気アップ」につながるのです。

机に向かう自分が好きになる
 勉強部屋を整えると、子どもの学習態度が変わります。子どもは使いやすくて気持ちのよい環境になると満足して机に向かうようになり、勉強している自分が好きになります。好きになれば続けられますし、それが自信にもつながって、毎日の家庭学習が定着していきます。

部屋の改善は中学1年生の夏休みに
 勉強部屋の改善はいつでも思い立ったときにできますが、お勧めしたいのは中学1年生の夏休み。中学1年生は小学7年生のようなもので、意識は小学生のころとほとんど変わっていません。中間テストや期末テストの意味もよくわからず、小学校の学力テストと同じに考えて何も勉強せずに試験に臨む子どももいます。ここで、「あれ? 小学校と違うぞ。もっと勉強しなくちゃいけないんだな」と思ったときがチャンス。「じゃあ、まずは勉強に集中できる環境を整えて……」ということで、夏休みを利用して部屋を改善して2学期に進むのが理想的です。

※次回は具体的な事例を挙げて「使いやすく気持ちのよい」勉強部屋づくりのコツをお話します。


【かもめ編集部から】
 住空間や暮らし、人生をより豊かで上質なものにするためのサポートをする「ライフオーガナイザー」としても活躍している喜々さん。「片付けは自分を知ることから、心の整理から」という考えのもと、さまざまなシーンでの片付けのアドバイスをしています。喜々さんは、次々に浮かぶアイデアを具体化して実践する「行動の人」。取材しながら大いに刺激を受けました。子どもだけでなく自分の「やる気」も盛り上がる今回のシリーズ。次回以降もどうぞお楽しみに。

(構成・川島省子)


※Treasure in the Heart(トレジャー・イン・ザ・ハート)ホームページ
 http://treasure-in-the-heart.com/
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【きぎ・りゅうこ】
1958年東京都生まれ。Treasure in the Heart(トレジャー・イン・ザ・ハート)代表。遺品整理士、遺品査定士、ライフオーガナイザー1級、古物商の資格を持つ片付けコンサルタント。「片付けは心の整理、自分と向き合うこと」という考えのもと、教師歴30年、主婦歴・母歴30年以上の経験を生かして、子ども部屋やオフィスの整理などライフスタイルや目的に応じた快適空間を提案。遺品整理のカウンセリングも行っている。
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