楽しい旅を目前にちょっと憂鬱なのが荷物のパッキング。そこで、『フランスの美しい村を歩く』の著者、寺田直子さんに「旅の七つ道具」を教えてもらう連載第4弾では、“旅のプロ”ならではのアイデアあふれる収納術をご紹介します。思い出とともに増えてしまうお土産を持ち帰るときにも役立ちますよ! 旅の持ち物を身軽にするコツはなんといってもパッキング。私は基本として、
Tシャツやスカート、ニットなどなんでもクルクル巻いてしまいます。ポイントは丸めたものをデコボコがなくフラットになるように入れていくこと。そうして最後、上面にジャケットやブラウスなどシワにしたくない大物をふわりと配置。これでキレイに重ねることができます。
持っていく洋服はすでに紹介したようにシワになりにくいタイプのものを選びますが、どうしてもスーツケースに入れて移動する間にたたみジワなど出てくるのは必然。ですから、スーツケースのパッキングは
シワ予防よりもコンパクトな収納のほうに重きを置いています。クルクル巻きはそのひとつ。ギュッと巻いていくと意外なほどコンパクトになり、小さ目のスーツケースに収めることができます。
収納に加えて、
見た目をきれいにするのに役立つのが収納ケースやバッグ。私が長年愛用しているのは黒のキルティングのタイプです。シルクのブラウス、シャツなど透け感のある洋服、小物などを入れておきます。もうひとつは、Bon Voyage(フランス語で「よいご旅行を」の意味)と刺繍が施された下着専用の布製のポーチ。シンガポールの名門ホテル、ラッフルズのギフトショップで購入したものです。常にこの2つを持参し、
ひとつは洗濯された下着用で、もうひとつは使用したもの用と分けて使っています。布製なので汚れたら簡単に洗えるのもポイントが高いです。
ちなみにポーチに刺繍されているのは、トラベラーズツリーと呼ばれる熱帯の植物。常に葉が広がる方向が決まっているため、旅人に方角を教えてくれることからこう呼ばれています。そして、これはラッフルズのシンボルでもあります。

さらに役立つのがエコバッグです。布製の薄いタイプがベスト。これを収納ポーチ代わりに使うのもお薦めです。
ヨーロッパをはじめ海外のスーパーに行くと1、2ユーロほどでオリジナルのエコバッグを並べているので現地で手に入れるのもいいでしょう。お土産代わりにもなります。
また、布製ではないですがフランスのスーパー「モノプリMonoprix」のエコバッグは、カラフルでバリエーション豊富で日本人観光客に大人気。これに下着類やクツなどを入れてスーツケースに収納するのも見た目スッキリでさらにオリジナリティがありおすすめです。
同じような発想で、私は以前、風呂敷を使っていたこともありました。でも、結ぶ手間などがあり、あまり長く続きませんでした。
見た目にこだわらなければコンビニのレジ袋だって活用度大。自分の旅スタイルを考えながら選んでみてください。ただし、高級ホテルやクルーズ旅行の際はキレイめの収納ポーチやケース持参が望ましいです。そのままクローゼットに移動させても見苦しくないですし、特に上質なクルーズにはバトラーサービスがあり、乗船ゲストの荷物のパッキング&アンパッキングをしてくれます。
下着類など他人に見られたくないアイテムはかわいらしいポーチの中にひそやかに隠してしまうのがレディーのたしなみです。
帰国時、増えた資料やお土産で荷物があふれてきた! そんなことを想定して私が持っていくのがTUMIのJust In Case Travelトートです。Just In Case(万が一の場合)の名前のとおり、まさに
お助け役的な存在のトートバッグ。B5サイズ程度にコンパクトに折りたためられるのでスーツケースの中でもほとんどスペースをとりませんが、広げるとたっぷり容量。丈夫なナイロン製なので、そこそこ重いものでも問題ありません。お土産やジャケット類など大物をこちらに入れて、あふれたものの収納はこれで解決。
帰国時の荷物を想定して持参する収納アイテムを考える。これも旅のポイントです。
【写真提供:寺田直子】
【寺田直子のハッピー・トラベルデイズ】
http://naoterada.exblog.jp/
※WEB連載原稿に加筆してまとめた寺田直子さんの旅行エッセイ(『フランスの美しい村を歩く』を好評発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。WEB連載「いつか訪ねたい世界の美しい村」はこちらをご覧ください。