こんにちは! 広報宣伝担当カモメのるーです。今回は、新刊『にっぽん味噌蔵めぐり』の刊行を記念し、2024年9月20日に東京・下北沢の本屋B&Bで開催されたトークイベント「味噌×醤油~発酵大国にっぽんの底力~」のレポートをお届けします。著者の岩木みさきさんと対談したのは、好評既刊『にっぽん醤油蔵めぐり』の著者で、醤油のセレクトショップ「職人醤油」代表の高橋万太郎さん。
さらに聞き手として、博報堂ケトルチーフプロデューサーで、地域の魅力を発信する“ローカルおじさん”としても知られる日野昌暢さんが加わり、味噌×醤油の味わい深い発酵談義を繰り広げました。
左から高橋万太郎さん、岩木みさきさん、日野昌暢さん
会場の本屋B&Bは、ビールやコーヒーを片手に本を楽しめる新しいスタイルの街の本屋さん。今回の味噌×醤油トークは会場とオンラインの同時開催で行われたのですが、合わせて70人を超える参加者が全国から集まってくれました。味噌や醤油に興味のある方がこんなにたくさんいると知り、るーは感激!

実は、聞き手の日野さんも調味料の「さしすせそ」が大好きという一人で、岩木さん&高橋さんともかねてお付き合いがあるそう。「味噌×醤油の“世紀の一戦”と聞き、司会役に手を挙げました」と会場を笑わせ、気心知れた3人によるトークイベントがスタートしました。
前半戦では、基礎知識として味噌と醤油の種類をおさらい。原料や製法、味、色などによるさまざまな分類のほか、料理で使うコツとして、岩木さんからは「味噌は水で溶けば醤油のようにも使えますし、甘口味噌に醤油で塩味を足すといったアレンジも楽しいですよ」と目からウロコのお話が。高橋さんも寿司ネタと醤油のベストな相性を伝授してくれ、「味噌も醤油も、種類の違いを知ることで食の楽しみが増えますね」との日野さんの言葉に、るーもウンウンとうなずいてしまいました。
続く後半戦、話題は岩木さん&高橋さんの蔵めぐりエピソードへ。「はじめは門前払いだった」「アポイントを取ろうとメールをしてもほぼ100%返事は来ない」などは味噌蔵・醤油蔵共通の 「あるある話」のよう。そしてまた、「造り手さんから直接話を聞いて学びたいという真剣な思いが伝わると、途端に心を開いて何時間もその魅力を語ってくれた」という点も、2人の蔵めぐりに共通する経験でした。
「ぜひ皆さんも蔵を訪ねてみて」という2人からは、おすすめの訪問時期や「アポイントは必須」といったアドバイスのほか、「下調べしたうえで質問をすると、より深い話や予想外の話が聞けたり、蔵元にとっても新しい発見があったりするんです」と貴重な機会を生かすコツも明かされました。それを受け、「相手を知ることは、その人といい関係を結ぶために大切なこと。人生にも通じる話ですね」と感心する日野さん。2冊の『蔵めぐり』シリーズに綴られた各地の蔵元さんの思いや素顔には、伝統の味の魅力に触れるヒントが詰まっているんだな~と、るーもしみじみ実感したのでした。
さらに、るーの心を打ったのは、「木桶職人復活プロジェクト」の話題。時代の変化とともに姿を消しつつある伝統的な「木桶」の製造技術を守り伝えるこのプロジェクトは、2011年に一軒の醤油蔵さんから始まり、今では各地の蔵元のほかラーメン屋、流通関係者約300人が参加する取り組みになっているそう。「中心となっているのが20~30代の若手たち。もとは蔵元同士のつながりがほとんどなかった醤油業界ですが、“自分の個性が出せる木桶仕込みの醤油をつくりたい”という若手の熱意が、蔵や業界の枠を超えて広がっています」と高橋さん。岩木さんも「昨年から木桶プロジェクトに参加する味噌蔵さんも出てきて、味噌業界にも新しい動きが生まれていると感じます」と応じます。
新たな変化が芽生えつつある日本の醸造文化は、これからますます面白く熟成していきそうな予感……。質疑応答タイムやサイン会では参加者を交え、味噌&醬油トークがさらに進みました。るーもまた本を読み返して、蔵めぐりに飛び立ちたいな。皆さんもぜひ『にっぽん味噌蔵めぐり』『にっぽん醤油蔵めぐり』をガイドブックに、発酵の奥深い世界に飛び込んでみてね!(おわり)
【岩木みさきのみそ探訪記】
https://misotan.jp/【職人醤油―こだわる人の醤油専門サイト】
http://www.s-shoyu.com/《全国の書店で絶賛販売中》

定価2200円(税込)
新刊『にっぽん味噌蔵めぐり』日本の伝統調味料である味噌に魅せられ、全国各地の味噌蔵を探訪している料理研究家が、これまでに訪れた100カ所以上の中から厳選した50蔵を紹介。自ら足を運んだからこそ見えてきた造り手の素顔と多彩で味わい深い味噌の魅力をひもとく一冊です。各蔵のおすすめ味噌のほか、味噌蔵めぐりがもっと楽しくなるバラエティー豊かなレシピも収録! ぜひ味噌選びの参考にしてください。
◆新刊『にっぽん味噌蔵めぐり』はコチラからご購入できます。
定価1540円(税込)
好評既刊『にっぽん醤油蔵めぐり』
醤油のセレクトショップ「職人醤油」を営む高橋万太郎さんが、全国に1200余りある醤油蔵のうち、400以上の蔵を訪ね歩いた中から45蔵を厳選。職人たちが手塩にかけた「この1本」45銘柄と、醤油の違いがわかるシンプルレシピも紹介します。昔ながらのやり方を守る蔵、京都の味を支えてきた淡口、老舗蕎麦屋が愛用する再仕込、煮物がおいしくできる甘口など、醤油観をガラリと変える出会いがここに!
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