ムーミンの生みの親として知られるフィンランド出身の芸術家、トーベ・ヤンソンをテーマにした『トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』。発売から約半年後の2026年3月、奈良 蔦屋書店にて本書の世界観を紹介する出版記念トークイベント&写真展が開催されました。3月1日のトークイベントでは著者・内山さつきさんが登壇。トーベ・ヤンソンが夏の間を過ごした島「クルーヴハル」に滞在した体験や、トーベの創作の背景にまつわるエピソードを、現地で撮影した島の風景写真とともに語りました。その様子を内山さんが振り返ります。* * *

格子模様の天井が美しい奈良 蔦屋書店
2026年3月1日、奈良 蔦屋書店で私の著書『トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』の出版記念トークイベントが行われました。奈良 蔦屋書店では昨年末から北欧の雑貨や書籍を特集する北欧フェアが開催されていて、それに併せてこの本の写真&パネル展も展開してくださっていたのです。
JR奈良駅から徒歩20分ほどの場所にある奈良 蔦屋書店は、系列店の中でも広いフロア面積を誇り、旅やアートの書棚も充実しています。カフェや雑貨コーナーもあって、本好きにはたまらない空間。こんな素敵な本屋さんが近所にあったら、お休みのたびに通ってゆったり過ごすのに、と羨ましく思いながら店内を見て回りました。

壁一面に展開してくださった写真とパネル
『トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』の写真は、北欧関連の書籍の棚に一面に飾られています。愛らしい北欧ヴィンテージの雑貨コーナーのすぐ側で目につく場所なので、朝早い時間だったにもかかわらず、何人ものお客様が足を止めて写真に見入ってくださっていました。
イベントを担当してくださった書店員の辰巳さんは、「自分が勧めたいと思える本は、全力で推していきたい」と話してくだり、その熱意と本に対する愛情に胸を打たれました。通常なら棚の中で、誰かに気づいてもらえるのをずっと待っているような自分の本が、何冊も表紙を並べて、こんなに光を当ててもらっている……。その光景を見るだけでも奈良に来られてよかったと感じました。
イベント会場となった入り口近くのロビーは、ゆったりした椅子とじゅうたんが心地よい空間。日曜の午前中にもかかわらず、たくさんのお客様が参加してくださいました。
当日はトーベ・ヤンソンが夏の間を過ごした島「クルーヴハル」に私自身が1週間滞在したときの体験談を中心に、島で垣間見えたトーベの創作の背景などもお話ししました。トークの後には、「写真を見て、自分もトーベの島に行けたような気持ちになれました」と声をかけてくださる方や、このイベントをきっかけに、ムーミン小説の出版80周年を記念して全国を巡回している展覧会
「トーベとムーミン展~とっておきのものを探しに~」にも関心を持ってくださった方と、ゆっくりお話できたのも嬉しかったです。

トークイベントが行われたロビーは素敵な空間

島に立つ小屋の写真をスクリーンに投影しながら進めたトークの様子
参加者の方々をお見送りした後、私も本を愛する者の一人として、広い店内を森の中を散策するようにゆっくり歩きました。建築の書棚では、自分好みの、旧ソビエト連邦時代の小さな小屋に焦点を当てた写真集に釘付けになるなど、大きな書店ならではの本との出会いを心ゆくまで楽しみました。(おわり)
(写真提供:内山さつき)
【奈良 蔦屋書店の公式サイト】 https://store.tsite.jp/nara/好評既刊『トーベ・ヤンソンの夏の記憶を追いかけて』
内山さつき 著

定価2420円(税込)
「ムーミン」シリーズの生みの親で、芸術家としても知られるトーベ・ヤンソン。彼女が26年間、ほぼ毎年の夏を過ごした場所は、フィンランド湾に浮かぶ小さな島クルーヴハルでした。今なお水道も電気もないその島に滞在した忘れがたい日々と、トーベの友人たちが語った色褪せることのない思い出――。この二つの記憶を重ねるように綴られる旅のエッセイです。アトリエや幼少期を過ごした家など、ゆかりのスポットも収録。ページをめくるたびにトーベが見つめていた世界に出会えます。
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