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読者モニターと行く初めての歌舞伎見物 エンタメ水先案内人
仲野マリ
第1回 さあ、歌舞伎座へ

歌舞伎見物といえば、ここ歌舞伎座! 銀座のランドマークにもなっている
 「歌舞伎見物したいのに、なかなか一歩を踏み出せない」というあなた。「敷居が高い」「難しい」といった思い込みで、せっかくの機会を逃しているかもしれません。そこで、「前々から行ってみたかった」という読者モニターの加藤珠由さんに歌舞伎座での1日を体験してもらい、その模様を密着しました。
 教えてくれたのは、“エンタメ水先案内人”こと、新刊『恋と歌舞伎と女の事情』の著者・仲野マリさん。歌舞伎をはじめ、文楽やミュージカルなどの舞台を年間120本も鑑賞し、役者さんのインタビュー記事や劇評も執筆する仲野さんが、初めてでも役立つ知識やマナーを交えながら歌舞伎見物をナビゲートしてくれます。あなたも、加藤さんのように歌舞伎座デビューしてみませんか?

読者モニターの加藤珠由さん。「歌舞伎座へは子どもが参加した催しの付き添い以来で、舞台観劇は初めてです」


――午前10時、昼の部の開演1時間前。仲野マリさんと読者モニターの加藤珠由さんが待ち合わせた場所は、歌舞伎座地下2階にある「木挽町広場」です。最初に現れたのは、歌舞伎見物が未体験という読者モニターの加藤珠由さん。艶やかなヘアスタイルが印象的なエレガントな女性です。そこへ、今日の案内役をしてくれる仲野マリさんがやってきました。

ナビゲートしてくれる仲野マリさん。講師や劇評の執筆など、多方面で活躍中
2人そろったところで、早速、歌舞伎座へ! と思いきや、仲野さんからある提案がありました。

仲野さん ここでお弁当を買って行きましょう。歌舞伎座内には食事処や売店もあるけれど、お弁当を持ち込んだほうが落ち着いて食べられるし、幕間の時間を有効的に使えます。今日は、歌舞伎座の中もいろいろ紹介したいと思っているの。

加藤さん わー、楽しみ。劇場内でお弁当を食べるなんて初めてです。

歌舞伎見物の合間に食べるお弁当を選択中……


――仲野さんと加藤さんがお弁当を選んでいるうちに、「木挽町広場」を紹介しておきましょう。場所は、東京メトロ日比谷線・都営浅草線の東銀座駅と直結した、歌舞伎座の地下2階にあります。そのため、エスカレーターで上がれば、すぐ歌舞伎座の正面玄関という好立地です。しかも、飲食店のほかに、歌舞伎座土産や和小物を扱う店が軒を連ね、まるで縁日のようなにぎわい。誰もが気軽に歌舞伎らしい雰囲気を味わえるスポットになっています。
 ところで、さっきまでお弁当屋を選んでいた2人はどこへ? あっ、いました! 楽しそうに会話しながらエスカレーターで1階へと上昇中です。

加藤さん ここはお祭りみたいに活気があって、観る前から歌舞伎気分を盛り上げてくれますね(笑)。
仲野さん 木挽町広場はいろいろなお店が集まっていて見て回っても楽しいですよ。帰りにもう一度寄りましょうね。

色鮮やかなじゅうたんが映える1階ロビーにて


――歌舞伎座の正面玄関は、開場待ちのお客さんで混雑しています。そして時刻は開演30分前に。「そろそろいい時間だわ」。仲野さんはバッグからチケットを取り出し、2人は歌舞伎座の中へと入っていきました。

 「わー、天井が高くて美しい建物ですねー」。天井を見上げる加藤さんの第一声です。それもそのはず、人でにぎわう1階ロビーは吹き抜けの開放的な空間。正面には、朱塗りの2本の円柱と、床には真っ赤なじゅうたんが敷き詰められ、白を基調にした外観とは異なる趣きを放っています。「ここから伝統文化を発信しているんですね」。目をキラキラさせて話す加藤さん。伝統と風格が漂う佇まいに心を躍らせます。(第2回につづく)

        【仲野マリさんの歌舞伎ミニ講座!】
          「歌舞伎の演目とは?」


 歌舞伎演目は大きく「時代物」「世話物」「所作事」に分類されます。時代物は江戸時代の人たちにとってのいわゆる時代劇で、江戸時代以前の室町・鎌倉・平安時代を舞台にしたお芝居です。これに対して世話物は、江戸時代にその時代を描いた作品で、現代劇やホームドラマのようなもの。舞踊などのことは所作事といいます。


【仲野マリの歌舞伎ビギナーズガイド】http://kabukilecture.blog.jp/
【エンタメ水先案内人】http://www.nakanomari.net


(構成:狭間由恵、撮影:川島省子)


※WEB連載原稿に加筆してまとめた単行本『恋と歌舞伎と女の事情』が(発行:東海教育研究所、発売:東海大学出版部)が好評発売中です。
 新刊の魅力を伝える”新刊ナビ”では、本の見どころ(第1回)装丁(表紙デザイン)の秘密(第2回)をわかりやすく紹介! 新刊発売を記念して開かれた著者・仲野マリさんとイラストレーター・いずみ朔庵さんのトークショーの模様はコチラをご覧ください。
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【なかの・まり】
1958年東京都生まれ、早稲田大学第一文学部卒。演劇、映画ライター。歌舞伎・文楽をはじめ、ストレートプレイ、ミュージカル、バレエなど年100本以上の舞台を観劇、歌舞伎俳優や宝塚トップ、舞踊家、演出家、落語家、ピアニストほかアーティストのインタビューや劇評を書く。作品のテーマに踏み込みつつ観客の視点も重視したわかりやすい劇評に定評がある。2013年12月よりGINZA楽・学倶楽部で歌舞伎講座「女性の視点で読み直す歌舞伎」を開始。ほかに松竹シネマ歌舞伎の上映前解説など、歌舞伎を身近なエンタメとして楽しむためのビギナーズ向け講座多数。
 2001年第11回日本ダンス評論賞(財団法人日本舞台芸術振興会/新書館ダンスマガジン)「同性愛の至福と絶望-AMP版『白鳥の湖』をプルースト世界から読み解く」で佳作入賞。日本劇作家協会会員。『歌舞伎彩歌』(衛星劇場での歌舞伎放送に合わせた作品紹介コラムhttp://www.eigeki.com/special/column/kabukisaika_n01)、雑誌『月刊スカパー!』でコラム「舞台のミカタ」をそれぞれ連載中。
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