新刊『ジョージア旅暮らし20景』の著者で定住旅行家のERIKOさんが、本には書ききれなかったジョージアの魅力を教えてくれる新連載。“ヨーロッパ最後の秘境”と呼ばれるこの国で出会ったモノとコトを、全6回にわたって紹介してもらいます。 ワイン発祥の地といわれるジョージアでは、ワインがただの飲み物ではなく、宗教や彼らのアイデンティティと深いつながりを持っており、人びとの日常に欠かせない飲み物だということを、新刊
『ジョージア旅暮らし20景』の中で詳しく触れさせてもらいました。
そこでこのエッセイでは、ジョージアでポピュラーに飲まれているワイン以外のお酒を紹介したいと思います。その名も「チャチャ」。ワインほどではありませんが、ジョージアの伝統的な宴会「スプラ」や、家庭で食事をするときなどにしばしば登場するお酒です。ジョージア語で「ブドウの搾りかす」という意味を持つチャチャは、ワインづくりで圧搾された後に残るブドウの皮や種、果汁などの残滓を火にかけ蒸留して造られる透明色の蒸留酒で、別名「ジョージアウォッカ」ともいわれています。
私がジョージアに定住旅行中、最もチャチャを飲む機会が多かったのが、コーカサス山脈に位置する山岳地帯のスバネティ地方でした。自家製で造られることが多いためか、庭にチャチャをつくるための蒸留機が置いてある家をよく見かけました。チャチャはアルコール度数が40~50度のものが一般的で、小さなグラスに入れてウォッカのように一気に飲み干すと、喉とからだがすぐにポカポカしてきます。標高が高く寒冷なスバネティ地方に暮らす人びとにとっては、冬季に体を温めるものとして愛飲されているようでした。
ちょうど私がこの地方に滞在したのが、チャチャづくりがたくさん行われる秋の時期。いくつかの家庭でその様子を見せてもらったのですが、ブドウの皮や種といったワインの絞りかすや、ザクロ、オレンジなどの果物が大量に入った大きな盤を火にかけると、透明な液体が一滴一滴絞り出されてきて、チャチャの完成です。
滞在させてもらったパルジアーニ家でもチャチャで何度か乾杯しましたが、ほんのりフルーティーでブドウの香りがして、味に癖がないため、スパイスの効いたジョージア料理にもとても合います。口当たりがいいので、アルコール度数の高いことをついつい忘れてしまいそうなります。
チャチャには薬のような効能が期待できるそうで、健康維持のために飲んでいるという話を聞きました。コーカサスは長寿が多い地域としても知られていますが、その秘訣はワインやヨーグルトはもちろん、チャチャにもあるのかもしれません。8000年以上前からブドウの栽培を行ってきたジョージアでつくられるチャチャは、ワインほどの歴史はないものの、世界一古い蒸留酒の一つともいわれています。もともとは農家が自家製造して飲用するローカルなお酒でしたが、現在では専門の醸造業者が製造し、広く一般販売されています。日本でも手に入るものがあるようなので、日本食に合わせて一度試してみるものいいかもしれません。(つづく)
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