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きれいをつくる
アンチエイジングは究極の健康法 東海大学健康学部 特任教授
石井直明
刊行記念・著者インタビュー(後編)
 新刊『アンチエイジングの教科書』の刊行記念インタビュー。前編では、「コロナ禍の今こそアンチエイジングを体系的に学ぶ必要がある」という石井教授の思いを聞きました。後編は新刊の構成や内容にクローズアップ。この本が「全世代型の健康ガイド」である理由から聞きます。

――石井先生はかねがね、「この本は老若男女すべてに読んでほしい」と言っています。アンチエイジングというと、つい美と若さを追求したい女性が読者対象と思いがちですが……。

著者の石井直明教授

 私はよく「今日のあなたは昨日までの人生の積み重ね」と言います。アンチエイジングは、文字どおり老化に抗い若々しく健康な状態を目指すものですが、それを実現するためには、子どものころからよい食事や生活習慣を身につけ、積み重ねることにこしたことはありません。例えば、がん細胞が成長して発症するまでに10年以上もかかるとされますから、子どものころからリスクを避けるバランスよい食習慣を身につけておくことが大事です。

 また、メタボリックシンドロームから生活習慣病のリスクが高まる中年期は、カロリーや脂肪分の過剰摂取に注意しなければなりません。高齢になると筋肉量が落ちることで活動量が少なくなり、弱っていくフレイルが懸念されます。加えて、糖分の過剰摂取はすべての年代で避けなければなりません。このように、ひとくちにアンチエイジングといっても、年代別にポイントがあります。

――なるほど。だから新刊では年代別の解説もあるのですね。コロナ禍の影響もあり、特に高齢者のフレイルへの懸念はさまざまな媒体で取り上げられるようになってきました。

 そうですね。メタボリックシンドロームやロコモティブシンドロームといった中年期のカロリー過剰摂取による弊害は大部分の人が理解し、日常的な予防の自覚も出てきました。しかし、サルコペニア、フレイルといった高年期の注意点への認知はまだまだ進んでいません。ですから、この新刊をつくろうと考えたときに真っ先に力を入れたいと思ったのが、こうした高年期のアンチエイジング対策です。

 その際も、重要なのは栄養です。若いときは体重1kg当たり1g程度のタンパク質摂取でかまいませんが、高年期はそれより多く体重1kg当たり1.2g程度を摂取しなければなりません。ですが食が細くなり内臓の消化機能も衰えてしまったら、肉を300g食べろなんて言われても無理でしょう。ではどうすればよいのか? この本には、その対策のヒントを細かく説明しています。

12限の講義形式で順を追ってアンチエイジングを体系的に学べる

中年期と高年期のポイントを分けてわかりやすく解説している


――新刊の帯にある「美しく健やかに年齢を重ねるための集中講義」というキャッチコピーと、「5つの理論と身につけたい7つの習慣」で、それが学べるということですね。

 この本は、順を追って読み進めるうちに究極の健康法であるアンチエイジングのために必要な知識を得て、日常生活の中で実践できるように工夫しました。大学の授業のようにまず「ガイダンス」で大事なポイントと本書で解説する内容を俯瞰。続く「理論編」では健康のメカニズムをはじめ、情報を取捨選択できる知恵を身につけるために知っておいてほしい項目を解説し、そこで得た知識を元に自分の体を知り、日常のさまざまな場面に応じて使う方法を「実践編」で紹介しています。

 「自分の体を知る」というと、精密な計測計器が必要だと考えがちですが、顔色や尿の色、血圧や体重は家でも観察できるでしょう。重要なのは、なぜそれを計測し、観察する必要があるのかを理解することです。

 「わかっているのに食べ過ぎちゃう」とか「ジョギングを始めたけれど続かない」という言葉をよく聞きますよね。誰しも「体によい」とか「元気が出る」と言われると試してみたくなります。でも、なぜそれを食べたりやったりすることで健康になるのか? その理由をきちんと理解していないから続かないのです。

 ビタミンCは抗酸化作用があると知っていても、なぜ抗酸化が健康につながるのか? また、抗酸化とはどのような作用なのか? 皆、あやふやなところで終わっている。それをきちんと知れば、自分の体の状態にどのように対処すればよいのか、さらに自分に適した健康法までもわかります。いわば、同じ登山でも富士山とエベレストでは鍛え方も変わるし準備も異なることと同じでしょう。

――巻末には「特別講義」としてアンチエイジング研究の最新の成果なども紹介されています。

 生命科学の飛躍的な進歩により、今この瞬間にも体のメカニズムが次々と明らかになっているはずです。例えば、腸管からカルシウムを吸収するときに重要な役割を果たすことが広く知られてきたビタミンDが、血圧上昇時に血管などの組織を保護して血圧を下げる働きがあることがわかってきました。さらに、新型コロナウイルスによる合併症の重症化を防ぐカギになるかもしれないと言われています。

――最新の研究成果や細胞・遺伝子の解析技術の発達が、アンチエイジングの研究に多大な影響を与えているということですか?

 そのとおりです。そこで「理論」と「実践」に加え、最新の生命科学研究を「特別講義」として紹介し、アンチエイジングに必要な要素がそろうと考えました。
 健康を管理するということは、37兆個ある自分の細胞一つひとつの細胞を管理して元気な状態に保つこと。細胞はそれぞれが勝手に動いているわけではなく、体中で協調して働いています。その司令塔である自分自身の精神状態も健やかに保っておく必要があります。

 新刊では、その方法も簡単に紹介しましたが、何歳であっても、体の仕組みや栄養の知識を知れば新たな気づきがあり、そこから心身ともによりよく変えることができる。つまり、アンチエイジングは究極の健康法なのです。(おわり)
(構成・白田敦子)

石井直明著、定価2200円(税込)

好評販売中!


『アンチエイジングの教科書』



健康寿命を延ばすために知って置きたい5つの理論と7つの習慣を、ガイダンスから始まる12限の講義で順を追って解説。世界で初めて老化と活性酸素との関係を解明したアンチエイジングの専門家が最新の知見を交え、究極の健康法であるアンチエイジングを余すところなく解き明かします!

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【いしい・なおあき】
医学博士。1951年神奈川県生まれ。東海大学医学部教授を経て2018年より同大健康学部特任教授。専門は老化学、分子生物学、健康医科学。30年以上にわたり老化のメカニズムを研究し、世界で初めて老化と活性酸素の関係を解明。テレビや雑誌などでも幅広く活躍する。著書に『専門医がやさしく教える老化判定&アンチエイジング』『分子レベルで見る老化』『アンチエイジング読本』ほか。
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