年間150日以上は旅の空という『フランスの美しい村を歩く』の著者、寺田直子さんに「旅の七つ道具」を教えてもらう連載第3弾。前回はエディバウアーのユーティリティパーカーやポケットがたくさん付いたカーゴパンツなど、ちょっとボーイッシュなアイテムを紹介してくれました。今回は一転、リゾートのパーティーでレディに変身できる旅服のテクニックを伝授。トラベル・ジャーナリストならではのアクセサリー活用術は、普段でも役立ちますよ! 昼間のカジュアルさとは逆に上品な服装が求められるシーンでは、ガラッと変身。
大人のエレガンスを感じさせ、かつシワにならずコンパクトという旅に持っていくのに最適な服を選びます。
愛すべき一着として見つけてもらいたいのが「リトルブラックドレス」と呼ばれるシンプルなドレス。イメージは映画『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘプバーンが着ていたような黒のドレスでしょうか。上にジャケットをはおればビジネスシーンでも活躍。オードリーのように髪をアップにしてちょっと華やかなアクセサリーとピンヒールをあわせれば、ドレスコードのあるディナーや観劇にも問題なし。私も季節に応じて数着持っています。「リトルブラックドレス」で検索すればさまざまなデザインのドレスが見つかるので、ぜひチェックを。
また、ドレスコードが必ず出てくる旅といえばクルーズ。特定のカジュアルクルーズを除き、1週間以上の行程では少なくても1度はガラディナーと呼ばれるブラックタイ&ドレス着用のフォーマルなイベントが催されます。そんなときには、ドレスをぜひ持参しましょう。船内のブティックでも購入することができますが、ここはやはりお似合いの一着を。
日本人の場合は着物も華やかでおすすめです。 ここでひとつ、とっておきの情報を。
クルーズ船内ではドレスのクリーニング代が比較的、手ごろな値段になっています。しかも、上手! フォーマルな服装を持参するゲストが多いからゆえのサービスなのですが、リピーターのつわものになると必要以上にドレスを持ち込み、クリーニングに出して日本に持ち帰る人もいるほど。さすがです。ちなみに男性のタキシードは船内でレンタルすることもできます。
それでも旅先に大事なドレス持参はちょっと躊躇する。そんなときには
多少汚れたり紛失したりしても惜しくないプチプライスの洋服を選ぶこともいいでしょう。私が最近見つけて気に入ったのは、シャリ感のある柔かな素材がおしゃれなユニクロのシフォンプリーツスカートと、プリーツブラウス。上にジャケットやロングカーディガンなどをあわせればキチンとした雰囲気になります。上下で5000円ちょっとなのですから、お手ごろです。

こういった?プチプラ?な洋服はもちろん、シンプルな白いTシャツやブラウスを上品な装いにしてくれるのが、アクセサリー。
私は、旅先にタイプの異なるパールのみを持参します。ロングタイプ、ケシパール、バロックなどタイプによって表情が変わり、魅力的。華やかにしたいときはジャラジャラとそれらを全部つけてみるのも一興で、旅先ならではの遊び心です
海外ではパールは日本をイメージさせるらしく、ホテルやレストランでよく褒められます。日本人の品格もあわせて演出してくれるのがパールなのです。
盗難にあう危険がある旅先では、あえてフェイク=偽物を代用として持っていく「トラベラーズジュエリー」という概念があります。パールはフェイクでもわかりにくいので、それも魅力のひとつ。軽いコットンパールでも十分、おしゃれです。
【写真提供:寺田直子】
【寺田直子のハッピー・トラベルデイズ】
http://naoterada.exblog.jp/
※WEB連載原稿に加筆してまとめた寺田直子さんの旅行エッセイ(『フランスの美しい村を歩く』を好評発売中です(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)。WEB連載「いつか訪ねたい世界の美しい村」はこちらをご覧ください。