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きれいをつくる
【対談】着物写真集への思い 着物研究家×デザイナー
Sheila Cliffe×Nichole Fiorentino
後編:撮影は息の合ったコンビネーションで
 最新の写真集『Sheila Kimono Style Plus』では、着物を着る場面や着物でのお出かけをイメージした40パターンのコーディネートを紹介しています。そのため撮影した場所は40カ所、要した期間は約1年半に及びました。留学生だったニコルさんとともに、お互いのスケジュールの合間をぬって行われた撮影の模様を振り返ってもらいます。


――新しい写真集はロケーションのセレクトがとてもユニークですね。工事用トラックと倉庫、雨が降る夜のネオン街、列車が走り抜ける駅のホームもありました。

シーラ:着物は特別な場だけに着て行くものではないと、私はいつも思っています。着物と疎遠になりがちな人の中には、「着る機会がない」といった声もあるようですが、ひと昔前は普段着だったのですから、場所やシーンを選ぶ必要はないのです。
 着物をもっと身近に感じてもらいたくて、写真集の撮影地では、日常的に利用する施設や見慣れた風景を意識して選びました。その多くが近場ですが、ときには秩父や浅草、仕事で訪れた京都でも撮影したんですよ。


ニコル:そういえば、人混みの少ない夜に出かけたこともありましたね。あの日は、雨に濡れた路面とネオンの反射を背景に入れて撮りたかったのですが、思うような仕上がりにならなくて。日を改めて再チャレンジしたけれど、その日は晴れ。なんとかして雨を降らせようとして、ペットボトルに入れた水を傘に垂らして演出しました。

シーラ:ちなみに、表紙の写真で私が被っている帽子は、撮影当日に古着屋さんで偶然見つけたものなんです。色も形もそのとき着ていたグリーンの着物にぴったりで、試しに被ってみるとスタイリングがばっちり! そのときすでに予定していた撮影はすべて終えていたのですが、帽子アリの写真がどうしても撮りたくなって、元の場所に戻って一からやり直したこともありました。

――そんなエピソードがあったとは……。写真集をもう一度見返したくなりました(笑)。とはいえ、撮影期間はちょうどコロナ禍。スケジュールどおりに進まないこともあったのではないでしょうか?

シーラ:確かにさまざまな制限がかかって思うように外出できない状況もありました。そうしたステイホームの間は、次に撮影するシーンや新しいスタイリングの作戦会議です。そこから生まれた二人のアイデアがカタチになっていく工程も楽しむことができました。

ニコル:写真集づくりに携わるという大きなミッションをシーラから与えられたおかげで、充実した時間を過ごせたと思っています。直接シーラから着物文化について教わることもあったし、彼女の紹介で友禅染めや茶道も習うことができたんです。あっという間の2年間でした。

日本で通っていた茶道教室の最終日に、自分で染めた友禅の着物で出席。ヤマユリやルナ蛾、白蛇が描かれている

エクアドルでお茶会を開催するなど、日本文化を普及する活動もしている


――実際に日本で生活してみて、ニコルさんの目に着物はどう映りましたか?

アマゾンの蛾と銀杏の葉をモチーフにした帯もニコルさんの作品

ニコル:実は留学する前は、私の着物スタイルは奇抜で日本人に受け入れてもらえないのでは、と心配していました。けれど、シーラを近くで見ていると、自分らしく自由に着ていいんだって思えたんです。
 日本には、ルールや形を大事にしたい人もいれば、型にはまらずオリジナリティーを追求したい人、そのどちらも楽しんでいる人もいる。着方に幅があることを知りました。着物に対する視野が広がったのも、着物の楽しさ体現しているシーラのおかげです。


――「シーラ×ニコル」の息の合ったコンビネーションを発揮して完成したのが『Sheila Kimono Style Plus』。ファンからは、4年前より「バージョンアップしている」という声もあったそうで、多方面からの話題が集まる写真集になりましたね。

ニコル:着物の種類やカラー、小物、ロケーション……とにかく見どころが満載で、ページをめくるたびにきっとワクワクするでしょう。シーラに出会って私が着物をもっともっと好きになったように、この写真集をきかっけに、着物をもっと楽しんでいただけるとうれしいです。

シーラ:着物をもっと着てほしい。そんな願いを込めて、ニコルと一緒にこの写真集をつくりました。どのスタイリングも私のお気に入りです。だから、どこから見てもOK! 着物ファッションの魅力が詰まった一冊を、ぜひ見てくださいね。(おわり)



 昭和時代の着物が好きだというニコルさん。この日もお気に入りの着物姿で、パソコンの画面から明るさいっぱいにほほ笑んでくれました。シーラ・クリフさんの写真集『Sheila Kimono Style Plus』には、そんなニコルさんのアイデアもプラス。着物を愛する二人がタッグを組んだことで大きな相乗効果が生まれています。シーラさんの多彩な着こなしは自由で楽しく、遊び心あふれるものばかり。これまで着物と距離があった人にもきっと新しい発見をもたしてくれることでしょう。

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※購入特典は本サイト限定 ※利用は2022年2月10日(木)受付まで
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【シーラ・クリフ×ニコル・フィオレンティーノ】
●Sheila Cliffe×Nichole(シーラ・クリフ)
1961年イギリス生まれ。リーズ大学大学院博士課程修了。大学で英語と着物文化を教える傍ら、国内外で着物展覧会やファッションショーの企画・プロデュースをするなど多彩な活動を展開。2002年に民族衣裳文化普及協会の「きもの文化普及賞」を受賞。著書に『日本のことを英語で話そう』(中経出版)、『The Social Life of Kimono』(Bloomsbury)。

●Nichole Fiorentino(ニコル・フィオレンティーノ)
1992年エクアドルの首都キト生まれ。グラフィックデザインを学び、2017年から2018年まで広告の仕事に携わる。2015年に着物と出会い、19年から2年間、東京・文化学園大学の大学院修士課程に留学。着物文化に関する研究を進めるとともに、日本滞在中は友禅染や茶道を学ぶ。現在はキトに在住してエクアドルの人々に日本の文化を紹介している。
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