お団子というと串に刺してある串団子を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、全国には驚くほど多種多様なお団子があることを知っていますか? お団子とは、うるち米を粉にした上新粉に水を加えてこねて蒸してついたもの。串の有無や丸いかどうかの形状は実はあまり関係がない、と教えてくれた芝崎先生。第2回では、幅広い世代に長く親しまれるお団子のルーツについて聞きました。
(写真:編集部)
――今や全国のコンビニエンスストアやスーパーで手軽に買える身近なお団子。その起源はわかっているのでしょうか? 日本におけるお団子の起源は諸説ありますが、中国から米が伝来し、うるち米を蒸して食べる習慣が定着した弥生時代だといわれています。しかし、それ以前の縄文時代からクヌギやドングリなどの木の実を粉砕し、水を加えてこねて団子状にしたものを火に炙って食べていたようで、それがお団子の始まりだという人もいます。
ちなみに、和菓子の成り立ちに深く関係しているのが、奈良時代に遣唐使が持ち帰った「唐菓子(からくだもの)」でした。米の粉や小麦粉でつくった生地を茹でたり油で揚げたりする調理法は、当時の日本人には画期的。デザイン性や技術の高さには驚きを隠せなかったことでしょう。
こうして中国から伝わった唐菓子の中に「団喜(だんき)」という名前の菓子があり、のちに「団子(だんご)」の名前の由来になったといわれています。
――縄文時代や弥生時代までさかのぼるとは、お団子に歴史ロマンを感じずにはいられません。
(写真:編集部)
古来、お団子は万物の神々にささげる供物として大切に扱われていました。厄除け団子や身代わり団子のように、無病息災や五穀豊穣を願って食べる習慣は今でも受け継がれています。中秋の名月や花見などの年中行事や、彼岸や盆などの風習もそうですが、その用途や意味合いもさまざま。日本人の生活に深く根づいている食文化の一つといえます。
――神にささげる供物だったお団子が庶民の食べ物なったのはいつごろでしょう。 鎌倉時代には喫茶の文化がありましたが、そのころはまだ上流階級だけで行われていた儀式のようなものでした。庶民の生活に浸透してきたのは、経済的に少し豊かになった江戸時代から。屋台などのテイクアウトの商いが盛んになり、お団子の人気を後押しました。(つづく)
ところで、串団子と聞いてあなたが頭に思う浮かべるお団子の数は4玉、それとも5玉? 次回は江戸の町でブームになった串団子にスポットを当てて教えてもらいます。〇〇〇— おだんご先生おすすめのお団子を紹介!〇〇〇—
全国500店もの食べ歩きの中から特に印象に残ったお団子屋さんを毎回紹介してもらいます。
【夢工房さんらいず】
住所:埼玉県川口市前川1-9-21「米から粉を挽いているので、強い粘り気が特徴。鰹節をふりかけた醤油味や、表面がカリっとした揚げ団子もおすすめです」
(写真提供・芝崎本実、構成・狭間由恵)
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