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食べるしあわせ
今こそ伝えたい、味噌の力 実践料理研究家・みそ探訪家
岩木みさき
最終回 毎日の暮らしに「味噌」を上手に取り入れよう
 最終回は、味噌の意外な食べ方について教えてもらいます。「味噌は味噌汁に使うもの」と思いがちですが、水でのばせば醤油のように、少量使えば和洋中料理の隠し味に。炊き込みご飯やスイーツにも使えて、レシピもぐんと広がります。この万能調味料を使いこなして、毎日の食卓に味噌を取り入れてみてはいかがでしょうか。

―― 最近はお味噌汁を毎日飲む人が少ないと聞きます。でも、味噌は日本のスーパーフードともいわれているように、健康面からも毎日摂りたいものの一つですよね。

 そのとおりです。私はもともと肌荒れがひどくて、体重もふり幅が30キロぐらいあったんです。身長169㎝ですが、ガリガリだったときの体重は40㎏を切るぐらい、全盛期は70㎏近くありました。今もそうですが、添加物や酸化した油を摂ると吹き出物ができて、チョコチップみたいな膿が出てしまいます。そこで自分の体調を何とか改善したいと、具だくさんのお味噌汁を食べるようになってからは代謝がよくなり、整腸作用も手伝って、健康的な身体になりました。

 今は毎日味噌を使った料理をつくっています。「おいしい」だけで終わっていたら、もしかしたら飽きていたかもしれませんが、食べて健康になることを体感できたことで、味噌とは一生のお付き合いになると思っています。それに、腸内環境が整うと幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」がつくられるそうです。私も、味噌の研究を始めてからのほうが性格も柔らかくなりました(笑)。

―― 私は岩木さんのHPを見て、「味噌カルボナーラ」をつくってみましたが、家族に「これ、味噌を使ってるんだけど、わかる?」と聞いたら、「全く味噌の味がしない!」と驚かれました。お味噌汁だけでなく、こういう使い方もあるのですね。


味噌がコクを増す「みそカルボナーラ」(写真提供:岩木みさき)

 ありがとうございます。普通のカルボナーラもおいしいですが、ちょっと味噌を入れるとチーズ感が増してコクが出たり、素材の味を引き立たせてくれたり……。私も以前は主張しやすい調味料だと思っていましたが、意外と縁の下の力持ち的な使い方ができるんです。

―― せっかくなので、「ガチみそ®」をモデルにいくつか使い方を教えてください。白味噌はお菓子みたいに甘いですね。クリーミーで栗きんとんのような柔らかさがあって、クラッカーやパンにつけてもおいしそう。このままおつまみにして、白ワインやスパークリングと合わせてもよさそうな……。

 白ワインと合わせるなら、レモンの皮をすって白味噌に混ぜたり、ラムレーズンを刻んで入れたり。すごくおいしいですよ。

―― それは試したいですね! 黄色の米味噌はすごく香りが立っていますが、どんな使い方がおすすめですか?

 この味噌は、実は吟醸酒をつくるときのようにお米を磨いて(削って)から麹をつくっているんです。それで香りが華やかに立ち、すっきりした味わいに仕上がっている。豚肉によく合います。おすすめはお味噌汁。豚肉とネギのお味噌汁をつくってレモンの輪切りを1枚入れると、上品でさわやかな味わいになります。

―― そんなお味噌汁、飲んだことないです! 最後に豆味噌の使い方をお願いします。

デミグラスのような味わいの「みそブラウンシチュー」(写真提供:岩木みさき)

 豆味噌は本当にいろいろな使い方ができます。パンに塗って焼いてもいいですし、クッキーの生地に混ぜてもおいしい。焼くと不思議なことに、チーズのような風味が出てくる。それから、生クリームに豆味噌を入れて砂糖を入れて煮詰めると、キャラメルみたいな味になります。 料理にもぴったりで、トマトと合わせてさっと煮詰めるだけで、デミグラスソースのようにもなります。ぜひ試してください!

―― 白味噌も、豆味噌も、私はこれまであまり食べたことがないので世界が広がりますね。今、ちょっとときめいています(笑)

 私も、蔵元さんをめぐればめぐるほど、味の違いに感動して、そこに加えて蔵元さんの思いを教えてもらうので、どんどん味噌の魅力が広がっているところです。
 今は味噌の消費量も落ちていて、お味噌汁を飲む人が減っているのを実感するのですが、たとえば白味噌や甘口味噌は、牛乳や豆乳でといてハチミツとスパイスを入れれば「白味噌ラテ」に。オフィスで温かい飲み物を体に入れたい、少し頭を切り替えたいというときは、コーヒーの代わりにお湯でといただけの素味噌汁を飲むのもいいと思います。それだけで代謝も上がりますし、お風呂やお布団に入った瞬間、癒される“あの感じ”にすぐ出合えます(笑)。

―― ルールをつくらず、味噌と付き合ってみたら、健康にもつながり、日本の食の未来も明るくなりそうな気がします。「生産者の蔵元と消費者、蔵元同士を繋ぐパイプ役(伝書鳩)のような存在でありたい」と笑顔で語ってくれた岩木さん。ありがとうございました!(おわり)

(構成・宮嶋尚美)

【実践料理研究家・岩木みさきのみそ探訪記】http://misotan.jp
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【いわき・みさき】
1988年神奈川県生まれ。10代のころに摂食障害や肌荒れに悩んだ経験から、食の大切さを実感して料理の道へ。病院栄養士として3年間勤務したのち、2012年に実践料理家として独立。その後、日本の伝統調味料である味噌に魅せられ、4年で日本各地60カ所以上の味噌蔵探訪を続け、その成果をWEBサイトやレシピ、イベントなどを通じて発信している。
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