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読者モニターと行く初めての歌舞伎見物 エンタメ水先案内人
仲野マリ
第4回 何を着ていけばいいの?

筋書を見ながら開演を待つ2人。筋書には、あらすじのほか、配役やインタビュー記事などが掲載されている


――幕開きまであと10分ほどになり、どの階もお客さんでいっぱいになってきました。3階から和服姿の女性を見かけた加藤さんは、「もしかしてドレスコードがあったのかしら?」とドキリ! 実は、今日どんな格好で来ればよいのか迷ったという加藤さん。ここで、気になる服装についても聞いておきましょう。

「こういうときこそ、おしゃれを楽しみましょうね」


仲野さん ビギナー向け歌舞伎講座の生徒さんから、必ず同じようなことを聞かれますが、特にルールはありません。そんなにかしこまらなくても大丈夫。ショッピングやオフィスに行くような一般的な服装で構いません。
 だからといって「なんでもOK」かというと、そうではありません。私はTPOに応じたマナーはあると思っています。たとえば、短パンやサンダルなどはあまりおすすめしません。また、後ろの方の視界を遮るので、髪形に注意したり、着席したら帽子を取ったりするなどの配慮は心がけてほしいですね。

加藤さん わかりました。マナーは大切ですよね。教えてもらって気持ちが楽になりました。
仲野さん ざっと見たところ、1階では和服姿の女性もちらほら見かけますが、2階や3階はカジュアルな服装の方もいるようなので、そんなに気にしなくてもよさそうでしょ。それにしても、今日の加藤さんはとってもすてきです! 歌舞伎見物にぴったりですよ(笑)。


 
――服装のルールはないというものの、豪華で美しい舞台を観ると気持ちも自然と華やぐもの。「せっかくの特別な機会に少しおしゃれをしてみる」というのもアリかもしれませんね。さあ、いよいよ幕が開きます!(最終回につづく)



          【仲野マリさんの歌舞伎ミニ講座!】

             「出し物は毎月変わる」
 演目は毎月変わりますし、昼の部・夜の部でも演目や構成が異なります。構成は、映画のように1つのストーリーを最初から最後まで通して行う通し狂言(とおしきょうげん)と、おなじみの場面だけを切り取って2~3本立てで上演するのを見取狂言(みどりきょうげん)があります。毎月の公演内容はチラシや公式サイトで確認できます。



【仲野マリの歌舞伎ビギナーズガイド】http://kabukilecture.blog.jp/
【エンタメ水先案内人】http://www.nakanomari.net


(構成:狭間由恵、撮影:川島省子)

※WEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『恋と歌舞伎と女の事情』が(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)が好評発売中です。
 新刊の魅力を伝える”新刊ナビ”では、本の見どころ(第1回)装丁(表紙デザイン)の秘密(第2回)をわかりやすく紹介! 新刊発売を記念して開かれた著者・仲野マリさんとイラストレーター・いずみ朔庵さんのトークショーの模様はコチラをご覧ください。
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【なかの・まり】
1958年東京都生まれ、早稲田大学第一文学部卒。演劇、映画ライター。歌舞伎・文楽をはじめ、ストレートプレイ、ミュージカル、バレエなど年100本以上の舞台を観劇、歌舞伎俳優や宝塚トップ、舞踊家、演出家、落語家、ピアニストほかアーティストのインタビューや劇評を書く。作品のテーマに踏み込みつつ観客の視点も重視したわかりやすい劇評に定評がある。2013年12月よりGINZA楽・学倶楽部で歌舞伎講座「女性の視点で読み直す歌舞伎」を開始。ほかに松竹シネマ歌舞伎の上映前解説など、歌舞伎を身近なエンタメとして楽しむためのビギナーズ向け講座多数。
 2001年第11回日本ダンス評論賞(財団法人日本舞台芸術振興会/新書館ダンスマガジン)「同性愛の至福と絶望-AMP版『白鳥の湖』をプルースト世界から読み解く」で佳作入賞。日本劇作家協会会員。『歌舞伎彩歌』(衛星劇場での歌舞伎放送に合わせた作品紹介コラムhttp://www.eigeki.com/special/column/kabukisaika_n01)、雑誌『月刊スカパー!』でコラム「舞台のミカタ」をそれぞれ連載中。
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