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きれいをつくる
キレイを引き寄せる脳との付き合い方 脳科学者
中野信子
最終回 年齢を重ねてもキレイは引き寄せられる
 メイクやファッションで見た目はカバーできても、年齢とともに女性ホルモンが減っていくのは動かしがたい事実。シワやたるみが気になり出し、「私には、もう女としての魅力はないの……?」なんて嘆く声も聞こえてきそうです。しかし一方で、とても同じ年齢とは思えないほど生き生きして、美しく元気な女性たちがいるのもまた事実。では、40代、50代になってもキラキラと輝き続ける人たちは、現実とどう向き合い、壁を乗り越えていったのでしょうか。中野信子さんによれば、「年齢を重ねてもキレイな人にはキレイを引き寄せる考え方や生活習慣がある」といいます。最終回は、これさえ覚えておけばキレイは永遠に保たれる!? “美”に効く金言をご紹介します。

女性には3つの生き方がある
 年齢を重ねるにつれ、自分の美しさに対して否定的になったりネガティブに考えがちになったりします。しかし、その状態を放っておくと本物の“おばちゃん”に。実際のところ、年齢とともに女性ホルモンが減ってくると、胸のふくらみも減り、肌のつやもなくなってきます。女性ホルモンはリラックス成分である「セロトニン」とも関係しており、女性ホルモンが足りないとセロトニンもうまく働いてくれなくなると考えられています。女性が更年期を迎えると気持ちが不安定になったりイライラしがちになるというのも、このセロトニンが働かなくなるためです。さらに、ときめき物質「ドーパミン」も減っていくので恋愛感情も起こりにくくなってきます。

 それでも、女性はいくつになってもキレイでいたいし、若く見られたい生き物です。その理由は、極端なことを言ってしまえば、女性でいることで得をするからなのですが、ということは、反対に「得をしなくていい」=「キレイでなくてもかまわない」と思う女性もいるということ。自分のスキルを生かし、女性であること以外の価値で社会的意義を持って自立している女性もたくさんいます。学術的にはソシオ・エコノミックステータス(社会経済的地位)といいますが、画家や作家、大学の先生などは、まさにソシオ・エコノミックステータスを確立するために自分の存在をアピールし、自分の価値を確認しようとしている女性たちだと思います。

 また、特にスキルがあるわけでなく、経済的に自立しているわけでもなく、普通の専業主婦、あるいはパートで働いているのだけれども“おばちゃんである”という価値をアピールして生き方を再確認する女性たちもいます。要するに、“母親”ですよね。母としての強さを持って生きる。そこを狙うのもいいのではないかと、個人的には思います。それでもキレイでいたいなら……。次にお話しする“キレイを引き寄せる3つの力”を試してみるのがおすすめです。


 
忘れる力・スルーする力・いい加減力
 私がよく申し上げるのは、「何歳になってもキレイを引き寄せている人には、3つの力がある」ということです。それが、「忘れる力」「スルーする力」「いい加減力」。まずは一つずつ解説していきましょう。

①「忘れる力」
 忘却は、脳の正常な働きであり、人間は忘れるようにできています。それは、脳が生存にかかわる重要な情報を優先して記憶しておくためです。ただし、完全に記憶が消去されてしまうわけではなく、“思い出す”ことはできます。その記憶をつかさどるきわめて重要な役割を果たすのが「海馬」と呼ばれる器官です。海馬はパソコンでいうメモリーのようなもの。記憶する必要があるものはデータとして大脳皮質に送り、長期記憶として保存することができるのです。ところが、感受性の強い人ほど常に嫌なことを思い出し、そのときと同じように嫌な気持ちになって自分を追い込んでしまう。しかし、忘れるようにできているということは忘れてしまっていいということ。無理に思い出す必要なんてないのです。

②「スルーする力」
 スルーする力とは、端的に言えば、「嫌なことは無視・聞き流しましょう」ということ。たとえば、誰かにネガティブなことを言われて傷ついたとします。しかし、負の感情に振り回されて相手を攻撃したり、いつまでもウジウジ考えたりしても、“ネガティブなことを言われた”事実は変わりません。それどころか、こちらは神経をいら立たせ、疲れ果てているのに相手に全く悪意がない場合もあるのです。そうであれば、スルーしたほうが脳の健康にとってもいいことだとは思いませんか?

