紀伊國屋書店新宿本店で『台湾台所探訪記』著者トーク
こんにちは! 広報宣伝担当カモメのるーです。今回は、2026年10月9日、金曜日の夜に東京・新宿の紀伊國屋書店新宿本店で開催された、新刊『台湾台所探訪記』の刊行記念トークイベントをレポートします。「台湾、『おいしい』の、その先へ ―市場、台所、食卓で出会った暮らし」と題して、旅する食文化研究家の著者・佐々木敬子さんが登壇。会場には定員いっぱいの約20人が集まりました。
トークの冒頭で、「皆さんが食べたことのある台湾料理を教えてください」と佐々木さんが問いかけると、魯肉飯(ルーローファン)に小籠包(ショウロンポウ)、タピオカミルクティー……と、会場の皆さんから、るーも大好きな台湾グルメの名前が次々飛び出しました。名前を聞くだけで、食べたくなっちゃうな~。
でも、「台湾の食」と聞いて思い浮かぶのは、朝ごはん屋さんや屋台など、外食のイメージが強い人も多いはず。佐々木さん自身も、「台湾の人びとは、家ではどんなものをつくって食べているんだろう?」「観光地を訪れるよりも、そこに暮らす人びとの生活を知りたい」との思いから、現地の家庭の台所を訪ねる旅に出たといいます。

佐々木敬子さん
その成果を、手描きの間取り図やオールカラーの写真とともにまとめたのが、新刊『台湾台所探訪記』。本書に登場するのは23軒の台所ですが、実際には30日間で27軒を取材したと聞いて、るーはびっくり! 1日に2軒の台所を訪ねることもあり、行く先々で料理をごちそうになるので、胃袋のやりくりも大変だったんだって。
この日、まず写真で案内してくれたのは、今年6月に訪ねたという台湾北西部・苗栗(ミャオリー)県の竹南(ジュウナン)にある市場。肉屋の店先には、冷凍されていない新鮮な肉の大きな塊がずらり! 「魯肉飯をつくりたい」と伝えると、店の人が料理に合わせて肉を切り分けてくれるのだとか。暑い台湾では衛生面が気になるところですが、肉は傷む間もなく、あっという間に売れていくそうです。
続いて登場したのは、台湾北部・淡水(ダンシュイ)の市場。ここには香味野菜の専門店があり、ネギやニンニク、ショウガが山のように並んでいます。 「どうしてこんなに売っているのだろう」と、佐々木さんは不思議に思っていたそうです。その謎を解くカギは、家庭の台所にありました。それが、台湾の家庭料理の基本ともいえる「爆香(バオシャン)」という調理法。 中華包丁で叩いたニンニクやショウガを油で熱して香りを立たせてから、野菜や肉、魚を加えて調理する技法なんだって。
「最初は気に留めずに見ていましたが、いくつかの台所を訪ねるうちに、全員が同じようにしていることに気づいたんです」という佐々木さん。「皆さんも、台湾料理をつくるときは、まず香味野菜の香りをしっかり立たせてみてください。それだけで現地の味にぐっと近づきますよ」と教えてくれました。これなら、家でもすぐ試せそうだね!
ほかにも、東海岸に暮らすアミ族の方がさばいてくれたシイラの刺身。客家(ハッカ)の家庭でつくってもらったタロイモの茎の炒め物……。土地や家族の歴史が違えば、食材も料理も多種多様。台所を訪れるたびに、「台湾らしさとは、きっとこうだろう」という思い込みが崩れ、さまざまな背景を持つ人が共に暮らす台湾の懐の深さを感じたそうです。
ちなみに、会場の皆さんから「口に合わなかった料理はありますか?」という質問が寄せられると、佐々木さんは「出された料理は断らず、必ずいただきます。これは何だろう? と思ったとしても、せっかくの機会を逃してしまわないように。それに、食べてみると、どれもおいしいんです」と笑顔で答えてくれました。その言葉からは、料理をつくってくれた人への敬意と、食を通して人と出会うことを大切にする佐々木さんの思いが伝わってきました。

トーク終了後はサイン会も
トークの最後には、旅先の食事で役立つ台湾華語のミニ講座も。 「いただきます」「ごちそうさま」「おいしい」といった気持ちを伝える言葉を、現地の人に伝わりやすい発音のコツも交えながら教えてくれた佐々木さん。 旅先で料理を味わうだけでなく、つくってくれた人に感謝やおいしさを自分の言葉で伝えられたら、もっと交流が深まりそうだな~。
『台湾台所探訪記』には、日本で手に入る食材でつくれる台湾の家庭料理のレシピも紹介されています。皆さんもぜひ、本を片手に台湾の家庭の味を再現してみてくださいね!(おわり)
新刊『台湾台所探訪記』
佐々木敬子 著

定価2,420円(税込)
「あなたの台所で、いつもの味をつくってください」をキャッチフレーズに、台湾ぐるり一周の旅へ。目指すは、家の台所で日々つくられている、ごくごく当たり前の家庭料理。旅の途中で出会った23人の台所を、疾走感あふれる軽快なエッセイと、ぬくもりのある手描きイラストで描き出す。現地で出会った家庭料理10品のレシピ付き。言葉や文化の違いを超えて食卓を囲めば、素顔の台湾が見えてくる!
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