新刊『アンチエイジングの教科書』の刊行を記念して、著者の石井直明教授へのインタビューを2回にわたってお届けします。「新型コロナウイルスなどの健康不安にさらされる今こそ、老若男女すべての人にアンチエイジングを体系的に学んでほしい」と力説する石井教授。なぜ今、アンチエイジングが重要なのか? 新刊に込めた思いや読みどころについて聞きました。――長年にわたり老化の研究を進めてきた石井先生。この春、新刊『アンチエイジングの教科書』を著した背景には何があるのでしょう?
石井直明教授
私が「美しく、健康に老いたい」という多くの人の声に応えて、前著『アンチエイジング読本』を出したのは6年前のことでした。当時はまだ健康意識が高い一部の人たちが、いかに老化を遅らせて若々しく美しく見られるかという点に関心を寄せていたようです。
それから徐々にアンチエイジングという言葉が日常に浸透し、今では若々しく元気でいるためには何より健康でなければならないと、多くの人が気づいてきました。しかし、残念ながら「健康は毎日を普通に過ごしていれば得られる空気のようなもの」と漠然と考えている人がほとんどだと思います。
今や誰もが「血圧が高いなら塩分は少なめに」とか「コレステロール値が高いから脂肪分は控える」ということは知っていますが、果たしてその理由をきちんと理解しているでしょうか。テレビや雑誌で健康に関する特集も増えて、取り上げられる食材や生活習慣などが「健康によい」と聞けば皆、すぐに飛びつくものの、それがなぜ体によいのか、どのような仕組みで健康につながるのかまで知ろうとする人は少ないでしょう。重要なのは、きちんと理由を知り、実行することなのです。
私は、多くの人に本質的な健康の意義を理解して若々しく健やかに毎日を過ごしてもらうために、健康と栄養、その前提となる食事、さらに栄養素をとり込む細胞や代謝といった体の仕組みを知り、それが健康や老化にどのようにかかわるのか、わかりやすく体系的に学べる本をつくりたいと考えたのです。
――それが、この『アンチエイジングの教科書』だというわけですね。刊行までほぼ1年。WEBマガジンで連載を始めたころ、新型コロナウイルスという予想外のアクシデントに見舞われました。
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皮肉なことに、それで「アンチエイジングこそ究極の健康法である」と解こうする本書が受け入れられる土壌が一気に整ったように感じました。テレビや新聞のニュースで生活習慣病などの持病がある人は重症化のリスクがあると取り上げられ、誰もが「健康とはどのような体の状態なのか?」を真剣に考えざるを得なくなったのです。もはや「一病息災」どころではありません。「いかに健康な状態でいられるか? 自分の健康は自分で守ろう!」という意識が一気に高まりました。
健康は、その土台となる栄養や免疫力、それらを支える食事について正しい理解がなければ得ることはできません。それにもかかわらず、そうした知識を系統立てて学ぶ機会は学校生活を含めてほとんどないのが現状です。
「アンチエイジングとは健康管理そのもの」という考え方が貫かれているこの新刊は、そうした学びができる構成にしました。コロナ禍およびポスト・コロナ時代における「全世代型の健康ガイド」にもなると考えています。(つづく)
――アンチエイジングはお肌が気になるお年ごろから頑張るもの、と思うのはもはや時代遅れなのですね。インタビューの後半では、なぜ新刊が全世代型健康ガイドなのか? 「老若男女すべてに読んでほしい」という石井教授に、その理由を聞きます。(構成・白田敦子)

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