③「いい加減力」
 いい加減力とは自分の苦手な部分を周りの人たちにフォローしてもらうことです。女性は特に、何でもきちんとやらないと気が済まない方が多いのですが、人は万能ではありません。そこで自分の存在を誇示しても、苦手なことまで抱え込んではかえっていい結果は出せません。また、努力するのはいいことですが、頑張りすぎればストレスが溜まります。“美”にとって、ストレスは天敵。自分ができないことはやらないと思い切る。極端な話、自分が英語を話せなければ、英語を話せる人を連れてくればいいのです。
「自分にできないことはやらない」「無理をしすぎない」「何でも責任を背負い込むことに価値を感じない」ことが肝要です。


3つの力で「若返る」理由とは?
 忘れる・スルーする・いい加減にする。この3つの力を発揮できると、脳から大きなプレゼントが渡されます。

それが、「熟睡」です。よく眠れるとは、つまりキレイになれるということ。言い換えれば、夜、寝ないことが、年齢を重ねた女性にとっての最大の敵なのです。そこに大きくかかわるのが「メラトニン」という脳内物質です。
 「メラトニン」は睡眠のために分泌される物質で、このメラトニンは「セロトニン」から合成されることがわかっています。では、セロトニンはどうやって分泌するかというと、朝起きて太陽の光が目に入って初めて合成されるのです。そしてメラトニンは、セロトニンが合成され始めて15時間後に合成され始める。たとえば朝7時に起きたとしたら、そこからセロトニンが合成され、15時間経った夜10時にメラトニンが合成され始め、眠りに落ちるというわけです。

 最近よく、「夜10時から夜中の2時まではお肌のゴールデンタイム」といわれますが、それは間違いないこと。つまり、キレイのためには「早寝・早起き」が大切だということですね。 さらに、そのことを裏づけるのが、メラトニンの「若返りの機能」です。“若返りのビタミン”といわれるビタミンE効果は口から摂取した場合の2倍ともいわれ、肌細胞の酸化を抑える働きがあるのです。美肌のためにどれほどビタミンを摂取しても、夜、しっかり寝ている人にはかないません。あなたの周りにいる「年齢を感じさせない艶やかな人」も、「3つの力」で寝ている間にキレイを育てているのかもしれません。「3つの力」のいいところは、さらに2つあります。一つは、やろうと思ったら一人ですぐに実行できること。もう一つは、お金がいっさいかからないことです(笑)。ほかにも本コラムでお話してきたことで、少しでも「面白そう」と思ったことがあれば、1分、1秒でも早くやってみることをおすすめします。そうすれば、1分、1秒早く、あなた自身の“キレイ”の変化に気づくことができるでしょう。ぜひ実践して、脳の働きのすごさ、面白さを肌で感じていただければ幸いです。

(構成・宮嶋尚美)

キレイへの5th step
「美容のためにメラトニンを分泌させる」
~忘れる力・スルー力・いい加減力が明日の美をつくる~



【中野信子さんのブログ↓】
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【なかの・のぶこ】
1975年東京都生まれ。東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了。脳科学者、医学博士。フランス原子力庁で研究員として勤務後、脳科学についての研究と執筆活動を行う。書著に『脳内麻薬 人間を支配する快楽物質ドーパミンの正体』、『東大卒の女性脳科学者が、金持ち脳のなり方、全部教えます。』、『世界で通用する人がいつもやっていること』ほか。「音楽と脳」「恋愛と脳」「香りと脳」など、脳科学の基礎をふまえつつ、従来にないような分析も得意とする。世界の上位2%のIQ所有者のみが入会を許される団体MENSAに所属。
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