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食べるしあわせ
ととら亭のギョーザ裏話 「旅の食堂ととら亭」店主
久保えーじ
第5回 スロバキアの「ピロヒー」 

ととら亭のピロヒー



 ととら亭のポリシーは、旅の料理をアレンジしないで再現すること。とはいえ例外もあります。いちばんわかりやすい例は、黒豆とさまざまな種類の塩漬け肉を煮込んだブラジルの国民食フェイジョアーダ。変更したのは次の2点です。まずその量。通常サイズが体育会系御用達の特盛なので、これを半分くらいに減量。もう一つが塩加減。ご飯にかけて食べる料理とはいえ、血圧計が振りきれる塩辛さをほどよい加減に落としました。
 これでようやく、ととら亭のテーブルに載ったわけですが、“旅のメニュー”として2017年1月から3月までお店で出したスロバキアのピロヒーも、この例外処置を適用しました。味はともかく、ギョーザをサワークリームとチーズ、そして脂身のクルトンで食べるのですから……。やはり量を減らして前菜扱いで紹介となりました。

スロバキアで食べたピロヒー
……しかしながらこの料理、形こそギョーザの体をなしていますが、内容はランチで白旗を上げたブリンゾベ・ハルシュキと、うり二つ。マッシュポテトを薄力粉で作った柔らかめの生地に包んでギョーザ形に整形してゆでたものに、ブリンゾベとサワークリーム、そしてベーコンの脂身のクルトンを添えていただく……いや、いただかねばならないのです!
(久保えーじ著『世界まるごとギョーザの旅』より)



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WEB連載「世界まるごとギョーザの旅」はこちらをご覧ください。


【「旅の食堂ととら亭」のホームページアドレス】
http://www.totora.jp/
※『世界まるごとギョーザの旅』の出版を記念して、東京・中野区野方にある「旅の食堂ととら亭」で《世界のギョーザ特集》を2017年7月10日までの期間限定で実施中。 期間中はスロバキア・韓国・アゼルバイジャンの3種類のギョーザが“旅のメニュー”として登場します(6月12日~29日は取材旅行のため休業。詳細はととら亭のHPを参照)。
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【くぼ・えーじ】
1963年神奈川県横浜市生まれ。ITベンチャー、商業施設の運営会社を経て独立。「旅の食堂ととら亭」代表取締まられ役兼ホール兼皿洗い。20歳のころからオートバイで国内を旅し、30歳からはバックパッカーに転身。いつかはリッチな旅がしたいと常に夢見ているが、いまだ実現していない。特技は強面の入国審査官などの制服組から笑いを取ること。妻・智子(ともこ)は1970年群馬県高崎市生まれ。食品成分分析会社、求人誌営業を経て料理業界へ転身。フランス料理、ドイツ料理のレストランで修業し、旅の料理人となる。見かけは地味だが、スリルとサスペンスに満ちたジリ貧の旅を好む。特技は世界中どこでも押し通す日本語を使った値切り。
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