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美しいくらし
フランス 花の村をめぐる旅 写真と文
木蓮
最終回 花を育てる(下)

※このWEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『フランスの花の村を訪ねる』が絶賛発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。



スイスとの国境に近いレマン湖畔のイヴォワール


 さて、冬の間、旅立っていたツバメたちが春を連れて村の空の上を忙しそうに飛び回り始めたら、早速小さな村へ出かけましょう!

 まずは、スイスに近い美しいレマン湖沿いに佇むイヴォワール。この村はとにかく湖の青とゼラニウムの赤い花の対比がとても美しい村です。春から夏まで、色とりどりの花が目を楽しませてくれます。
 村の中に入ると、とにかくカラフル! フランス特有のピンクの紫陽花とともに、子どもたちが着ている色鮮やかな服がまるで花のように一緒になって、この村を飾りたてます。

ジャスミンの花が美しいヴァルボンヌ
 次は、コート=ダジュール地方、グラース近くにあるヴァルボンヌ。この近くにあるシャンブルドット*に泊まったとき、どこかおいしいレストランがないかオーナーさんに尋ね、「とてもかわいい村があるのよ」と教えてもらったところです。
 建物を囲むようなジャスミンの白い花が、赤いファサードによく映えていました。このジャスミンの前に小さく咲いていたバラが可愛かったことを今でも覚えています。

 こちらは、ミディ・ピレネー地方にあるサンチュラリードルト。この村は、住人の皆さんの庭がとても可愛いのが特徴です。
 私が主催している少人数の「小さな村めぐりツアー」を楽しんでいたときのこと。皆で一緒に門の外から素敵な庭を写真に撮っていると、「よかったら、中を見て行くかい?」と、声をかけていただいたことがあります。皆、大感激! 普通は、なかなか旅行者がフランス人の家の庭に入れませんから。

 こんなふうに、フランスの小さな村を旅する醍醐味は、やはり住人のみなさんとの触れ合いだとつくづく感じるのです。

 そしてもう一つ、私が村の中を歩いているときについつい探してしまうのが、庭に飾られた小さなバードハウスです。自分でつくったものからかわいらしいティーカップ型のものまで、ユニークなものがたくさんあります。自然いっぱいのフランスの小さな村には、美しい花とともに多くの野鳥たちがのびのびと歌いながら暮らしています。

 さて、5回に渡ってご紹介してきたフランスの小さな村。いかがだったでしょうか?
フランスの小さな村の魅力にもっと触れたくなった方は、ぜひとも私のブログ「フランス小さな村を旅してみよう!」ものぞいてみてください。

 そして、ぜひ!! 皆さんもフランスを訪れた際は、パリやニースなどの大都市だけではなく、「小さな村」を訪れてくださいね。きっと、今までにない旅ができるはずです。

*シャンブルドットとは、一般的に同じ敷地内にオーナーが住んでいる、もしくは一般家庭のゲストルームを提供し、比較的安い料金で宿泊することが可能な施設です。ホテルと違い収容できる人数が少なく、アットホームな雰囲気でヨーロッパでは大変人気があります。

【写真提供:木蓮】
★木蓮さんのブログ【フランス小さな村を旅してみよう!】
http://ameblo.jp/petit-village-france/
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【もくれん】
神戸出身。フランスの「おへそ」にあたるオーヴェルニュの人口200人に満たない小さな村に在住する日本人女性。フランス人の夫との結婚を機に渡仏。さまざまな地域に接しているオーヴェルニュの地の利を生かし、名もなき小さな村を訪ねる旅にどっぷりはまる。フランスの小さな村の美しさに魅了され、「パリだけではないフランスの美しさを伝えたい」と、訪ねた村々をブログで紹介。みずみずしい写真と住んでいる人間ならではの視点で人気を呼んでいる。著書に『フランスの小さな村を旅してみよう』『フランスの花の村を訪ねる』(東海教育研究所)。
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