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美しいくらし
行ってみたいフランスの小さな村 写真と文
木蓮
第4回 天空の村は花の村【コルド・シュル・シエル】
 フランスでは日本がゴールデンウイークのころ、藤が満開になる地域がいくつかあります。そんな村の一つが、今日ご紹介する読者アンケートで「フランスの行ってみたい村」第2位に選ばれたCordes-sur-Ciel(コルド・シュル・シエル)です。

 私が初めてこの村を訪れたのは4月末のこと。真っ青に澄みわたった空に、くっきりとしたピンク色の花、ハナズオウが咲いていて、なんだか眩しいなと空を見上げた先に、この天空の村が見えました。


 実は私が大切にしていることの一つとして、初めて訪れる村は、下から坂をのぼって村の頂上を目指すということがあります。もちろん、のぼるのが大変な方のために上にも駐車場があるのですが、少しずつ自分の足で歩き、ゆっくりと見えてくる村の全容に心躍らせながら、細い路地や小さな家に伝うさまざまな花を見ることが何よりの楽しみなのです。

 特にこの村の標高は、いちばん低いところが159メートル、頂上は320メートルと標高差があるため、慣れていない方には結構大変で、かなりの勾配がある坂もあります。
 しかし、村の麓から村中心部を目指して私が石畳を歩いていくと、細い路地では猫たち、窓の上からはおじさんに「やぁ!」とあいさつされました。


 そして、そんな路地を曲がると、まるで美しさを競うかのように、藤の花が咲いているのに気づき、思わず写真を長時間撮ってしまったのです。

 もちろん、季節によって咲く花は変わっていきますが、早春に咲くヤマブキ、イリス(アヤメ)、モッコウバラ、西洋カノコソウなどなど、コルドはこの時期、天空から地上に舞い降り、その美しき姿を思う存分、私たちに見せてくれる気がするのです。
 5月中旬ともなるとバラの花も咲き始め、村はよりいっそう華やかさを増すことでしょう。


 もしも、旅人のあなたに時間があるようでしたら、村の外周をぐるりとひと回りすることをおすすめします。
 「美しい村の見学」となると、村の中を端から端まで見ることに終始してしまいがちですが、私は村の中から雄大な大地を眺めるのがお気に入り。展望台では、しばし、ボッーと美しい緑に目をやります。すると、そこには山羊たちが……。


 この外周に沿って立ち並ぶ家々を飾るバラの美しいこと!
 初めて訪れたときは気づかなかったのですが、2回目に訪れたとき、このバラに気づき、それ以降は必ずバラの花を楽しむようになりました。


 さて、セルー川とオロッス川に挟まれる独特の地形をしているコルド・シュル・シエルは、その標高差も手伝って美しい霧を発生させます。

 それが、私の本『フランスの小さな村を旅してみよう』でも紹介した写真(本文34ページ参照)ですが、この霧の中に浮く村の様子を撮影するため、何日も前から計画し、雨の降る中、願いを込め、一発勝負で出かけたのでした。川のある辺りから少しずつ霧が立ち込め、少しずつ村が包まれていく様子は、まさに「天空の村」。

 訪れた方々から、「もう一度行きたい!」とメッセージをいただきますが、やはりこの村が心に残る方が多いようです。
 皆さんも、フランスを旅することができるようになったら、ぜひこの魅力あふれる村に足を運んでみてください。(つづく)

★木蓮さんのブログ【フランス小さな村を旅してみよう!】
http://ameblo.jp/petit-village-france/

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【もくれん】
神戸出身。フランスの「おへそ」にあたるオーヴェルニュの人口200人に満たない小さな村に在住する日本人女性。フランス人の夫との結婚を機に渡仏。さまざまな地域に接しているオーヴェルニュの地の利を生かし、名もなき小さな村を訪ねる旅にどっぷりはまる。フランスの小さな村の美しさに魅了され、「パリだけではないフランスの美しさを伝えたい」と、訪ねた村々をブログで紹介。みずみずしい写真と住んでいる人間ならではの視点で人気を呼んでいる。著書に『フランスの小さな村を旅してみよう』『フランスの花の村を訪ねる』(東海教育研究所)。
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